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セルビアについて考えた

2015年05月06日 | ENGLISH
最近、セルビアに、はまっている。この国の歴史を紐解きながら、スティーブン・ピンカーの「暴力の人類史」(原題 The Better Angels of Our Nature: Why Violence Has Declined 2012 )を合わせ読む。近代になるつれ、戦争に類する暴力的殺人は大幅に減っているとピンカーは指定するが、邦訳は逆を意味するのではいか?なぜここまで陳腐な意訳するのか意味不明である。ピンカーはカナダ出身のユダヤ人、ハーバード大学を代表する世界の知性でもある。

それはさてセルビアは旧ユーゴスラビアであり、有史以来、14回ほどのジェノサイドに見舞われた。古代から多民族がぶつかり合ったバルカン半島に位置する。欧州に大国が出現するたびに、その大国の餌食になった。ゲルマン民族の大移動から、東ローマ帝国、オスマントルコ、ナチスドイツ、さらに最近ではマケドニア、クロアチアとの争い、Civil Warが頻繁に起きた。1990年代以降の混迷する欧州の一つだろう。ある町の話、セルビア人の彼は、いきなりbald skullがこの町で有名なのだという。

何のことはない。トルコ人との抗争で犠牲になった1000人以上の頭蓋骨のモニュメントがあるのだという。ナチスドイツはこの地に初めてホロコーストの場所を選び4万人のユダヤ人が犠牲となった。ヨーロッパの火薬庫とも呼ばれ、テロがたびたび起き建物は破壊され、地面には地雷がまだ眠る。宗教も正教、カトリック、イスラム教と分かれている。隣国の人は、爆弾がいつ爆発するかわからないので訪れることはめったにないと話す。祝日は少ない。隣国ボスニアも唯一正月だけが祝日だという。他民族の争いで国家が決められないからだ、と答えてくれた。

産業は育たず、労働者賃金は平均月額4万円。フィリピンより恵まれていないだろう。大卒の失業率は80%以上だと自虐的に二十代の女性が話してくれた。一方で、ドイツ系企業のボシュやシーメンス、BASFなどは工場をセルビアに設置し、安価で良質な労働力を期待して移し、大きな利益を得ている。セルビア人は親日的で、なぜかとても陽気で楽観的でおバカさんだと、ハンガリー人がこっそり教えてくれた。


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