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雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「病院船」から(連載114)

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韓国ドラマ「病院船」から(連載114)






「病院船」第11話➡私に構わないで①




★★★


 ウンジェは上階に来てエレベーターをおりた。スタッフから手術後の回復ぶりについて報告を受ける。
「お父さん、順調ですよ」
「ありがとう」
 ウンジェは礼を言って病室に向かう。
 近くまで来て足を止めた。父親の話す声が聞こえたからだ。
「ひと月前にガン保険に入ったんだ…」
 いったい誰に話をしているのか。
 ウンジェは聞き耳を立てた。
「保険加入日から90日後にガンと診断されたら1億5000万ウォンが手に入る」
 ジェジュンの話を聞くヒョンの顔は次第に険しくなってくる。
「なので、90日より前にガンと知られるとまずい」


 ウンジェの顔は次第に悲しみを帯びてくる。父は―最後の最後まで自分たちを翻弄して去ろうとしているのか…。


 ヒョンは困惑を覚えつつ訊ねる。
「どういう意味で言っておられるのか…」
 ジェジュンは両手で頭を抱える。その手を振り下ろして力説する。
「今日、この病院でガン治療をしたのを何とか揉み消さないと…」
 ヒョンは呆気にとられた。
「それは…つまり…」
 言い淀んでいるヒョンの後ろで声がかかった。
「カルテを捏造しろ、と言いたいんでしょ」
 振り返ったヒョンの前にウンジェが立っていた。


★★★


 ジェジュンはウンジェを見て言った。
「お前はちょっと出てろ」
 ウンジェはヒョンに言った。
「出て。くだらない話は聞かなくていいから出て来て」




「くだらない話じゃない」ジェジュンは声を荒げる。「真面目な話だ」
 娘に話を聞かれたジェジュンは吐息をついた。
 顔を上げて言った。
「お前も少しは大人になれ」
「何ですって?」
「少しは融通を利かせるのを覚えてもいい年頃だ」ジェジュンはヒョンを見た。「そうだろ? 先生」
 ヒョンは答えられない。
 こんな父をヒョンに見せて、ウンジェは目をつぶった。この場から逃げ出したいほど恥ずかしかった。以前の自分ならとっくに逃げ出していただろう。
 ジェジュンはウンジェの気持ちを知らず捲し立てた。
「俺が無理な要求をしたか。検査記録の削除を頼んでるだけだ」
「…」
「誰も被害を受けない。ただ俺に1億5000万ウォンが…」
「もうやめて!」
 ウンジェは叫んだ。
「その身体を使って、まだ詐欺を働く気? 全財産をつぎ込むだけでは飽き足らず―今度は自分の命を賭して詐欺を?」
「ウンジェ!」
 ジェジュンは反発した。だが後は何も言えない。
 ウンジェも父親から顔を背けたままになる。
 ソッポを向いたウンジェに向けてジェジュンは言う。
「あいつの学費で保険に加入した。だから邪魔はするな。見逃してくれ」
「それはできない」
「これが最後のチャンスだ」
「次はないの」
「構うもんか」
「私が言ってること―分かるでしょ。どうなの?」
「分かってるさ」
 悔しそうにジェジュンは答える。
「それでも構わない」




 ウジェも外で父親と姉のやり取りを聞いていた。2人の話を聞きながら人生を失敗した父の話は途方もなく自分本位で、今日は姉の言い分の方がよく理解できた。


 2人の話は平行線に終わり、姉たちは病室を出てきた。
「姉さん、父さんは何を言ってるんだ」
 ウンジェは何も答えず厳しい表情を残して行ってしまった。間をおいてヒョンもウジェの肩を軽く叩いて歩き去った。
 


 2人を見送った後、ウジェは病室に入った。いきなり言った。
「父さん、正気かよ」
 ジェジュンはウジェに座るよう促す。
「ふざけるな」
「めそめそしないで座りなさい」
「…」
「お前は家長になる身だ。そんな弱気じゃ姉さんを守れないぞ」
 しかし、ウジェは父親の姿が情けなくて見苦しくてそばで泣き続けた。





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