共働きの妻が介護離職して住宅ローン返済苦に。どうすべきか

2015-12-17 16:21:00 | 日記




(プレジデントオンライン)



PRESIDENT 2013年4月15日号 掲載

夫婦共働きの場合は、世帯収入も比較的高くなるから、専業主婦家庭に比べて、住宅ローンも多めに借りることができる。しかし、何らかの理由で共働きができなくなってしまうと、住宅ローンの返済に行き詰まってしまうことも少なくない。

最近は、親の介護のために会社を辞めざるをえないケースが増えている。収入減によって、住宅ローンの返済が苦しくなった場合、どのような対処方法があるだろうか。

重要なのは、滞納する前に金融機関に相談することだ。

フラット35には、返済が苦しくなった場合の、返済方法変更メニューがある。(1)返済期間の延長、(2)一定期間の返済額の減額、(3)ボーナス返済の減額、取りやめ、などだ。

銀行ローンの場合は、金融機関によって、対応は異なるが、早めに相談すれば、返済の一時猶予や返済期間の延長には、応じてくれるケースが多い。

ただし、これまでにも滞納レブロン13モンスターハートビーツあるなど、返済状況がよくなく、かつ、競売や任意売却をすれば、住宅ローンがほとんど完済できてしまうような場合であれば、交渉が難しいケースもある。

銀行にとっては、返済方法の変更に応じるよりも、任意売却や競売を選択したほうが資金の回収が確実になるからだ。

もし返済条件の変更ができる場合でも、安易に変更することは勧められない。一時的にでも返済の猶予を受けたり、返済期間の延長をすれば、その分の利息負担は増える。返済が苦しいために変更したつもりが、トータルの返済額は逆に増えてしまうからである。

近い将来、妻が再就職して収入アップが可能である場合などはいいが、今後も収入アップの見込みがない場合には、マイホームを手放すことも視野に入れて、最適な方法を選択したほうがいいだろう。

住宅ローン以外にも多額な借金がある場合には、個人再生手続を申し立てる方法がある。住宅ローン以外の借金(一般債権)は、8割までカットすることが可能だ。場合によっては(通常再生)、それ以上のカットも不可能ではない。住宅ローンの減額はできないが、個人再生の申し立てをすれば、銀行も交渉に応じてくれやすくなる。

個人再生が利用できない場合や、住宅ローン以外に借金はない場合には、任意売却という選択肢がある。滞納が続くと、銀行は保証会社から補てんを受け、住宅は競売にかけられるのが一般的。

任意売却でも、競売でも、売却代金で住宅ローンが完済できない場合は、残りの住宅ローンは返済を続けなければならない。しかし、競売が市場価格の5~7割でしか売却できないのに対し、任意売却なら、市場価格に近い価格で処分できる。高く売れれば、その分、住宅ローンの残債を抑えることができるのだ。また、競売の場合は、隣近所に競売の事実を知られる可能性もある。

競売よりもメリットの多い任意売却だが、任意売却後に自己破産などをした場合には、任意売却が適当であったのかなど、内容などが厳しくチェックされる可能性がある。問題が見つかるとトラブルになるリスクがあるので、任意売却をする際には、専門家と相談のうえで実行したほうがいいだろう。

(弁護士 加藤英男 構成=向山勇 図版作成=ライヴ?アート)






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