閑人帖

ちょっといい話

炎天下の道を少年が気怠そうに歩いてきた。学校の体操服だろうか、白の丸首の半袖シャツは首回りと袖口がブルーで、左胸には○○中の文字があった。下は濃紺の短パンであった。暑さにうんざりしているようにも見えるし、何か面白くないことがあったようにも見える。元気そうでも、楽しそうでもなかった。

少年が立ち止まった。すると、きちんと両足を揃え、胸の前で両手を合わせると、頭を垂れたのである。そう、そこには小さなお地蔵さんがあったのである。ほうーと感心の面持ちで少年に目をやると、少年と目が合った。少年はちょっと照れくさそうな、恥ずかしそうな表情で、ぺこりと私にお辞儀をしたのだった。私も慌ててお辞儀を返した。

少年は踵を返すと、元来た道を戻り始め、少し先で左に折れて、去っていった。ということは、わざわざお地蔵さんに手を合わせるために、ここまで来たということなんだろう。

なんだかとても幸せで、心豊かになる思いであった。まだまだ日本も捨てたもんじゃないよね。暑いけどいい一日だった。

金曜日。5時46分起床。26℃ー36℃。晴れ。

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