旧正月が過ぎると、香港もすっかり新年度モード。昨年活躍した人、活躍できなかった人、それぞれ意気込みも新たに今年の活動が始まってます。昨年の活躍を物語る音楽賞をまとめてみました。
<商業電台>05年度叱咤樂壇流行榜頒奬典禮
<新城娯楽台>新城勁爆頒奬禮2005
<TVB無線電視>2005年度十大勁歌金曲頒獎典禮
<香港電台>第廿八屆十大中文金曲 (“収看”をクリックすると全体、各賞の横のテレビマークをクリックするとその賞の映像が見られます)
大きく分けて、主要な音楽賞の内容は4つあります。ヒットした曲を選ぶ「十大金曲」など、活躍した歌手を選ぶ「最受歓迎男女歌手」など、新人に与える「最有前途新人」など、作曲・作詞などを表彰する「最佳作曲」などです。
<ヒット曲>
4つのメディア全てに入賞したのは、陳奕迅「夕陽無限好」、古巨基「天才與白痴」、楊千[女華]「烈女」、李克勤「情非首爾」、鄭中基「無」。なかでも「夕陽~」は3つのメディアで最優秀曲でした。パーフェクトを阻んだのは「無」、TVBで金曲奬をゲット。3つ入賞は容祖兒「明日恩典」、劉徳華「繼續談情」は2つでしたが「再説一次我愛」「我得イ尓」も入賞しているので併せれば4つ?! ほかに2つ入賞は陳慧琳「希望」、麥浚龍「雌雄同體」、草[虫孟]「我們」でした。
国語(北京語)曲の賞は、劉徳華「再説一次我愛」と光良「童話」が2つずつ。インターネットからのヒットで有名になった王啓文「老鼠愛大米」も入賞を果たしました。
アルバムは陳奕迅「U87」が商業、周杰倫「十一月的蕭邦」が新城で受賞。デュエット曲は李克勤・容祖兒の「刻不容緩」でした。
<作曲・作詞・編曲・監製(プロデュース)>
作曲は雷頌徳、Eric Kwok「夕陽~」、周國賢「漢城シ冗没了」。作詞は黄偉文、林夕「夕陽~」、張敬軒「無為能力」でした。編曲は王雙駿とRonald Fu「情非首爾」、プロデュースは雷頌徳と張敬軒「Blessing」。「夕陽~」は楽曲の質の高いことをあらわしてますね。張敬軒は多彩な能力を評価されてます。
自作曲を歌う歌手に与える賞もあり、こちらは王[艸/宛]之が3つのメディアで受賞。楽曲を作る実力と歌唱力の両方が評価されてるんですね。周國賢も2つで受賞です。
<新人>
男性は側田が4つのメディアで受賞、しかも3つで金賞というパーフェクト。Boyzからソロになった關智斌が3つで受賞と健闘。張繼聰、應昌佑が2つ。期待された方大同、葉宇澄は1つにとどまりました。
女性はJanice衛蘭が4つ受賞、3つ金賞でダントツ。王[艸/宛]之も4つ受賞ながら、3つ銀賞^^; 女優としても活躍している周麗、昨年来日した謝安、グループ女生宿舎からソロで出た梁靖、映画「ベルベット・レイン」に出演した林苑が2つでした。
グループでは、Solerの4つ(新人賞以外を含む)がトップでしょう。女性デュオKrustyも2つと健闘しました。
<人気歌手>
TVBで「最受歓迎男/女歌星」を受賞すると、「天王・天后」と称され、もっとも栄誉とされます(たいてい他のメディアでも受賞するので、一応順当な称号と言えるでしょう)。
今回の“天王”は李克勤、“天后”は容祖兒でした。それぞれ4つのメディア全てで受賞しているので、順当ですね。陳奕迅はTVBで取れなかったのが響いた感じです。劉徳華、陳慧琳は「亞太區(アジア太平洋地区)最受歓迎男/女歌星」。陳慧琳は司会の曾志偉に「何度ももらってる賞なのに泣くの?」と言われ「年々もらうのが難しくなってるのよ」と答えたそうです。楊千[女華]、古巨基は惜しくも届かず。何韻詩も天后には届かないものの、傑出表現奬などで評価されました。
グループではやはりTwinsが4つのメディアで受賞と今年も強かったですね。久々のカムバック草[虫孟]も3つ受賞と歓迎されました。
毎年、“造馬”(八百長)が噂される音楽賞ですが、2005年はそれほど大きな番狂わせもなく、おおむね予想どおりだったと言えます。それでも各メディアの特徴・得意分野というようなものはあり、商業はロック・インディーズ系(at 17、幹部でもある林海峰など)、新城はデビュー4、5年目くらいまでの若手、TVBは俳優やスタッフ(呉卓義、藍奕邦など)、港台は大陸やシンガポール・マレーシア地区の国語系に強いかもしれません。
時事的な要素としては、ディズニーランド開園にからんでKellyjackie「他約我去迪士尼」が注目されたり、大陸で全国規模の視聴者投票番組「超級女声」から出た歌手が紹介されたりしました。
昨年はがんばっていたのに今年賞に入れなかった歌手としては、許志安、梁漢文、梁詠が挙げられます。新譜が出ない、コンサートがないなどの要因ですぐ注目度が下がってしまいますね。今年はいい楽曲が多く出て、香港の聴衆もじっくり楽曲の良さを楽しむようになってきているので、楽曲に恵まれないと人気者といえども厳しいようです。
さて、2006年はどんなヒット曲が生まれるんでしょうか。実力派がますます台頭するのか、アイドルスターが巻き返すのか。じっくり見ていきたいと思います。