
韓国ドラマ「イケメン(美男)ですね」第4話(12)
Korean drama "You're Beautiful" Episode 4 (12)
「ああ、そうだった」
ユ・ヘイは大げさに両手を握り合わせた。テギョンに申し訳なさそうな表情を向けた。
「ごめんなさい、思い出せなくて…!」
あっけに取られているジェルミに、
「では、のちほど」
一礼して彼女は背を返した。
さっそうと歩き出しながらひとり悦に入っている。
「ファン・テギョン。いい気味だわ」
テギョンはそんなユ・ヘイを嘲笑った。
「何だ、あのエセ女。思考レベルも小学生なみだ」
フニに電話が入った。
「警備室?」
腕時計を見る。
「すみません。い、忙しいのであとでまた・・・えっ? コ・ミナムに面会者?」
話を聞いたミニョは当人に会いたがった。
「会わせてください」
「ダ、ダメです。舞台があるじゃないですか」
フニの反対にあい、ミニョはうなだれた。
「どうしよう・・・」
「こうしましょう」フニは言った。「俺が先に会っておきますから、今は舞台に集中してください。いいですね」
「わかりました。わけを話してあとで連絡くださいね」
「分かりました。電話します。準備を急いでください」
忙しそうに走り出しながらフニは言った。
「いいですか? Bスタジオの控え室ですから」
ミニョは残念そうにフニを見送る。言われた通り、探しながらBスタジオに向かう。
そしてたどり着く。
「ん?」
首をかしげる。
「Dスタジオはここのはずなのに、みなはどこにいるんだろう?」
”Bスタジオ”を”Dスタジオ”と聞き間違えたミニョはそのへんをうろうろしだす。
当のBスタジオは忙しさに追われている。
一人が部屋に駆け込んでくる。
「ワンさん、急いで、早く早く」
「次なの? 分かったわ」
ワンはジェルミに呼びかける。
「ジェルミ、寝てる?」
「寝てないよ」
髪を手入れしてもらいながらジェルミは寝ぼけ眼で答える。
「よかった。チェックしてね。ほら、ちゃんと扱って!」
ワンは張り切っている。入ってきたディレクターにも挨拶を忘れない。
「どうも、こんにちは」
シヌやテギョンも支度に余念がない。
しかし、ここにミニョの姿はない。メンバーはそのことにかまっている暇もない。
「カッコいいわ」
ミニョはDスタジオの部屋を覗いた。テギョンらの姿はなく、女が一人椅子に座っている。
他に人影もないので、ためらいを覚えつつミニョはその女に話しかけてみた。
「あの・・・ここは・・・」
「カバンを取って」
いきなり命令形の言葉が返ってくる。
「えっ?」
女はミニョの方を見た。
「そこにあるでしょうが」
「・・・はい」
ミニョはカバンを見つけ、部屋に入った。
カバンを手に女に近づくと女は両のこめかみを押さえてつぶやくように言った。
「ああ、照明のせいで頭が痛い・・・ここ、押して」
人のいいミニョは女に言われるままにした。そうしながら、フニが出した指示をいぶかしんでいる。
「もっと、強く」
女が叱り付けてきた。
「・・・はい」
返事したものの、ミニョは自分のまずい状況に気付きつつある。どうもここではないようだ・・・。
「あの・・・急いでるんですけど・・・」
そこへ男が戻ってきた。
「先生、コーヒーをお持ちしました」
コーヒーを鏡台に置き、男はミニョを見た。
「どなたです?」
「えっ?」
女は目を開けた。怪訝そうに後ろを振り返った。
「何なの?」
そう訊ねられ、ミニョはどう答えていいか分からなくなった。
Bスタジオでは着々と準備が進んでいる。
ワンがテキパキ指示をだしている。
「そうしないで、もっと顔をスリムに見せなさい。助手さん、そこ片付けといて」
ここに至って、ワンはようやくミニョが顔を見せてないのに気付いた。
「誰か、コ・ミナムを見た?」
「いないわ。どこだろ?」
テギョンは目を開けた。
「さあ・・・トイレかな?」
マネージャが答える。
彼女は手がかかる・・・ワンは渋い顔でせかした。
「早く、探してきて!」
またか・・・!
テギョンはしかめ面になる。ワンは笑顔になり、テギョンをなだめた。
「心配しなくていいわ。私に任せて」
「何で俺が心配しなきゃならん?」
テギョンは鏡を怖い顔で睨みつけた。
「俺には関係ない」
(続く)
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