国際子ども権利センター 東京事務所だより

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10/13「子どもの権利条約」普及連続講座第4回レポート

2007年10月29日 | Weblog
 第4回目を迎えた今回のテーマは「国際協力、内なる国際化と子どもの権利条約」。「恩恵的な・チャリティ的な」国際協力から「権利保障」としての国際協力が広がるきっかけの一つに、子どもの権利条約があるそうです。というのも、この条約の中に子どもの生活条件を改善するために国際協力が重要だとの記述があるのです。これは非常に珍しいとのことでした。しかし、だからといって、この条約が開発途上国むけという認識は誤りであり、現実のあらゆる子どもの問題を権利の視点で解決できるよう定められています。
 日本ではいじめの問題が頻繁に取り沙汰されますが、どちらかといえばいじめる子にいじめを止めさせることに視線は集中し、いじめられる子がどうやっていじめに対処するかはないがしろにされる傾向にあります。しかし、権利条約に基づいて捉えるといじめられる子は「権利を侵害されている」ことになり、その解決のプロセスで、いじめられる子自身が解決できる力を身につけていくため、いじめられる子に重点が置かれます。
 さらに、今回の講座では「自己肯定観」が一つのキーワードでした。自分の存在を価値あるものとして認め、大切に思う気持ちです。自分の人生を積極的なものにするには欠かせず、権利意識の大もとになるそうです。しかし、自己の権利だけを主張するのではなくお互いに尊重しあうことが大切で、それによって権利は実現されます。今の日本が抱えるいじめや自殺などの問題の原因の一つとして、自己肯定観の欠落があるのかもしれないと感じました。
 また、カンボジアにおいては、子どもをもののように扱うひどい権利侵害が多く存在し、その結果自己肯定観を持ち続けることが難しくなり、後の人生に大きな影が落とされることの恐ろしさを感じ、子どもの権利の普及と、そのための国際協力の重要性を改めて感じました。(後藤)

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