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韓国ドラマ「病院船」から(連載129)
「病院船」第12話➡あなたを突き放す理由⑤
★★★
手術室の前でウンジェは父に訊ねる。
「怖い?」
「怖くない、と言ったら信じるか?」
「怖がらなくていい。私が、必ず成功させる」
ジェジュンは黙って聞いている。
「目覚めた時には終わってる」
頷くジェジュン。
ウンジェはスタッフを促し手術室に入ろうとする。
この時、ジェジュンはウンジェの腕を取った。ウンジェは一瞬凍り付く。父を振り返る。
「万が一、…例えばの話だ、ウンジェ。万が一、俺に何かあっても…
お前は悪くない。お前のせいじゃないからな」
ウンジェは涙ぐむ。
「分かったか?」
涙を見せたくないウンジェは顔を背ける。
「なぜ、答えない」
「…」
「返事しろ。早く」
ウンジェは父を見た。
「カッコいいぞ。俺の娘」
ジェジュンも涙ぐんでいた。
「母さんのおかげだ。お前を…、とても立派に育てた」
ジェジュンは手を放した。
「行こう」
★★★

スタッフがジェジュンを手術室に入れる。ウンジェはそのまま手術室に入っていけなかった。涙にむせびながら手洗い場に立った。環状の揺れを落ち着かせていると、聞き知ってる者の声がした。
そばに立ったのは手術着姿のキム・ジェファンだった。
「先生なら父親を献体と見なせます。いや、違う。単なる物体とみなせるかも」
「キム先生」
「違います」
「何をしに?」
「何を、って、手伝いに来ました。ほら、早くしないと」
またひとり見慣れた人が入って来る。
「看護師長はなぜここに?」
看護師長はキム・ジェファンの腕を小突いた。
「もっと早く教えてくれればいいのに―法事の準備を投げ出して駆けつけました」
「さあ、入りましょう先生」
力と勇気を得てウンジェは手術室に向かう。キム・ジェファンは看護師長を急き立てる。
「急がないと病院船の看護師長が助手ですよ」
「もう~、皮肉の強い人ね」

手術室に入ったとたん、ウンジェの足は止まった。手術室では意外な光景が広がっていた。
キム院長らの姿があり、ただひとり背を向けていて、ウンジェを振り返ったのはキム・ドフンだった。
「キム・ジェファンはこっちに来て、ソン・ウンジェは外に出ろ」
「教授」
「なぜ患者の家族が手術室に入るんだ。ソン・ウンジェ、君は出て行くんだ」
「…」
「彼女は待合室の場所を知らないようです。院長が案内してください」
「ああ、もちろんだとも。ソン先生、一緒に出よう」
「教授。感謝します。父をお願いします」
ウンジェは深く頭を下げた。


ウンジェが手術室を出た後、キム・ドフンのチームによる手術が始まった。
「では今から、肝膵十二指腸切除術を始める。肩の力を抜き、首を回せ。ソン先生の父親だが、緊張する必要はない」
「はい」
「キム・ジェファン。わかったか?」
「もちろんです、教授」
「では始めよう」
ウンジェはウジェの待っている場所に戻ってきた。
「姉さん、なぜ出て来たんだ? 父さんに何か問題でも?」
「いいえ、手術は予定通り始まった」
「じゃあ、なぜここに?」
「話せば長くなる」
ウンジェは長いすに腰をおろす。ため息をつく。手術に対する心配は同じだった。
秋夕でヒョンは父を連れて墓参りに行った。
父親のコンディションは今日はあまりよくない。
供え物を次から次に食べようとする父にヒョンは手を焼いた。
「誰も飯をくれないから腹が減ってる」
ヒョンは父親が食べるのを見ているしかなかった。
法事を簡単にすませた後、ヒョンは父親としばしくつろいだ。
「今、ソン先生のお父さんが手術を受けてる」
「…」
「父さんが元気だったなら、手術を引き受けただろ。そうしたらソン先生は苦しまずにすんだ」
「…」
「だろ?」
「…」


韓国ドラマ「病院船」から(連載129)
「病院船」第12話➡あなたを突き放す理由⑤
★★★
手術室の前でウンジェは父に訊ねる。
「怖い?」
「怖くない、と言ったら信じるか?」
「怖がらなくていい。私が、必ず成功させる」
ジェジュンは黙って聞いている。
「目覚めた時には終わってる」
頷くジェジュン。
ウンジェはスタッフを促し手術室に入ろうとする。
この時、ジェジュンはウンジェの腕を取った。ウンジェは一瞬凍り付く。父を振り返る。
「万が一、…例えばの話だ、ウンジェ。万が一、俺に何かあっても…
お前は悪くない。お前のせいじゃないからな」
ウンジェは涙ぐむ。
「分かったか?」
涙を見せたくないウンジェは顔を背ける。
「なぜ、答えない」
「…」
「返事しろ。早く」
ウンジェは父を見た。
「カッコいいぞ。俺の娘」
ジェジュンも涙ぐんでいた。
「母さんのおかげだ。お前を…、とても立派に育てた」
ジェジュンは手を放した。
「行こう」
★★★

スタッフがジェジュンを手術室に入れる。ウンジェはそのまま手術室に入っていけなかった。涙にむせびながら手洗い場に立った。環状の揺れを落ち着かせていると、聞き知ってる者の声がした。
そばに立ったのは手術着姿のキム・ジェファンだった。
「先生なら父親を献体と見なせます。いや、違う。単なる物体とみなせるかも」
「キム先生」
「違います」
「何をしに?」
「何を、って、手伝いに来ました。ほら、早くしないと」
またひとり見慣れた人が入って来る。
「看護師長はなぜここに?」
看護師長はキム・ジェファンの腕を小突いた。
「もっと早く教えてくれればいいのに―法事の準備を投げ出して駆けつけました」
「さあ、入りましょう先生」
力と勇気を得てウンジェは手術室に向かう。キム・ジェファンは看護師長を急き立てる。
「急がないと病院船の看護師長が助手ですよ」
「もう~、皮肉の強い人ね」

手術室に入ったとたん、ウンジェの足は止まった。手術室では意外な光景が広がっていた。
キム院長らの姿があり、ただひとり背を向けていて、ウンジェを振り返ったのはキム・ドフンだった。
「キム・ジェファンはこっちに来て、ソン・ウンジェは外に出ろ」
「教授」
「なぜ患者の家族が手術室に入るんだ。ソン・ウンジェ、君は出て行くんだ」
「…」
「彼女は待合室の場所を知らないようです。院長が案内してください」
「ああ、もちろんだとも。ソン先生、一緒に出よう」
「教授。感謝します。父をお願いします」
ウンジェは深く頭を下げた。


ウンジェが手術室を出た後、キム・ドフンのチームによる手術が始まった。
「では今から、肝膵十二指腸切除術を始める。肩の力を抜き、首を回せ。ソン先生の父親だが、緊張する必要はない」
「はい」
「キム・ジェファン。わかったか?」
「もちろんです、教授」
「では始めよう」
ウンジェはウジェの待っている場所に戻ってきた。
「姉さん、なぜ出て来たんだ? 父さんに何か問題でも?」
「いいえ、手術は予定通り始まった」
「じゃあ、なぜここに?」
「話せば長くなる」
ウンジェは長いすに腰をおろす。ため息をつく。手術に対する心配は同じだった。
秋夕でヒョンは父を連れて墓参りに行った。
父親のコンディションは今日はあまりよくない。
供え物を次から次に食べようとする父にヒョンは手を焼いた。
「誰も飯をくれないから腹が減ってる」
ヒョンは父親が食べるのを見ているしかなかった。
法事を簡単にすませた後、ヒョンは父親としばしくつろいだ。
「今、ソン先生のお父さんが手術を受けてる」
「…」
「父さんが元気だったなら、手術を引き受けただろ。そうしたらソン先生は苦しまずにすんだ」
「…」
「だろ?」
「…」