○記憶の中の犬(Dog in memory)
Openseaに出品しているもう一つのシリーズがMy variouspaintingsで“いろいろな絵”という意味でこれはその作品の一つです。
子供の頃に家で飼っていた犬が「こんな感じだったなあ」というおぼろげな記憶をたどって描きました(何十年も前の話だから多少違うと思う)。
もはや色とイメージくらいで名前すら忘れましたがよくなついていたような気がします。
ところが理由はまったく覚えてませんが父親(故人)が「もう飼えない」と言い出してトラックの荷台に乗せてどこか遠方の公園に連れて行ってそこに放してそのまま走り出したのです(その時自分は助手席に乗っていた)。
犬は後ろからトラックを追いかけてきましたが、やがてあきらめたようでした。
今と違って当時は犬は適当に飼い出して、いらなくなったら捨てるのが普通だったような気がします。
おかげで野犬が増えて大問題になり犬飼いのルールが厳しくなって行きました。
今思えばかわいそうな事ですが、食わしてもらっている身の幼稚園児の子供が一家の長の決定に逆らえるわけも無く従うだけでした。
あの犬はその後どうなったろうと思います。
保健所に捕まって処分されたのか、良いご主人様に拾われて幸福に生きたのか、野犬として生き延びて子孫を残したか…もう知る由もありません。
ただ、何十年もたった今になってなぜか夢を見ました。
外から帰ってくると舌を出しながら出迎えてくれる小さなクリーム色の雑種らしき犬の夢…その子かどうかはわかりませんけど。