久留米市 いむた小児科 あいあい通信

福岡県久留米市の地域小児科医療のあいあい通信

インフルエンザの季節がやってきた

2011-12-02 | 日記

 暖かい日が続いていましたが、十一月末頃から寒さが増しています。空気が冷えて乾燥が進むとインフルエンザウイルスが活発化。都市部ではすでに患者数の増加が見られるようです。インフルエンザの流行でいつも犠牲になるのは、抵抗力の弱い乳幼児やお年寄り。脳炎・脳症などを引き起こしやすい疾患なので、この時期は十分注意が必要しましよう。インフルエンザウイルスは感染したら短時間で増殖する特徴があります。そのため、病状の進行が早く急に重症化してしまうこともあるようです。激しい咳きや高い熱・嘔吐などがあれば、インフルエンザ感染を疑いましょう。早めのワクチン接種で予防して、感染時にはこどもの症状変化に十分注意して対処してください。

1~3歳児は脳炎・脳症に注意
 インフルエンザ感染による脳炎・脳症の発症年齢は1~3歳児がもっとも多く、その約3割が亡くなっています。仮に命を取り留めても後遺症が残る場合も少なくありません。発熱が見られてからけいれんや意識障害が起こるまでが、当日か翌日と極めて短いため油断は禁物。とくに抵抗力の弱い人や内臓の病気などの基礎疾患を持っている人は、どんなに治療しても回復しないことがあります。流行時には外出を避けたりマスクや手洗いなどで感染を防ぐことが大切です。


ワクチン接種と抗ウイルス薬で対処
 インフルエンザ対策の基本はワクチン接種と抗ウイルス薬。予防接種を受けていれば、たとえ感染しても軽く済ませる効果はあります。今は抗ウイルス薬投与により体内でのウイルスの増殖を抑えることも可能です。但し、感染後の早い時期に投与を受けないと、十分な効果が期待できないこともあるようです。早期の受診を心がけましょう。


 
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