函館 不思議街路

函館の街、元町界隈は不思議な雰囲気を隠した街です。その街から生まれた作品、写真エッセイ、歌謡詞、猫グッズを発信。

久しぶり…になてしまいました。

2010年10月23日 | 日記
ブログへのアクセスが不調だったのですが、なんとか修正できた…はずなのです。
長野まゆみさんの著作をいろいろと読んでいました。宮沢賢治に触発されたような初期の短編集なのですが、明治・大正、昭和初期の漢字使い、あるいは独特のルビを使った言語世界が楽しいのです。タンゴや熟語、造語的漢字表現もしっくりと物語にとけ込み、とても素敵な表現世界を構築している所が、凄いなー…と思います。
さまざな鉱物も登場したりしますが、鉱物を小道具としながら、その幻想的なイメージの
展開が見事です。鉱物図鑑を見るのは好きでしたけど、こんな風に物語的発展を持つイマジネーションは持てなかったのです。やはり作家と言うものは凄いものです。
で、長野まゆみさんの作品は単に懐古趣味・擬古文趣味で終わらずに、新鮮な新しい感覚で、「いまだから生み出せる作品」になっているのですね。
ただ、趣味性の強い世界なので好きだと言う方々には「ハマる」ものですけど、「なに?良く解んない…」と言う方にはまるで伝わらないのかも知れません。
最近話題の「海炭叙景」佐藤泰治さんのものも函館を原風景としながら、独自の街区世界を構築しています。そこに活きる人々の息づかい、生活感覚なども架空世界と現実の隙間にしか生じない「幻影感覚」を帯びていて魅力的な物語です。
遅すぎる創作専念生活も助走段階ですが、ほろほろと歩いてます。
さて、この僕のブログでの「まだ知らない世界」をちゃんと見て頂く日がいつなのか…
本人も頼りなげな想いで薦めています。かすかな規定をお寄せ下さい。