野紺菊
河野啓一
虫の音の低く流れて古寺の昼
列島をあまねく照らす後の月
丘の辺の風に吹かれて野紺菊
椎の実のほのかな甘み噛んでみる
赤い屋根厩舎を囲む黄葉かな
さわやかにマリンブルーを画布に置く
秋日和暮れて一日の幸思う
植木市吾亦紅とて並びおり
ほろほろと散るや狭庭の金木犀
秋の朝姿正しくバラ香る
河野啓一
虫の音の低く流れて古寺の昼
列島をあまねく照らす後の月
丘の辺の風に吹かれて野紺菊
椎の実のほのかな甘み噛んでみる
赤い屋根厩舎を囲む黄葉かな
さわやかにマリンブルーを画布に置く
秋日和暮れて一日の幸思う
植木市吾亦紅とて並びおり
ほろほろと散るや狭庭の金木犀
秋の朝姿正しくバラ香る