自分の席はアリーナのCブロック。比較的前の方で観ることが出来ました。
会場は(「お前らは決してビヨにはなれないのに、解かってんのか…」とでもいいたくなるような…って失言っすねm(__)m)ビヨンセ・ライクな女子の数々……。もうメイク濃い目の派手派手GAL(死語)が、わんさかわんさ、わんさかわんさ、イェーイ、イェーイ、イェイイェーイ!(時代錯誤も甚だしい表現)自分の周りはだいたい男女比1:12~1:15くらい。年齢層もやはり若め。ピーピーピーピー、キャハハハと甲高い声がそこかしこから聞こえる光景は、さながら女子高の教室でした。(爆)
開演は19:45と45分遅れ。暗転すると場内にこだまする「キャー」という歓声、奇声?が。もうね、なんでそんなにビヨンセ好きなのかと。性格悪な自分はそういいたくもなるような、ビヨンセが現われると一瞬にしてオーディエンスはみなビヨンセ教の信者と化してました。
まぁ、ビヨンセとしては初のソロ・ツアーで「世界ツアーの初日よ、ジャパン、トーキョー」とビヨがおっしゃれば、そりゃあみなひれ伏すでしょうヨ。さすが『B'DAY』のブックレット写真にも見えるように、2匹のワニを従えているだけはある。(笑)
◇◇◇
昨年のバースデイ・ライヴ@武道館(2006.9.4)でもそうだったようだが、まず、バンドが全員女性。
コーラス(×3)、ホーン(×3)、キーボード、パーカッション、ギター、ベース、そして、なんといってもドラムス(×2)という総勢12人。さらにステージを盛り上げるダンサーが10人(女性6、男性4)というビッグバンド・スタイル。
ステージは段々の階段となっており、さながら宝塚のレヴュー風とでもいうような雰囲気だ。
東京ドームという会場ゆえ、観客との距離や音響的な問題はいかんともしがたい。それは承知。では、多くの観客に訴える方法は何か、といえば、それはエンターテインメント性でしかない。計算し尽くされた構成、ヴォルテージを最高潮にしてクライマックスを迎えるような楽曲のセレクト、オーディエンスを魅了するダンス、バック・バンドの演奏力、そして、ビヨンセの一挙手一投足。コスチュームやルックスに至るまで、五感を刺激させるパフォーマンスが出来るか、ということである。
個人的な評価をすれば、長短それぞれがあった。
長所。というよりも、この会場クラスでのライヴとしては、最上級の部類に入るパフォーマンスではなかったか。暗転した19:45にスタートした時は、正味1時間ほどでコンパクトにまとめあげて、ワールド・ツアーの助走的なステージをすると考えていたのだが、いきなりフルスロットル、トップギアで観客を圧倒してきた。ファンは日本贔屓で良かったと思わなきゃならないんじゃないの? といいたくなるくらいに。
21:35の終幕まで、現在のメイン・ストリームが精緻に至るまで集約されたステージング。歌、ダンス、ヴィジュアル、それぞれが見事なまでの濃度で表現されていた。
昨年観た、マドンナ、マライア・キャリー(アリーナであり、パフォーマンスは高くなかったが…)などUSのエンターテインメントの歴史を記して来たアーティストと比較しても、それを
凌駕するまでの表現力。単なる勢いではなく、かつての彼女らやジャネット・ジャクソンなどが魅せてきたエンターテインメント・マナーをしっかりと咀嚼し、さらにビヨンセの強靭であり可憐である多面性を活かした要素を加味した、2000年代のエンターテインメントの極致をまさに体現したステージだといえるだろう。
ドクロマーク入りのマリンキャップ、メタリックなトレンチコートという全身赤で飾り付けたコスチュームでダンサーと隊列を組んで踊るシーンは、ジャネットを彷彿とさせたし、終盤の「DEJA VU」前のベース・ソロ(この女性ベーシストがまたファンキー!)では、マイケル・ジャクソン「今夜はドント・ストップ」(DON'T STOP 'TIL YOU GET ENOUGH)のフレーズを奏でるなど、完全に意識し、そして自分の世界へと昇華させていった。まさに“ドリームガールズ”として東京ドームに光臨したといえるだろう。
もう一つのビヨンセたるところは、バック・バンドを含め、ほとんどを女性で構成されたクルーでステージを占めたということ。男性ダンサーとの絡みはあるが、どれもが“自立した女性”であるビヨンセを支える立ち回りであり、「いまや女性がイニシアチヴを握ってもなんらおかしくはない、いや女性が自立した女性として意識して生きるべきなのよ」とでもいいたげなパフォーマンス。
ローリン・ヒル、アリシア・キーズやミッシー・エリオット…挙げればキリがないが、彼女らが常に命題にしてきた女性の自立というテーマを、揺らぐことないエンターテンメントで演じきったビヨンセ。これはもう流石だというしかない。
まさしくこれらのテーマの通り「INDEPENDENT WOMAN PART 1」から始まったデスチャ・メドレーも、「SOLDIER」「SURVIVOR」で締め。“戦う女”そして“混沌とした社会を生き抜くサヴァイヴァーであれ”といった命題をしっかりとここでも体現しているのだ。
そのデスチャ・メドレーだが、個人的には疑問を持ってしまったところになるのだが。
というのも、ビヨンセとして初ソロ・ツアー。出来ればソロ・アーティスト“ビヨンセ”としてのオーラを放って終わって欲しかったところがあった。いや、ステージングが不味かったとかそういうことではない。もちろん、彼女はデスチャを経て今があるのだから、デスチャ時代の楽曲をやることに対しては、何らためらいもないのだろうし、考えてみればデスチャ自体がビヨンセのユニットといってもいいかもしれないほどだ。
日本のファン、あるいは、デスチャ時代の楽曲を期待するファンに対してのプレゼント…そういう意味合いもあると思うが、メドレーという形式であれ、やや曲数が多かったところは残念であった。
それは、ビヨンセとコーラスによってほぼ完璧にデスチャ・ソングスをこなしてしまっていて、ケリーやミッシェル(ラトーヤ、ラターヴィア、ファラを含めてもいいが)と築いてきたデスチャもビヨンセ一人でまかなえてしまう…という寂寞感が、自身に宿ったからなのかもしれない。
それと、ライヴの構成上だろうが、1曲の長さが多少短いアレンジになっていたこと。ダラダラと続けるよりはいいとは思うが。あとは、ドレス・チェンジ。「ME, MYSELF AND I」から「DANGEROUSLY IN LOVE」へ向かうところ、あるいは、「DEJA VU」後のどちらか1回は多かったかな、と。まぁ、ヴィジュアルでもトップ・ランナーであるビヨンセの衣装を見たいファンは多くいるだろうから、少数意見だろうが…。
という、これらも重箱の隅をつつくようなことで、ステージの質を大きく下げたというものではない。
2時間弱、最先端のエンターテインメントの真髄を体感したライヴであった。ただ、これが武道館だったら…と思うと、それはそれで思うところがあるが、それは欲の張りすぎというものか。
◇◇◇
<SET LIST>
00 INTRO (QUEEN B FANFARE INTRO)
01 CRAZY IN LOVE
02 FREAKUM DRESS
03 GREEN LIGHT
(DRUM SOLOS)
~DRESS CHANGE~
(JOHN COLTRANE INTRO)
04 BABY BOY
05 BEAUTIFUL LIAR~華麗なる反撃
06 NAUGHTY GIRL
07 ME, MYSELF AND I
~DRESS CHANGE~
(BUMBLE B INTRO)
(DANGEROUSLY PRELUDE -SHORT-)
08 DANGEROUSLY IN LOVE
~DRESS CHANGE~
(PINK PANTHER INTRO)
09 DESTINY'S CHILD MEDLEY
INDEPENDENT WOMAN PART 1
BOOTYLICIOUS
NO,NO,NO PART 2
BUG A BOO
BILLS, BILLS, BILLS
CATER 2 U
SAY MY NAME
JUMPIN', JUMPIN'
SOLDIER
SURVIVOR
10 SPEECHLESS
~DRESS CHANGE~
(I BE DAMN -GHETTO TANGO-)
11 RING THE ALARM
12 SUGA MAMA
13 UPGRADE U
14 '03 BONNIE & CLYDE
15 CHECK ON IT
16 GET ME BODIED
(BASS SOLO)
17 DEJA VU
~DRESS CHANGE~
(HOLLYWOOD VIDEO SEQUE)
18 DREAMGIRLS
19 LISTEN
20 IRREPLACEABLE
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