素焼を無事終え
窯の中の温度が冷めるのを待った
ギリギリ・・日が暮れるまでに
蓋を開けて上の段のつちびと一つだけ取り出した
そして・・また蓋を閉め
取り出した素焼の終わったつちびとの写真を撮ってみる
このつちびとは・・ホンダの個展直前に成形が終わっていたもの
タイトルは『希う春（こいねがう はる）』とつけていたのだけど・・
素焼の終わった全身が花まみれのこの人を見ていたら
迷いが生じた
とてもどっしりとしたその姿
揺るぎのないものの象徴のような気がしてきた
童話の『花さき山』にあやかって
『花さき人』というのはどうだろう
本焼き後はどうなるかわからないけれど
不安だらけの今の私には・・とても惹かれるつちびとだ
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