ライブドアの粉飾決算事件で、同社が2004年9月期の連結決算で、買収予定2社の預金を本体の売り上げに付け替える新たな粉飾の手法を使ったのは、前社長の堀江貴文被告が突然、経常利益を20億円増額するよう強く要求したのがきっかけだったという記事。
この記事の情報源は、前社長が粉飾決算を主導したという話にしたいようですが、別の見方をすれば、前社長は、ライブドアぐらいの規模の会社では、20億円程度の経理操作は、合法的に(つまり会計基準すれすれで)実施できると考えていたのだともいえます。
記事では、買収予定2社の預金を本体の売り上げに付け替えるのが粉飾だといっていますが、ライブドア寄りの見方をすれば、返済不要の資金の移動がある以上、売上ではないとしても、受贈益にはなるはずであり、利益には影響しない単なる損益計算書の区分上の不正にすぎないともいえます。あるいは、付け替えられた預金は、実質的には出資先の会社からの配当金であるという解釈も成り立つかもしれません。この場合も、営業外収益を売上に計上したという比較的軽微な不正だということになります。(ただし、この議論は、買収予定会社の連結問題を無視したものです。)
ちなみに、利益が少し足りないから、出資先に配当金を大目に出してもらって補うというのであれは、粉飾とまではいえないでしょう。
最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事