閑人帖

忘れ物

公園とか河川敷ではよく帽子の忘れ物を見かける。子供の野球帽だったらなんとなくその理由も解る気がするが、大人用でそれも明らかに年配者用に見える帽子がベンチやフェンスに掛けられているのを見ると、なんで気付かないのかなぁと思うのである。身に着けているものだし、頭は汗をかいたりした時とか髪を整えたり(私の場合はこれはないが)する時に触れることが多い所だから、なお更である。

私はスキンヘッド(まぁ、つるっぱげなのである。自分で言うのだからコンプライアンス云々とはならないだろう。笑)なので、外出の際は帽子を着用している。日差しが強くなるこれからの季節は帽子を被っていても、日焼けする。スキンヘッドなので帽子を脱ぐと、顔の全面だけが赤くなっているのである。鏡に映るその顔を見て、自分でも笑ってしまうのだから、他人が笑うのも十分に理解できる。例えば食堂とか喫茶店(昔ながらの喫茶店はいまや絶滅の危機に瀕している)に入って帽子を脱ぐと、注文を取りに来た店員さんが、ちょっと目を見開いたり、笑いをこらえるような表情をすることがある。解る、解るよ、その気持ち、そんな時は思いっ切り笑っちゃってくれていいんだよ、その方がこっちも気が軽くなるってものだ。

髪をどこかに忘れてきた年寄りの話なのであった。

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