うつりにけりな

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くちびるに歌を

2020-07-20 00:55:57 | 映画レビュー
くちびるに歌を

思いがけずすごくよかったです・・。
ストーリーは下記。

https://movies.yahoo.co.jp/movie/350535/story/

アンジェラ・アキの 手紙 拝啓 十五の君へ
こちらから着想を得た小説を映画化したものです。
実は、古本屋さんで単行本を購入したものの、なんか、、つまらなくて、最後まで読めずに何度か寝落ちしてしまい、断念しました。
スミマセン。
映画は、大人が好きなピュアな青春ものなんだろうな~と期待しないで観たら、確かに大人が好きなピュアな青春ものなんだけど、どこにでもあるような話なのに痛切に痛々しくて、つらくて悲しい、でも、力強い話でした。

ストーリーは軸がふたつあり、ひとつはピアノが弾けなくなった天才ピアニストが、友人に産休中の代理で中学校の教師を頼まれる、ピアノが弾けなくなったとか、ベタですが、教師もまた問題を抱えることにより、より、悩み深い感じに。

そして中学生の女の子が合唱部で、生き生きと日々を過ごすのですが、映画の最初に、方言で友人と興奮気味に部活の話をしながら、早朝の海岸沿いを自転車で滑り降りるところなんかは島の景色の美しさとあいまって、いかにも幸せな女子中学生である、、、が、彼女の父親は蒸発していないのである・・。

もと天才ピアニストの教師役に新垣結衣。
私はガッキーが好きでも嫌いでもないです。多分多くの人がそうであるように、まあ、好きかな?という感じです。
好感度が高いのもわかるけど、決してはっと息をのむような(じょ、女優だ・・・)と圧倒されるような演技を見たことがなく、でもそのアイドルっぽい普通っぽいけど可愛い感じがいいんだろうな~なんて思ってたのですがこの映画では、始終ぶすっとしていてつっけんどんで上から目線の嫌な元ピアニストを演じているのです。
月並みな感想なんですが、かくしきれないオーラが漏れていて、(ガッキーに見えるけどガッキーっぽくないし、でもすごく可愛い人だな・・)とずっと気になっていたらガッキーでした。。やられた。
演技はうまいとは言えないけど、プライドが高く時間が止まっているいやな教師役、でも、きれいだし、共感もできる役を演じています。

中学生の演技がうますぎる・・。
ナズナ役 恒松祐里(つねまつゆり) 子役ですでに活躍の人だそうです、が、屋上で号泣するところなんて、完全にガッキーの印象を超えてしまいました・・。

以下ネタバレです

ナズナは、主役に近い中学生なのですが、合唱部の部長であり、歌や部活をとても大事にしてまっすぐに取り組んでいます・・。
が、彼女は幼い時に母親をなくし、父親は、女性とともに蒸発してしまう。
狭い島では、そのことは周知の事実であり、彼女は父から捨てられたという自尊心を傷つけられる事実を抱えながら、日々学校生活を送っています。
ところが、ある日、父がふらっと家に帰ってくる。
当然、家族を捨てた父を追い出してくれると思った期待に反し、祖父と祖母は父を歓迎する。そして、何もなかったようにふるまう父。
ナズナは、疑心暗鬼に父に近づきながらも、父と会話をし、打ち解け始める。
ところが、、翌日には、家のお金を盗み、また再び父は蒸発してしまう。
父に二度も捨てられたナズナは、折れてしまい、屋上で号泣。

ダメな親に捨てられたからといって、自分の価値になんの変わりもないはずなのだが、それが中学生だとか、子どもだったら、そんな風に思えないだろう、というのが、理屈じゃなく伝わってしまいました。
どこにでもありそうな、話なのに、印象的でした。















百万円と苦虫女

2020-06-29 15:52:24 | 映画レビュー
ありそうでありそうな話

蒼井優

ふとしたことから、刑事告訴され、拘留された結果、実家にいづらくなり、住まいを転々とする若い女の人の話。
あるところに住み、100万円貯まったら、次の町に住む。
100万円あれば引っ越しその他、(敷金礼金、引っ越し費用、バイト見つけるまでのつなぎの蓄え)として足りるから。
この100万円というラインがなんとも現実的で気に入り、観はじめました

まず、関東のどこかの海へ。
訳アリで、若い女の人が、誰も知らない海辺の町に移住する、というありきたりなストーリーからはじまる。
関東のどこかの海辺の町には、実際、このような女性がよくいるのではないのか?と想像してしまいました。
昼顔でも、訳ありの主人公が海辺の町に移住してました・・。
なぜ人生に行き詰まると、海辺の町に向かうのだろう・・?でもその気持ちもとてもよくわかる。
人生に行き詰まったからといって、そうだ、八王子に住もう、とか、そうだ、宇都宮だ、とかそうだ、京都に住もう、とは思わない・・。
そして海辺の町に移住したのはいいが、若くて可愛らしい容姿から、放っておいてもらえず、海辺の若者(ウエーイwwとか言ってそうな)に気に入られてしまい、パーティーに行くことに。
誰も知らない町で、誰にも知られず、淡々と過ごしたかったにも関わらず、(おれたち、友だちだろ?)(え?)(うそです。・・・・ソウルメイトだと思ってる)(エグザイル風に)(わた・・したち、まだお互い名前も知らないですよね?)と、仲良くなることを拒否、といっても毎日バイトしてる海の家にしつこくナンパにやってくる若者を断るのも、面倒なので、100万円も貯まったことだし、で次の町へ逃亡。

この若い女の人(鈴子)(蒼井優)には、弟がいて、それはそれは頭がよく、中学受験を目指している。
弟は、成績は優秀なものの、学校でいじめられていて、そんな同級生と同じ中学校に行きたくないのである

弟に(海辺の町は私にはあわないようです)と手紙を書き、今度は山の村へ。

桃の産地である山あいの村にたどり着いた鈴子は、喫茶店のオーナーに仕事を希望したところ、住み込みで桃農家の家に住み始めることに。
海辺ではかき氷をきれいに作ったところで、(すごいね)と褒められ、桃農家では、桃を上手にむいだところで、(すごいわあ)とおばちゃんに褒められる。
若くて可愛らしい女性が住み込みで桃農家にいることが、村長にしれ、鈴子を桃娘(キャンペーンガールのようなもの)になってくれと依頼。
(そういうのは苦手なんです・・)とやっと口をはさむが、田舎の人は強引で話を聞かず、村あげての桃娘キャンペーン辞退大事件となってしまう。
やっとのことで、前科があることを話し、逃げるように村の集まりから逃れて家に帰る鈴子。
おばちゃんと息子は鈴子にあやまりつつ、去っていく鈴子に、餞別として桃をくれる。
ここの田舎の人の思考回路がなんともいえずリアル・・。都会では、人の結びつきはうすく、よくも悪くもドライだとか言われるが、鈴子の実家は、団地のような、マンションで、たえず主婦が鈴子の噂をしている。そして田舎の場合も、同じように人間関係が発生・・。
100万円を貯めた鈴子は、逃げるように、次の町へ。

海辺の町は、ウエーイwwのノリについていけず、山あいの村は、村独特の濃い人間関係をうまくさばけず、ついには東京から特急で1時間の地方都市へ。

ホームセンターでバイトを始める鈴子。そこで大学生と知り合う(森山未來)
大学生は、鈴子の過去を知り、なお、100万円貯まったら転々としていることも知り、付き合い始める。が、大学生は、家でおばあちゃんが育てたという植物(ネギなど)をベランダで育てている、不器用な草食系と思いきや、けっこうモテる(店長談)らしく、鈴子に5万円、1万円、などの少しづつお金を借りるようになる。
(どうして、ほかの女の子と遊ぶお金を私が渡さないといけないの?)
自分との付き合いを金目当てだと思った鈴子は、大学生に別れを告げ、また、次の町へ。

そろそろネタバレです・・。

そこで弟から手紙が届く。
弟はいじめられてた同級生からある日学校に行くと席に花瓶がおいてあり、ついに、ブチキレて、花瓶を割り、いじめていた同級生をぶっぱなす、というわけにいかず、もみあいになりケンカになる。ただ耐えるだけだった弟からの反撃だが、同級生たちの一人がけがを負い、弟は児童相談所に連れていかれる。
そこで、かつて、町でもと同級生に(前科者)といじめられそうになった鈴子だが、3対1でも向かっていきボロボロになったのを見ていた弟は、(お姉ちゃんに恥じないような弟になりたかった)と手紙で告白。(同級生から逃げたくないから、中学受験もしないで地元の中学に行く)と。
鈴子は自分が面倒が起きたら次の町へ移動している自分を恥じ、泣きながら、引っ越しの準備をする。

ラストは、大学生は本当は鈴子が100万円を貯めたら次の町へ行ってしまうのを恐れ、お金が貯まらないようにお金を借りていたことが発覚・・。
駅へ向かう鈴子を追いかける大学生だが、行き違いになる。つい、振り返り、(きてるわけないか)とあきらめさっぱり去っていく鈴子。
ここでラスト。

これで終わり?!という感じもしたが、あ、そっか。という感じも。

描写がリアルなところが、私の好きな感じだったけど、、もうちょっと展開があってもよかった気がします。

リセット願望、誰にでもあると思うし、実際、離婚したり、転職したり、引っ越したり、学校を卒業したり、(やり直す)ことで人生がうまく好転していくこともあると思います。
転職については、ステップアップという考えもありますので同列にはできないですが・・。
ただ、誰も知らないところに行き、住みたい、ということや、誰も知らない町で住み始めるときのすがすがしい気持ち、例えばちょっと本屋に行ったりするときに、ここには今知り合いが一人もいない、というのが何とも言えない自由を感じることが私にもありました。(すぐ知り合いが増えていくのですが・・)
なので、ずっと新卒で入った会社に勤め続けて20年、などという友人なんかはほんとすごいな。と思います。

だけど、リセットしたあとは、少しづつ自分の人生がほかの人の人生と重なり合い、何かしらの人間関係が発生していくのが(シャバ)なのである・・。

放浪することを目的としていた鈴子が、弟の手紙から、逃げずに次の町ではやっていこうと思う、という返事を書いているところでこの話は完結した。

今はコロナなので、あまりないですが、もともと旅行なんかも、ちょっとした逃避でちょっとしたリセットなのだろう、と思います。

あー、旅行行きたいっ!

さびしんぼう

2020-06-18 23:38:42 | 映画レビュー
お友だちのおすすめで、言わずと知れた・・尾道三部作・・・とはいえ、私は見たことなく、初でした。
80年代はちょうど、小学生のころなので、一番記憶にないのです。
文化的には、今再放送している、愛してると言ってくれ、やロング・バケーションという北川悦吏子さんのドラマが全盛期だったような90年代の方が記憶にはっきりあります。
失われた10年というだけあり、すごくのんびりした時代だったと、今、映像観ると、思いますね・・。話の展開もゆっくりです。
映画だとちょうど岩井俊二とか、あのようなふわーっとして雰囲気の話に(しかしストーリーは記憶にない)あこがれたような記憶が。

それに対して80年代の映画は、なぜかすごく懐かしいものの、はっきりとした話で、ストーリーもわかりやすく、熱い感じです。

こちらは、有名なので省略しますが、尾道のお寺の息子である高校生の主人公がいつも、女子高の美人をカメラで盗み見ていて、妄想の世界にひたっていたものの、ある日片思いの相手とふいに親しくなり、心通わせたと思ったとたんにふいに別れを告げられる、現実に恋を失うさみしさやつらさを体感することにより、子どもから大人へ押し出されていくストーリーです。
そして、さらに(さびしんぼう)とニックネームをつけていた美人、だけでなく、実体のないお化けのようなピエロのような、可愛らしい奇妙な少女が(さびじんぼう)として現れ翻弄される。
ストーリーに伏線があるものの、きっと、こうなのだろうな。と予測もでき、すんなり理解できる、でもわかりやすくて子供向けというでもない。前半のギャグ漫画のような幸せな日常の毎日から、後半の青春映画らしい葛藤へなだれこんでいく流れが、ショパンの(別れの曲)の調べと重なり、楽しみながら心地よく観ました。スタートから、ラストまで、流れるように、あっという間です。

富田靖子が美しいです・・。

広島に住んだことはあるのに、尾道は行ったことないのですが、、いつか三部作全部ちゃんと観て、ロケ地まわれたらいいなと思いました。

ただ、80年代の映画はエネルギーが強すぎて、令和の時代に戻ってくるのが大変です・・。

野球が見たい

2020-04-11 12:11:02 | カープ
公式戦が、中止になり、次いつ見れるのかも不明。
無観客試合で、換気して、野球すればいいんじゃないの?

そうすれば、3密でいえば、1密だと思う。

確かに、接触することもあると思う。
むしろロッカールームでの方がうつるとも言える。
野球選手に厳しく注意しても飲みに行ったりもする選手もいる。

でも、プロなんですよ?
皆さん、テレワークできない人は、仕事行ってるはず。
小池さんの休業要請対象に銀行は入ってなかったですが、現金を通しての窓口でのやりとりは、1密です。

巨人とかソフトバンクとかオリックスとか強力スポンサーがいるところはいいですが、カープとかどうするんですか。
チケット払い戻ししないことが、カープへの寄付になるというけど、チケットはまあまあ高い。

それより、試合して、1ゲームづついくらかで販売すればいいと思う。
たる募金でも何でもするファンはするけど、ゲーム見て対価でお金を支払う方がいいと思う
選手の練習動画も少し気晴らしにはなりますが、まのびした感じも。

こんな時に、野球してていいのか、と鈴木誠也選手もおっしゃってますが、こんな時だからこそ、野球してほしい。
スポーツ選手は、地震や災害のときに、こんな時にスポーツしてていいのだろうか、と、自問自答する選手がいらっしゃいますが、でも、こんな時だから他の人に出来ないことをしてほしいです。
プロなら、もちろん、それに対価をもらうことだと思います。

どうなんでしょうか?
松田オーナー!
こんな時に金儲けかと言われそうですが、風評気にせずやってくれそうだと期待してます!

春なのに。。

2020-03-15 10:47:54 | カープ
菊池が、カープに残留することになりました。
年末、新幹線で移動のなか、テレビで知り、なんというか、ニュースになるようなスポーツ選手になったんだなと感慨深く思いました
ほんとは、バンザイ!ありがと!菊池!だけど、やっぱり半分は喜んでいいのだろうか、という気分です。菊池も晴れ晴れしい顔じゃなかったので、条件悪くても夢へ向かって飛び立つような状況だったらもっと晴れ晴れした顔だっただろう。。と邪推しました

いかんせん、他のチームに行かずに残ってくれるのは、うれしい。

カープのここ数年の復活は、菊池に始まってます。
マエケンもいたし、黒田も帰ってきてくれて、新井さんも帰ってきた。
丸はいうまでもなく、すごいし、人気では、もともとは堂林とか大瀬良とか。
でも投手は年代わりエース、、大瀬良もまだエースといいきれない、野手のチーム、そして、何というか、かつては、はなやかさや派手さのなかったチームに目立って応援したくなる選手として存在感があり、なんというか、菊池の存在のわくわくと、カープという若いチームの存在感がリンクしてた感じがします。

他のチームのファンからすれば、他にもっといい選手いるだろうと思われるかもしれないですが、なんか、そういうんじゃないんです。

そして、そういんじゃないんだ、っていうデータや数字に表れないものが、ペナントレースやチームの人気に影響すると思ってます

追記。。↑をアップしようとしてから、一ヶ月以上、、状況がまったく変わってしまいました。

私も、會澤の残留でうれしくて、菊池の残留で、これは、応援できない、とかいってないで、来年こそは!チケットとって、しっかり試合を見ないと!
って思ったんですよ。

野球どころではないのは、じゅうじゅう承知ですが、、無観客試合でも出来ないというのは、とても残念です。
選手の身の安全が第一なので、やむなくガマンします。