木皿泉さんの木皿食堂というエッセイの中に
こんな文章がある・・
｢一緒に食べたという幸せな記憶は、いつ必要になるのだろう？
たぶん、胸がつぷれるほど嘆く日のためだろう。
そんな日も、私たちは、何かを食べねばならないからだ。｣
最近･･私は、自分のために何か食べるものを用意しなければならないことが
面倒でしょうがない
お腹は減るのだけど･･食事を作ることはもちろん
何を食べるかと考えることすら･･邪魔くさい時がある
頭の中は･･つちびとの制作と個展のことしかなくて
他の事に何かを注ぐ容量がない
そんな私だからか･･余計･･この一文が心に染みた
先日･･ドリアンさんの同窓生でもある上坂さんに声を掛けていただいて
ぎゃらりいホンダの真由美ちゃんと一緒に
個展後、初めて飲んだ
その日･･初めて
誕生日プレゼントとして娘にもらった洋服を着ていって
娘からのプレゼントだと二人に話したら写真を撮ってくれた
そして･･そのあと･･偶然なのだが
上坂さんからは 大きなビン入りのエキストラバージンオイルを頂き
真由美ちゃんからは、彼女が土鍋で炊いたご飯に大きな梅干の乗ったオニギリを３つも頂いた
どちらも･･まるで二人で打ち合わせしたかのように体にいい食べ物だ
次の朝･･真由美ちゃんの手のぬくもりまで感じるようなオニギリを食べて
しみじみ･･美味しいと思った
なんか･･普段食べてるコンビニのオニギリとは違う味がして
お米の味も･･梅干の味もふくよかなのだ
笑っちゃうけど･･手作りっていいなあと･･すごく思った
そして･･自分の為には作るエネルギーが出ないけど
かつては･･子供たちのことを思って
私も･･毎日･･たくさん料理していたことを思い出した
子供たちは･･それぞれ独立して
かつて食べたものを思い出すことなどないかもしれないが
記憶の奥に･･少しでも残っていたらいいなあ･･と思った
彼らに･･胸がつぶれるほど嘆く日など、けっしって来ないことを願うが
家族としてはいびつな家族だったかもしれないが
ほんのわずかでも･･
子どもの頃に美味しいと思った記憶を
残せてたらいいなあ
それが･･幸せな記憶にほんの少しでも繋がってくれたらと
祈ります
(この写真は燈舎さんにて上坂さんが撮ってくださったものです）
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