念願がかなった!
自分が15歳の時に他界した父の作品が、両国国技館に併設する″相撲博物館″に展示されているということを知ったのは確か22,3歳くらいの時だった。
父は相撲の彫刻を中心に活躍した、彫刻家であった。
父の死後10年、本人は当然知る由もないなか奇跡が起きた。
それは、10年もの歳月を費やした後崇拝していた両国の相撲博物館に作品が展示されたのである。
芸術とは、そういうものであろうか。
数十年前に訪問し等身大の作品に遭遇した時は、嬉しさはあるもののその偉大さは正直わからなかった。
その後他何点かが交互に展示されているという話を聞き、再訪切望するものの数十年の時を経てしまった。
先日、その夢がかなった。
″不知火型土俵入り″紛れもなく父の作品である。
それは凄い迫力で、圧倒された。
今も生き続けているようであった。
全身全霊をかたむけて、毎日このような作品に挑んでいたのか。
博物館スタッフのご厚意により、撮影禁止の作品の前で一緒に。
感無量。
時を経なければ理解できないことがある。
いま、そのすべてに触れたような気がする。
親父、俺の誇りです、あなたは。