雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「病院船」から(連載176)

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      韓国ドラマ「病院船」から(連載176)



「病院船」第16話➡退院祝い⑪



★★★


 乾杯の席を外した船長と事務長は浮かない顔だった。
「まいったな…士気は高まっているのに…外科をなくすとはとても言い出せない」
 船長は渋い表情で言った。
 それを道庁で聞かされて帰ってきたのは事務長だった。
「ひとまず二人だけの秘密に」
「…」
「私が対策を考えてみる」
「…ところでソン先生はどこへ行ったんだ。ぜんぜん顔を見せない」
「…」
「もしかして…」
 事務長と目を合わす。
「廃止の件が噂になってて耳に…? もう知ってるかもな」
 


 その頃、ウンジェはひとりの女性に戻り、凝り性らしさを発揮してヒョンとのデートコース選びに夢中だった。


★★★


 机上が巨済周辺のデーターでいっぱいになった頃、ヒョンからメールが入った。


―順調か? 大変だろ


 ウンジェの性格を見抜いているらしい。添付したウンジェの写真は、手書きで額に鉢巻きがかかっている。
「何、これは…?」


 ヒョンは笑みを浮かべながら、続きの文章を書いている。


―ひとりで頭を抱えなくていい。手伝ってやる。


 今度はヒョンの描いた手がウンジェの頭を撫でている。


「どうやったらこうなるの?」
 写真の上から手書きの文字や絵の乗るツールがあるらしいのにウンジェは気づいた。
 で、そのツールを探し出す。凝り性のウンジェはイラスト入りで”警告”の返信を行う。


―”妨害禁止”


 返信を見てヒョンは笑い声をあげた。
 ヒョンは一度だけからかいのメールを送り、あとはウンジェの警告を受け入れた。
 バスケのボールを握り、室内体育館に向かった。




 すると先客がいた。体育館の入口に立つとボールをドリブルさせて走り回っているジェゴルの姿がある。
 ヒョンに気づいてジェゴルは足を止める。ボールをヒョンに投げた。
「勝負しよう」
「残念だが、まだ傷が癒えてない」
「じゃあ俺の勝ちだな」
「…勝負したいのか?」
「ああ」ジェゴルは頷く。「フェアプレーはやめたんだ。受けないならいいぞ」
 ヒョンは笑った。
「じゃあ、やろうじゃないの」
 そう言ってボールを投げ返した。
 2人は夢中でマンツーマンのゲームに興じた。最後は並んで床に寝そべった。
「バカなヤツ」ジェゴルが言った。「傷口が開いたらどうするんだ」
「真剣勝負じゃないと―お宅は面白くないだろう」
「…お前って、ほんとにいいヤツだな」
「照れ臭いこと言うじゃないか」
「だからお前は…」
 ジェゴルはヒョンを見た。
「悪いヤツだ」
 ジェゴルは目をつぶった。しばしじっとして身体を起こした。大きくため息をついた。
 またしばし思案し「先に行く」と言って立ち上がった。
 振り向かずに体育館から出ていった。


 バスケのボールを抱えて歩きながらジェゴルは思案し続ける。
 
―いいヤツだ…俺から見てもいい男だ。心から好きな女を奪われても―憎めないんだから。


 ジェゴルは立ち止まり、体育館を振り返った。唇を噛んだ。
「悪いヤツめ!」




 ヒョンが運転して2人のドライブが始まった。ウンジェが助手席でナビ―を開始する。
「11時30分、レストランに到着」
 レストランに落ち着いた。
「人気メニューはステーキよ。☆五つ」
 ヒョンはウンジェのガイドをニコニコして聞いた。
 しかし…運ばれてきたステーキはナイフで思うように切れない。
「☆五つなのに…」
 ウンジェはヒョンを見てぼやく。
 ヒョンは黙って自分の切ったステーキをウンジェの皿に運ぶ。
「食べてごらん。味は悪くない」
 それを食べてみて、ウンジェは納得の顔をする。
 2人は食事を終えて店を出た。大きなポップコーンを手にして映画館に向かう。ウンジェが歩きながらガイドを続ける。
「ステーキは期待を外したけど、映画は面白いはずよ。平均評価が9点以上だった…」
 ウンジェの力説に首をかしげつつヒョンは黙って従う。今日はすべてウンジェに任せてるんだから…と。
 食べる物を食べ、飲むものを飲みながら、2人の映画鑑賞は始まった。
 ヒョンは映画を見ながらひとり頷いた。
「確かに映画はまずまずだ…」
 時々笑ったりした。
 しかし、隣のウンジェからの反応は聞こえない。


 ヒョンがふと見るとウンジェは眠りこんでいる。ヒョンは小さく笑った。しかし理解もした。


― 強行軍が続いていたからな~だけど、鼾を立てなきゃいいけど…


 2人は映画を見終えた。
 ヒョンは訊ねた。
「映画は面白かった?」 
 ウンジェはシャーシャーと答えた。
「感動的だったわ」
 ヒョンは下を見て小さく笑った。
「次はイルカショーよ」
 ヒョンを見て言った。
「すごく評判が…」
 ヒョンは入って行こうとするウンジェの手を引いた。
「どうしたの?」
「…」
「間違ってないわ」
 ウンジェは後ろを見る。
「イルカショーはこっちに行けば…」
 ヒョンは首を横に振った。
 ウンジェは怪訝そうにする。
 ヒョンはウンジェの手を取った。
 海を一望できる見晴らしのいい場所にウンジェを連れて行った。

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