日常の中のアート

時々、自分で自分が分からなくなる

怖がりの小心者だと思っているのに

時々　思い切ったことをする

暖かい日が続いた頃だった

ずっと開けてなかったつちびとを飾っている部屋の雨戸

久しぶりに開けて・・・

外に出て

植木達に水をあげていた時

パンフレットを配布している方が通りかかって

お声かけてこられたから

私にとって必要なものではなかったのでお断りして・・・

でも・・とっても人懐っこい方で

ガラス越しに見えている中のギャラリー部屋を見せて欲しいと仰る

ええっ？・・・

知らない人・・・家にあげていいのだろうか？・・・

臆病な私が頭をもたげる

でも・・・まっ　いいか

悪い人には思えない

中に入っていただいて

つちびと達に会っていただく

好奇心いっぱいの方で・・いろんな事聞いてこられる

個人情報、こんなに言って大丈夫？と思いつつも・・・

根が馬鹿なんだよねえ・・・

明確ではないけれど、嘘のないように答える

そのうち・・・つちびとの事を聞いてこられて

これはどんなつちびと？・・・どんな場面？

一つ一つ、熱心にきいてこられる

問われるままに・・いくつかのつちびとのエピソードをお伝えする

何度か個展をしてきて　経験した事だが

つちびとを連れて帰ってくださる方は

あまり・・迷われない

どれも良いのだけれど・・・とことわりを付けられながらも

それぞれの方の心には真っ直ぐ届く１つのつちびとが　どうやらあるみたいだ

その方も・・・気に入られたつちびとがあって・・・

何度も｢いいねえ、いいねえ｣を繰り返されて・・・

熱心にエピソードをきかれる

(彼女が気に入られたつちびと)

しかも・・・｢もっと見たいから・・・次の個展行きたい｣と言ってくださり

案内状をお送りする御住所を書いてくださる

参考までに遠慮がちにお伝えした価格も・・・

作品の値打ちに比べたら・・・決して高いとは思わないとまで言っていただけた

４月２７日から５月１５日まで開く『ワイアート』での個展・・・

ずいぶん先のことだから・・・お忙しくなって

実際に足を運んでいただけるかどうかは　わからないけれど・・・

もし来て頂けたら・・・なんだかうれしいな

私は　個展を開く目的は

(もちろん生活費を手に入れるためではあるのだが)

美術品がそれほど身近でない人たちにもつちびとを知っていただき

叶うなら、必要と思ってほしいと願ってる

去年の４月　『ぎゃらりいホンダ』で個展を開いた時

スーパーの帰りに　たまたま立ち寄られた方が　つちびとの購入を決められたように・・・

その購入の経緯は　私には勲章のようなものだ

(購入を決められたつちびと)

見る気もなく・・・もちろん、購入するなど思いもよらなかった方の心に

真っ直ぐ届くものを作ることが出来た事・・・そんな出会いをもらえたこと

たまごパックの入ったスーパーの袋を持つ手と同じ　もう片方の手に　つちびとをもつことを決めてもらえた

賞状もメダルもないけど・・・心の勲章

ワイアートでも、そんな勲章もらうことが出来るような展示会できたらって思う

その時を信じて

あと３ヶ月　誰かの心に真っ直ぐに届くつちびとを作り続けよう

たまたま訪れた方が残してくださった御住所の書いた紙を見ながら

　もう一度心に誓う

だから・・・会ってもらいたいなあ

今・・・産声を上げている　生のつちびと達

同じ場所で　同じ空気を吸ってもらいたい・・・・

ネガティブ思考になりがちな私だけれど・・・

無理矢理でも、イメージしてみよう

たくさんの方がワイアートに来てくださって

勲章いっぱい付けてもらえる私の姿・・・

幸せすぎて気絶しそうな・・・我が心