医療経営士のブログ

医療経営士1級の勉強、事務長職の仕事、日々のできごと…を

不完全な人間

2024-05-31 | 医療経営士

みなさま、こんにちは。

有名なグラフィックデザイナーの横尾忠則さんの言葉。

 

                 集英社

 

「人間は、未完で生まれて、未完で生きて、未完で死ぬ。これでいいのではないか」と。

 

ちょうど、渡辺和子さんの「幸せはあなたの心が決める」を読んでいたところで、

その第1章「人は不完全なもの」の内容と重なり、感慨深い思いでいっぱいになりました。

 

                 PHP研究社

 

以前、アンガーマネジメントのお話をしましたが、こうある「べき」に囚われて生きている人は、怒りも多いと。

横尾さんや渡辺さんの言葉を思えば、自分自身も不完全で、いろんな障壁にぶちあたりながら、

人間性を磨かされている未完の人間。

そんな未完の自分が、人の不完全さに腹を立てるのはおかしな話だと、思い知らされます。

 

それと同時に、私だけでなく誰もが不完全なのだから、

自分のできなさ加減に、そんなに落ち込まなくてもいいんじゃないの~♪と、妙に楽観的にもなってきます。

先日お話しした、関空での「パスポート忘れ事件」もしかりです。

「そうそう、不完全なのだから、仕方ないのよね~」と開き直りそうな私に、

「逆にこの楽観的思考が危ないのよ、あなたは!」と、周囲の人は思っているかもしれませんが…。 

 

         ALSOK

 

先日、ある介護施設の理事長とお話する機会がありました。

「立派な医療資格を持った、貴重な新人が入社してくれたのですよ」と嬉しそうに。

ただ、医療現場で長年勤務してその経験やスキルは十分あるのだが、介護現場は初めて。

いわゆる、介護業界では新人1年目なので、当然知らないこともたくさんある状況。

しかし、失敗を恐れるからか、自分の知識不足を認められないからか、

人に頼ろうとせず、結局空回りして、思うように進展しないのだと。

「今なら少々失敗しても1年目だから仕方ないよね」で済むことだし、なんでも聞いてくれたら教えられるのですけど、

と現場の方も悩んでおられるようでした。

 

そのお話を聞いて、無理に「できる自分」を見せようとしなくても、みんなどこかしこが不完全なのだから、

「ありのままの自分」を隠せず受け入れられたら楽になるのにな…、と思いました。

自分のことは棚に上げて、人のことならよくわかるので、簡単に言えますけどね。

 

とにかく、その才能ある方が早く自然体になりますように!


第3のお母さん

2024-05-25 | 医療経営士

みなさま、こんにちは。

一昨日の、「典型例は私」のお話を。

 

開院当初から、ずっと事務系の業務を担い、私達を指導して下さった方がいました。

他院で看護婦長をされながら、なおかつ事務職にも精通されていた方で、

その医院を定年退職後に、当院に来て下さったのです。

 

          花キューピット

 

今は、ご高齢になられていて、当院を退職されてだいぶ経ちますが、今でも私たちの事を気に掛けて下さっています。

御主人さんも、当院の休診日には、

ちょっと壊れている部分を修理して下さったり、駐車場のペンキをきれいに塗って下さっていたり…。

それこそ、「直したよ」とも、何もおっしゃらないので、誰も気が付かないままでした。

ある日、休診日に用があってクリニックに行った時、

ご主人さんが黙々と作業しているのをお見かけして、初めて知ったのです。

ご夫婦お二人が、そんなお人柄です。

 

昔、その方と一緒に仕事をしていた頃、いわゆる月末、月初めのレセプト業務の時のことです。

当時は、ひと月のレセプト枚数が2000枚以上になることもある状況で、

レセコンはあれど、今とは違って、集計には電卓も使いながらの大変な手作業でした。

これだけの数をこなすには、かなりの根気が必要なのですが、その根気が私には足りない!

だんだん嫌になってくるのです…。

でもその方を始め、みんなは黙々と作業しているので、自分だけ投げ出すわけにはいかない…。

 

けれど、違う場面で単発的に何かをやる、という業務の時には気合が入る私なのです。

その方が私のこの様子を見ていて、「チヤガールみたいやね~」と。

まさに「言い当てて妙!」。

ほんとにうまい事言うなあ~、と感心しきりです。

その時、根気作業が苦痛で苦痛で仕方なかった私の気分を、ユーモアで和らげてくださったのを思い出します。

 

             

 

いろんな失敗をやらかしてしまう私は、院長や他のスタッフにどれだけ助けてもらっているか、わかりません。

自分ができることはきちんとやる、自分にしかできないこともあるだろう、

でも、自分ではできないことがある、それは素直に助けてもらおう、と日々思っています。

スタッフに対しても、同じ思いです。

だって、完璧な人はいないのだから、自分ができることは精一杯頑張るけれど、

出来ないことはお互い助け合う、補い合えればいいのだと。

 

開院当初から、いろいろなことを教えて下さったその方は、私にとって「3番目のお母さん」だと勝手に思っています。

生みの母と、その母が教員だったので幼児期まで私の面倒をみてくれた2番目の母、

そして医療の仕事と根気強さを教えてくれた3番目の母が、その方です。

お母さん達、これからも長生きして下さいね!

 


医療経営士1級予想問題集2024年度版

2024-05-24 | 医療経営士

みなさま、こんにちは。

昨日、長先生の、医療経営士1級予想問題集2024年度版が、発売されました

受験される方には、必須問題集ですね。

 

                         医療経営ストアより

 

医療経営ストア(医療経営士、診療報酬改定)からのお知らせは、下記の通りです。

 

  コロナ関連の問題は、医療DXなど最新トピックに差し替えています。

    また、テキストから出題される可能性の高い短文式については、

    院内事故調査委員会、病院でよく見られる組織の特徴などを追加問題にしています。

                                                     2024年5月23日Ver.8に更新

  <短文記述形式>

    【修正】問21、問25、問36、問44


    【差し替え】問50


    【追加】問61〜65



  <論文記述形式>

    【修正】問6、問12、問25


    【差し替え】問2、問27、問38、問47、問50



 

今年は、診療報酬改定、介護報酬改定、障害福祉サービス等報酬改定の、トリプル改定の年ですし、

最新のトピックから目が離せないですね。

 


高価なプラチナ

2024-05-23 | 医療経営士

みなさま、こんにちは。

プラチナって高価なもの?

 

なにも貴金属のことではありません。

日本企業の労働環境と業績の関連について、日経新聞が分析したお話です。

残業時間の減少などで、働きやすさは高まったが、労働環境の改善が会社の成長につながっているかということ。                          

働き方改革の施行から5年、この4月から、医療分野でも医師の働き方改革が始まったところですね。

 

 

                       

             SWOT分析のような表になりました

 

この表からわかるように、働きやすく、かつ働きがいがある企業を「プラチナ企業」といい、業績も高い。

社員のやる気が高まると生産性が上がり、業績も向上するのはよくわかる。

その真逆は「ブラック企業」。

 

では、働きやすいが働きがいは低い「ホワイト企業」と、

働きやすさは低いが働きがいがある「モーレツ企業」と、どちらの業績がいいか?

売上伸び率で言うと、モーレツ企業の方が伸びが大きかったそうで、

社員の「働きがい」を高めることが重要だという結果。

 

慶応大の前野教授の話では、日本からは長い間、「健全なやる気」が失われていたと。

モーレツ過ぎでもない、気楽過ぎでもない、

個人が、「健全なやる気」と「やりがい」をもって働ける状況を作る事が求められているようです。

以前お話した、従業員のエンゲージメントとロイヤリティですね。

 

「働きがい」を高めるときには、組織の在り方が重要で、

上意下達のピラミッド型より、お互いを尊重し合う調和型組織の方が、

共通の目標に向かって皆が楽しみながら働けるので、経営層の理念が浸透しやすいとも。

 

            佐久総合病院HPより 

                     多職種連携医療のイメージ  

     

ただ、医療業界の中でも特に小規模クリニックは、院長を頂点としたピラミッド型でないと実際には機能しません。

しかし、医療全体が、多職種がそれぞれの専門性を発揮しながら連携するチーム医療に変わってきているように、

当院でも、それぞれの職種で、

「個々が持つ専門性や個性を発揮しつつ、足りないところはお互いがカバーし合えればいい」

という考え方が根底にあります。

          

「足りないところは誰かにカバーしてもらう~」 その典型例は私です!

そのお話は、また明日にでも…。


Z世代とは?

2024-05-22 | 医療経営士

みなさま、こんにちは。

団塊の世代、ゆとり世代、ミレニアム世代…など、その世代の特徴を表しているようですね

今一番の話題は、Z世代(だいたい30歳までの若者)のこと。

 

40歳以上は一定の価値観で育っているのだが、Z世代は価値観が多様なため、企業がどう育てるか苦戦している。

価値観が伝統的なタテ割り組織と噛み合わず、職場内訓練(OJT)で育てる従来のやり方では限界があると。

 

         産経新聞

                   みなさんは、どの世代に属していますか?

 

改めて、Z世代とは、どんな世代なのでしょう? 

仕事に関するZ世代の傾向を、先月の日経新聞より…。

 

第1に、有給休暇の取得やリモート勤務を重視する人が増えている。残業などで自分の時間を侵食されたくない。

第2に、就職時に最初から転職を視野に入れている人が増えている。

第3に、キャリア(仕事の専門性)は会社ごと、職場ごとに伝承してきた組織に対して、

    キャリアは自分に蓄積され、転職しても持ち運ぶ意識が高い

第4に、タテよりヨコのつながりを重視する考え方。

    上司よりも異なる職場や違う会社の同世代がどう働いているかに関心が強く、副業にも意欲的。

 

当院でもZ世代に入るスタッフは何人かいますが、こうした傾向があるとは全く感じません。

世の中、いつの時代も、その世代をひとくくりにして、ああだ、こうだと、レッテルを貼りたがるのですよね。

 

いずれにせよ、

「確実に人手不足が常態化してきている今、若手をどう育てるかは、企業にとってずっと逃げられない課題になる」

と言われています。

 

退職代行会社なるものが出現し、複数回数の利用者には割引代金もあるという。

それだけ需要があるのには驚かされますが、企業側からすると、せっかく育てた人材を失うというのは、大変な損失です。

しかし、それを覚悟した上で、「働き改革」ならぬ「育て方改革」が必要になってくるのですね。

Z世代に限らず、良い人材がずっと残ってくれるように働く環境を整えること、

いわゆる、従業員エンゲージメントやロイヤリティを高めていくことが大切だと、つくづく心しました。