私はルービックキューブが好きである。
ご存知のとおり、ルービックキューブとはルービック博士が考えた三次元色合わせパズルである。
無心にシャコシャコと回していると、心が落ち着いてくる。
ルウのソースで行き詰まったときなど、気が付いたらルービックキューブが左手に握られている。
私はスピードキューブには興味が無い。
以前挑戦したことがあるのだが、あれはパズルと言うよりかるたに近い。
頭脳戦と言うより、反射神経の世界である。
ルウのスパゲッティソースで煮詰まった脳味噌を程良く冷ますのに、スピードキューブは向いていない。
ますます熱くなってしまう。私は猫舌なのだ。
ルービックキューブの動作パターンは数億通りあるといわれている。
「数学は登山は似ている。答えに行き着く方法は無数にある。しかし、答えはただ一つ」
映画「容疑者Xの献身」で湯川が語ったセリフである。
湯川が唯一天才と認める石神に対してのセリフだ。私も言ってみたい。
「ルービックキューブは登山に似ている。答えに行き着く方法は数億通りある。しかし、答えはただ一つ」
残念ながら私には、言う相手がいない。
私の周りには凡才ばかりで、天才と認める人物がいないのである。そして登山が趣味の友人も、私自身に登山の趣味も無い。
ルービックキューブには、様々な亜種が存在する。
ボイドキューブ、フロッピーキューブ、ミラーキューブ、ルービックリベンジ等々。
普通のルービックキューブに飽きたら、亜種に浮気してみるのも面白い。
例えば、ミラーキューブ。
こんなルービックキューブである。
動作パターンは普通のルービックキューブと同じ。違うのは、全面同一色、と言うこと。
いざ、バラしてみる。
普通のルービックキューブは、形や大きさが変わったりしない。
だが、ミラーキューブは違う。現代芸術みたいになる。
白いクロスの上に置いて「混沌」などとタイトルを付ければ、美術展に出展できるかもしれない。
何しろこれは、数億通りのパターンのうちの一つである。このパターンにはもう二度と出会えないと思って間違いあるまい。
組み立ててゆくステップごとに写真を撮ってみた。
ルービックキューブとは、閉鎖空間である。
数億通りのパターンがあるとは言え、無限大ではない。
決して青白い巨人が暴れたり、変なJKにキスして現世に戻ってきたりしない。
どんなにバラバラに動かしたとしても、破損しない限り必ず元に戻せる。
そして、完成したルービックキューブを片手にこう呟くのである。
囲、(゜τ゜), 「ふむ、実に面白い」
雑談カテゴリが寂しかったので、一本記事を書いてみました。
