最終日の昨日、少し余裕を持って家を出てバスに乗り込んだ
空いていた座席に座り込んで・・
インスタグラムで、つちびと展本日終了の投稿をしようと打っていたら
後ろから突然声がかかる
知らないおばあさんが・・降りるバス停の名前を告げ、料金はいくらだろうかと聞いてこられた
乗られた場所でとられた整理券の番号を伺うが
降りる場所は私と同じだけど、乗った場所が違うので、尋ねられた時点ではその方のバス料金は私にはわからない
その旨をお伝えすると・・
同じところで降りるならその時、小さい字は見えにくいので自分のバス料金も教えてもらえるかとおっしゃる
わかりましたとお答えして・・再びインスタの作業に戻ろうとしたら
おばあさんの話は続いて
そのおばあさんの妹さんが・・この9月に癌で急に亡くなられたこと
残ったおばあさんがご自身のお姉さんに電話をかけて
いつ何時、おたがい会えなくなるかわからないから・・一遍会っておこうかということになって
普段はほとんど外出することもバスに乗ることもないのに
そのおばあさんの言い方を借りれば
「えっちらおっちら杖を突いて、バスの乗り方もわからないけど出てきた」と
でも、何とか杖を突きながらでも歩けること
耳は遠いけど、まだ何とかしゃべれるからこんなふうに人に尋ねることができることを
ありがたいと思いますとおっしゃった
ああ・・・今回の個展
最後の最後になっても・・こんな意味深い話を聞けるのか
としみじみ思った
ブレーメンのもう一つのテーマは
命の生き方はもちろん、終え方でもある
アルが突然逝ってしまって
私自身は、「突然逝くことを踏まえた上で生きる」
という・・それを教えてもらった
自分が作って遺すつちびとはもちろん・・在廊中に来てくださった方々に対して自身がしゃべる言葉すら
何を遺したいか・・人の記憶に残るかもしれない言葉も・・意識した
可南つちびと展『祈りにも似て』
本当はあの空間が消えてしまうことたまらなく寂しいし
いつも個展の際お目にかかる何人かの方とお目にかかれていないことは気になっていますが
ただ・・
私は、これまでにもないくらい今の私にできることはやりきったような気がしています
そして・・訪れて下さった方の心に
あの空間や個々のつちびとや、交わした会話の何かが
消えずに残ってくれたらなあと願っています
そして・・訪れることが叶わなかった方々のために
ワイアートさんが素敵な贈り物をしてくださいました
2019年のつちびと展の空間・・ユーチューブでご覧いただけます
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可南つちびと展 「祈りにも似て」
本日午後5時で終了いたしました!
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