身長153.4㌢、体重14.85㌔。
いったい誰のことかわかりますか？
そう、いまたいへんな人気の天平のまなざしをもつ国宝・阿修羅像です。
3月末から開催中の、興福寺創建１３００年記念「国宝 阿修羅展」です。
三面の顔と六本の腕からなる奈良・興福寺の阿修羅像は、奈良の本堂ではガラス張りで正面からしか見られませんが、今回の東京国立博物館では、前後左右から見ることの出来るめったにない絶好のチャンスなのですから、この人気のほどは理解できます。
そもそも、阿修羅とは修羅界の王。
修羅界とは十界のうちのひとつ。
十界とは、地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人界・天界・声聞界・縁覚界・菩薩界・仏界に分類され、これらの総称をいいます。
また、人間の心の全ての境地を十種に分類したもので、六道に声聞・縁覚・菩薩・仏の四を付加したものである、と説明されています。
修羅界の王・阿修羅は、もともと天界の帝釈天と戦って追放され、修羅界の王となる。
そして、仏教との出会いにより、仏教を守る側に立つというストーリーである。
会話を持たず「武力」をもって解決を目指す状態の修羅界の王が、仏教に帰依するいきさつはともかく、「国宝・阿修羅像」のまなざしは、なにを問いかけ、なにを訴え続けているのでしょうか。
みる人によって、またみるひとの心の状態によってさまざまにとららえられるといいます。
あなたには、阿修羅のひとみになにを感じ、阿修羅のひとみの訴えになにがきこえまてきますか？
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