街の帳を透かせて見えてくる人の暮らし。
カーテン越しに漏れる僅かな機微。
下町、裏町、君を待ち。
ささやかでも未来の夢だけを頼りに暮らしたあの頃・・・。
むしろ何も無いことが勲章にさえ思えた。
そんな倹しい青春を過ごした四畳半。
面積にして、一畳のサイズも地域や条件で変わるが、
一番狭い団地間サイズなら2.55平米、
最近一般的な江戸間サイズなら2.64平米、
基本の3尺x6尺の中京間サイズであれば2.73平米
一番広い京間サイズなら2.865cm平米。
いずれにしろ寝ていても手を伸ばせば何でも物が取れるような狭さ。
何でも取れるとは、言い換えれば何も無かったと云うこと。
今はそんな部屋もすっかり見なくなった。
そんな狭い部屋に友が集い安酒を煽り未来を語り合った。
あれは、いい時代だったのかどうかはわからない。
ただ、記憶の中の大事なところに今もそのことは仕舞ってある。