おばちゃん。

今日は午前中、区役所へ引越し申し込み書類を受け取りに（そうなんです、遂に引越しするんです。これから大変になりそう）
行ってきた。
ピカをどのように連れて行くか迷い結局スリングに入れて行くことに
結構このタイプのスリングが珍しいらしく、すれ違う人たちに何度も二度見された。

無事、区役所に着き手続きを終え、書類受け渡しの待合席で待っていたら、
お隣のおばちゃんに声をかけられた。
お「どのくらいになるんですか。」
ピ「もうすぐ四ヶ月です。」
お「最近そういう抱っこひも、流行ってるのね、昔はなかったからねぇ。」
ピ「そうですね。持ち運び便利で子供もグッスリ寝てくれるので良いですよ。」
お「わたしも孫ができてねぇ～～。」
ピ「へ～～おめでとうございます。それは可愛いでしょうね。」
お「・・・・・嫁次第よ。」
ピ「・・・・・。」
お「私が孫を見に家へ行っても居留守して開けてくれないの。生まれたとき以来会えてないのよ。もう二ヶ月になるの。・・・私別に何もいやな事していなにのにねぇ・・・。どうしてかしら。」
ピ「それはとっても哀しいですね。私だったら見に来てたくさん抱いてほしいな。」
お「そうよね。それがねぇ・・・・。」

そのおばちゃんは悲しそうにすやすや寝ているピカのことずっと見つめながら
沈黙してしまった。なんて声をかけたらいいか分からずいると、
「277番でお待ちのお客様～～」と呼ばれてしまった。
まだまだおばちゃんと話したかった。
ピ「ごめんなさい。呼ばれてしまいました。失礼します。」
お「あら、ごめんなさいね。」

書類を受け取り、おばちゃんが座っていた席を振り返るともういなくなっていた。
なんだか寂しい気持ちのまま区役所を出ると、
バス停におばちゃんがバスを待っていた。
ピ「おかあさん、お元気で。」
お「ありがとう。」

何も励ませない自分がなんか悔しかった。その人にもお嫁さんにも
いろいろな人生があるんだろうな。

帰る電車の中でまだ寝ているピカを見つめながら、ピカを大切に
想ってくれるお父さんお母さんがいることに感謝しようと、改めて思った。
遠い田舎のお父さんお母さん、本当にいつもありがとう。

あのおばちゃんもいつかお孫さんとお嫁さんとニコニコ過ごせる日がくることをお祈りしたい。