
韓国ドラマ「青い海の伝説」第5話⑭
Korean drama "Legend of the Blue Sea" Episode 5 ⑭
第5話⑬
セファは耳元に顔を持っていく。手を添え小さな声で話しかける。
「私、ここで働いてるの。お金が入ったらあなたにあげるわ」
そう言い終えて笑顔になる。ジュンジェはお金が好きだと思い込んでいるからだ。
セファの言葉にジュンジェはショックを受けた。お金にしろ何にしろ、自分に尽くそうとするその姿勢にだった。
呆然としているジュンジェを捨て置き、セファは通行人に向かって駆け出す。チラシを必死で渡そうとしている。
セファのかいがいしい姿を見ながらジュンジェはため息をついた。
★★★
「2708号室は法律事務所が入居を希望しているので、追って状況を報告します」
肩を並べて歩きながらホ・イルジュンは息子チヒョンの話に二つ返事する。
「お前に任せる。…まっすぐ帰るのか?」
「いえ、今日は約束があって…」
「そうか。出かけるなら寒いし、もっと着こんで行った方がいいぞ」
「父さん…」
チヒョンはイルジュンの背中に手をやった。
イルジュンは足を止める。
「ジュンジェに会いたくない?」
イルジュンはチヒョンを見て真剣な顔になる。
「どうしてるのか、僕も気になってるんだ」
「…」
「帰ってきてほしいし…僕が捜そうか?」
「いや、いい」イルジュンは首を振る。「お前が気にする必要はない」
「…」
「じつをいうとナム部長に捜させている」
「ああ…」
イルジュンはチヒョンの肩を叩いた。
「気にかけてくれて嬉しいよ」
「いえ、当然のことだよ。だけど…そのことを母さんには言わない方がいいみたいだ」
「…なぜだ?」
「なんとなく…」
セファは熱心にチラシ配りを続ける。しかし、思うようには手渡しできない。
セファの前に一人の男が立った。
目が合ってセファは緊張する。帽子をかぶったその男は雨の日にジュンジェの家のインターホンを押した男だった。
男はチラシを受け取ろうとする。セファは渡すのを拒む。
「また帽子を?」
「帽子…?」
男は考え込む。
この時、強い雨が降り出す。セファは軒先を求めて駆け出した。
女が走り去った後、男はつぶやく。
「俺を覚えてるのか?」
セファはビルの軒先に走りこんだ。



チヒョンはジュンジェ宅まで車でやってきた。
「ソウルを中心に強い雨が降っています…この雨は気圧の影響を受け雪に変わるでしょう…」
ラジオは気象予報のニュースを流している。
ジュンジェは家の中から外の雨を眺めている。
「…初雪となるソウルでは交通の乱れが予想されます…」
雨はジュンジェの見ている前で雪に変わりだす。
ビルの出入り口で雨宿りしていたセファも、雨が雪に変わりだすのを目にし腕を伸ばした。
雪を眺めてこれが初雪かどうかを思案してるところに少女から声がかかる。
「お姉ちゃん、ここで何を?」
声をかけられて見るといつか空腹に駆られてカツアゲしようとした少女だ。
「もしかしてまたカツアゲしようとしてるの?」
「違うわ」セファは答え、チラシを見せた。「ちゃんと働いてるよ。ところでこれって…初雪?」
「そうね…、今年最初の雪だから初雪になる。でも…雪が降っても面倒なだけだわ」
セファは空を見上げた。
「初雪なのだったら…南山に行かなきゃ」
「ジュンジェに会いに行くの?」
「えっ? なぜ、分かったの?」
「お姉ちゃんが今そう言ったから。ジュンジェに会いに行かなきゃ…って」
「人間には聞こえないはずよ。どうして?」
「なぜか分からないけど、お金がたくさんあるならタクシーで行って。タクシーがあまりないなら、バスでね…」
「そうする。ありがとう。またね」
セファは少女に手をふり駆け出した。南山へ急いだ。
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