旅人の回想 Memoirs

どこにもしばられず、寄留者でありたい。

Nozomi HT Gakko

2007-07-26 02:52:35 | 日常の風景

7月7日にようやく開始したスラムの補習校「Nozomi HT Gakko」。

その後の2週間は、まさにカオス。

日本人やアメリカ人、目新しい人ばかり授業を手伝いに来るので、子供たちも落ち着かずに勉強が手につかない。

任命した大学生の教師役は、集団をうまく纏めて教えるクラスルームスタイルに慣れていない上に、今日は頭が痛くて急遽休み、今日は劇団の練習が長引いて休み、と責任感がない様子。

補習校は毎日5時半~7時半なのだが、あまりに心配なので、日本人が平日業務終了後に手分けして毎日訪問。子供たちの隣に座って、片言のヒンディー語と英語のチャンポンで算数を教えるという日々。

でも、これが、まさに、楽しいのです。

答えが分かったときの子供の嬉しそうな顔。

お互い慣れてきて仲良くなっていく感じ。

できたてホヤホヤの組織を立ち上げていくカオスな感じ。

毎日新たな障害が出てそれをどうにか切り抜けていく感じ。

 さて今後どうなっていくか。

このNozomi HT Gakkoについては、今後別のブログhttp://htindia.exblog.jp/ で様子をお伝えします。

HTとはHands Togetherという僕らの設立したNGOの名前の略です。Nozomiは望み、Gakkoは学校です。


ケララ バックウォーターの旅

2007-07-17 02:40:18 | 日常の風景
5月に友人が帰任するというので、男三人でインド南端のケララ州に旅行。ケララ州は僕が前々から行きたかった場所。経済はあまり発展していないものの、ケララ州の人々は識字率も100%に近く、乳児死亡率も低く、社会開発指標から見ればインド国内で最も豊かな州の一つである。

仕事に疲れた男三人。しかも年間で最も暑い季節。
今回はもう何もせず、バックウォーターの舟を借り切って酒を呑みながらだらだら過ごすことにした。

バックウォーターとは、55,000haの水田をぬう幅の広い水路。バックウォーター全域を行き巡るのには3日かかる、とシビ船長は言う。全長20m以上もあるハウスボードに、5ツ星ホテル級の調度のしっかりしたベッドルームが二つ、リビングが一つ。船長シビ、エンジン周りの技師ソニ、コックのビジュが乗組員。発電機を積み、水タンクも積んでいるので、エアコンあり、シャワーあり、冷蔵庫から冷たいビールを飲み、音楽を聴く。食事は美味しいケララ料理。途中、ハウスボートが水路沿いの店に乗りつけ、魚を買い込み、から揚げにしたり、カレーにしたり。

こんな動く高級ホテル「ハウスボート」は、このバックウォーターに400隻あるという。11年前は運搬用のカーゴだったのを、動くホテルに転換して、大当たりしたのである。

水鳥が通り過ぎる。モリで魚を獲る漁師が水面から顔だけ出している。
水路沿いに立ち並ぶ家に配給する水タンクを積載した政府の船が通り過ぎる。
水と共に生きる人々の生活を眺めながらまどろむと、いつしか満天の星が降るように広がっていた。

占星術のグルとの対面

2007-07-11 01:50:14 | 日常の風景
インド人の友人が昔から家族で世話になっているという占星術のグルに会わせてくれた。でっぷりとしほとんど歯がないグルは、コミカルなハンプティダンプティみたいな容貌。

占星術には色々あるようだが、彼は僕の脈拍をはかり、A4の紙いっぱいに数字を書き始め、足しては引き、掛け、円を描き、ベクトルを描き、そしてしばらく目をつぶった後、朗々と僕の人生を語り始めた。

第一子は男の子が授かること、この子の誕生が家族に幸運をもたらし円満であること、3ヶ月以内に帰任する可能性があること、この7月15日から今後15年あまり運気が右肩あがりであること、などなど。

さて。どうなるか。
第一子が男の子というのはあたった。
それにしても、この予言の細かさ、明快さには驚かされる。
かつてキリストの誕生の場所と時期を、東方の博士達は星の巡りにより割り出した。やはり星の巡りは人の生き死に深く関係しているのか。