作り話のようだけど・・・

推進室の主事に許可を貰い、早々に会場を出てエレベーターに乗った。
ところがボタンが押せない・・・
えっ？
なんで？

①のボタンと、閉めるのボタンが押せない・・・

手を伸ばしているつもりなのに、極度の震えで膝は曲がり、当然体は前屈みに・・・
そして人差し指を伸ばした右手は、上下にゆらゆら動いているだけ。
ほら、よく映画とかテレビであるでしょ、
ボコボコにされた主人公が意識が半分無くなった状態で「うぅ～～、あぁ～」とか言っちゃってさ、右手を前に出してるシーン。
これだよ。

これぢゃダメだ、と思い、手の平でボタン押して１階に着いたさ。
４階からだけどね。

地下鉄の入り口までまともに歩けない。
後ろ足は引きづって前に出すでしょ、ガクガク、がくがく体が震えるんぢゃ無くて「ガタガタ」と「前後に動く」。
持ってる傘はバサバサなって周りに雨のしずくが飛び散る・・・

周りから見たら、なんだこのおっさん、なんかのパフォーマンス？
だよね。おら、途中で倒れたほうがいいと思ったもん。
これ以上歩いたら死ンじまうし、
倒れたら誰かが救急車呼んでくれる、きっと。

そう思っていたら、目の前が地下鉄の入り口だったんで、お恐る恐る地下まで降りた。
息ははぁはぁと止まらないし、マスクを下して地下の不新鮮な空気を取り込んでしゃがみ込み、
かみさんと娘とわしの専用ＬＩＮＥ。
上手く打てるはずもない。
とりあえず、
「体調悪し、駅まで迎え頼む。ヤバイ、死ム。今、地下鉄の○村区役所駅。またＬＩＮＥするわ。」

も、
ぐったり・・・