Katsulog

自由に思うがままに♪

THE THEME FROM BIG WAVE~梁塵秘抄

2015-10-12 19:32:36 | 日記


ひとたび足を踏み入れると…

そこは海の町だというのがすぐ分かる。

都会の海ともちょっと違い

遠い南の方から運ばれてきた潮風の匂いがする。

来客シーズンの時季を過ぎて

交通量の少なくなった海岸通り。

それでも

砂浜へと続くトンネルの入口にぶら下がっていた「歓迎」という文字と

民宿の庭の看板にあった
「はまぐり食べ放題」という文字に

自分の中の古き良き

あの頃の懐かしい風景を想い起こさせてくれた。


トンネルの中をくぐり抜けると

まさにその時点では

タイムスリップしたような錯覚を覚える。

果てしなくどこまでも続く
砂浜と海岸線。

寄せては返す
波のボーダーライン。


そうなんだよ

ここは日頃から

常に自分が歌い続けている数々の夏唄たちの

あの舞台そのものの世界じゃないか。


地形的にも関東で最も大きな白波が見えやすいと言われてる場所。

沖を眺めていると

ぐんぐん盛り上がった山脈みたいな壁が

その数秒後にはバシャーンと飛沫を跳ねさせ
砕け散っている。

しかし

あの荒々しく見える舞台の下には

ずっと昔から居座り続けている住民たちが潜んでいて

そこからさらに水平線方向に進んでいけば

我々がいま暮らしている国土さえ及ばないような…

とてつもなく広く大きな世界へと繋がっているに違いない。


ここに来ると

一番最初に連れて来てくれた

父の存在を思い出す。

幼く小さかった自分にとって

波に立ち向かっていった父の背中は

やはり海のように大きかった。


海が好きだった親は

子供にも海の素晴らしさを教えてくれる。

口で語らずとも

何度も連れ出し体で教えてくれる。

俺はそんな父に育てられて幸せだったよ。


あの頃 砂浜の同じ場所に付けた足跡は

今ではこんなに大きくなったよ。


遊びをせんとや生まれけむ
戯れせんとや生まれけん
遊ぶ子供の声きけば
我が身さえこそ動がるれ

日が昇り朝が来る
月が昇り夜が来る


この海だって
思い出だって永遠なんだ。


時間の許すかぎり

何度だってまた来るさ。