こんにちは南仙台の父(hrperficio)です。
今回はEUの問題を取り上げてみました。
英国が経済での自由度確保を目的として脱退しましたが、英国は多少脱退
を後悔しながらもその他の地域とのFTAに活路を見い出しています。
英国内でもスコットランドはEU脱退反対論も根強く、英国内でも脱退につ
いて評価は割れています。
一方で極右やかなり右寄りの政権が誕生した国ではEU脱退論も根強くなっ
ており、アフリカなどからの移民問題と規制の多い産業政策への不満など
もあって支持を強めています。
まだ極右が定着していない国でも移民と経済の独自性を叫ぶ政党が支持を
伸ばしつつあり、その政策にはEUからの脱退を示す政党も多くあります。
ドイツなどではこうした意見も強まっており、英国に次ぐ脱退が生じる懸
念も示す向きもあります。
果たして、経済規模の大きいEUは結束を守ることができるのでしょうか。
写真は鑑定の結果となります。
左側が結果、右側が環境条件となります。
まず結果ですが、死のカードの逆位置が出ています。
死のカードの逆位置は再出発や新展開、上昇や立ち直り、再構築や復帰と
いった意味があります。
現時点ではかなり右寄りの姿勢を見せている国や政党も思い切った政策に
よるリスクは承知しています。
英国の場合には国民の多くがどういった影響を被るのかを認識せずに脱退
の支持をしてしまい、簡単なEUへの移動や就業でも苦労する結果となって
しまいました。
落ち着きは取り戻していますが、混乱はまだ継続していてスコットランド
の脱退反対・独立後のEU加盟支持の増加はこうした影響を反映しています。
ドイツやポーランドやハンガリーでもこうした強硬論は強まっています。
イタリアでも極右を中心とした政党による政権が発足しましたが、結局は
EUの中に留まっています。
国民の支持を得られやすい政策ではあるものの、EUの脱退は産業では不利
な状況になり、移民に産業や生活の多くを頼る国にとっては深刻な事態に
なってしまいます。
また、国際情勢の変化により欧州では反ロシアの動きも強まっており、む
しろNATOとEU下で安全と経済の確保を進める動きに方向が進みます。
今のところは英国の状況もわかっているだけに、極端な政策でEU脱退を現
実化する動きはむしろ弱くなっていくことになるでしょう。
次に環境条件ですが、戦車のカードの逆位置が出ています。
戦車のカードの逆位置は暴走や自分勝手、焦りや挫折、狭い視野や停滞と
いった意味があります。
危険なのは英国と同様に盲目的に政策決定がなされてしまうことです。
英国は元々欧州といえば大陸を表し、一線を画す考え方が主流でもあった
ので、盲目的な政策決定があっても実現できた経緯があります。
その他の加盟国の殆どが大陸側にあり、経済も道路や鉄道網を中心とした
一体経済圏となっています。
貿易を行うにしてもEUを脱退することで関税などの面で孤立化し、経済
的に弱い国ではEUの補助金も無視はできません。
得られるものよりも失うものの方が大きいだけに暴走はむしろ自滅行為と
なってしまいます。
移民問題も確かに大きな問題になっていますが、国内経済全体が移民を受
け入れる前提にある構造化では規制は社会生活の破綻にも繋がります。
EUで一定の規制や条件を付けることはあるでしょうが、すでに切っても切
れない関係性にあるEU加盟国にとっては切り離しは難しいでしょう。
そのため、政策決定には目の前にあることだけでなく、奥深い条件・背景
は将来も考慮したものでなければなりません。
また、世論の不満を打ち消すには経済成長も重要となります。
中国に頼った経済体制もある意味瓦解し、ロシアに大きく依存したエネル
ギー需要もウクライナ情勢で一変しました。
EUにとってはピンチをチャンスとする絶好の機会なので、本来は中国やロ
シアに変わって発展目覚ましい中央・南アフリカへの再進出の可能性もあ
ります。
過去の植民政策もありますが、資源・エネルギー確保とこれから発展する
潜在市場をどう手にするか、それがEUの最大のカギとなっていきます。
今後は3つの超大国の力が更に相対低下します。
EUはむしろチャンスが巡ったと考えていくべきなのかもしれません。