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雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「30だけど17です」(連載17)

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韓国ドラマ「30だけど17です」(連載17)


「30だけど17です」第2話(美しい縁)⑦


☆主なキャスト&登場人物


○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)



★★★


 時には小さな出来事が―人生を強い力で揺るがすこともある。この日のこの時がまさにそうだった。




 ウジンの部屋でどたばたの騒動が発生している時、ドクスたちが2階に顔を出した。
 知ってる顔はチャンしかいない。そこで訊ねた。
「この人たちは誰?」
 ウジンにとっても知ってる顔はチャンしかいなかった。
 ヒヨコを加えいきなりひとつ屋根の下に集まって来た人たち ― 13年前から他人と関わらず生きてきたウジンにとって、とんでもなく煩わしい日々となるはずだったが…。


★★★


「どうしたらいいのか…」
 我が家だった場所の現実は様相を変えたようだ―ソリは落ち込んだ。
 この家の住人であるウジンらに申し訳ないと思いつつ、他に行く当てもない自分がもどかしかった。
 ただひとり、立ったままのジェニファーがウンチク話を垂れた。
「”賢者や善人は―失敗から未来への知恵を学ぶ”byブルタルコス」
 階段に並んで腰をおろしているドクスらは顔を見合わせる。
 ジェニファーは続けた。
「性別、年齢、名前を―事前に確認すべきでした。完全に私のミスです」
 ソリはウジンを見て言った。
「私は叔父さんとここで暮らしてました。それはほんとなんです」
 ウジンはソリの話に応えた。

「11年前、両親がこの家を買い、彼は僕の甥です」
 ユ・チャンは自分を指さして頷く。
「何かの間違いです―だって私が飼ってたペンもここにいるのに…」
 ペンはソリの膝でクンクン啼いた。
 ウジンは答えた。
「家主が置いていったそうです」
「…」
「それで、うちで飼っていました」
「信じられない…なら、叔父さんは…いえ、前の家主はどこに?」
「当時、俺たちは外国にいたから分かりません」
 チャンが答えた。
「直接、連絡してみたらどうですか?」
「…音信不通なんです。私が遠くに行ってて―叔父はキム・ヒョンギュ…」
 ウジンは首を横に振った。すげなく応えた。
「力にはなれません」
 ソリは嘆息する。
「私はどうすれば…」
「そうだ」
 チャンが手を叩いた。
「だったらお祖父ちゃんに聞こう―電話して聞けば何かわかるかも」
 ソリは身を乗り出す。




 チャンは携帯で祖父に電話を入れ、話を聞いた。
「…ああ、そうなの。分かったよ、お祖父ちゃん」
 チャンは電話を切った。ソファの縁に腰をおろした。
「何かわかりましたか?」
「それが…家主は荷物や犬を置いて出ていったそうです。転居先は知らないと」
 ソリはうな垂れた。
「警察に相談した方がいいのでは?」
「…」
 ウジンはソファから腰を上げた。
「事情が分かったなら出て行ってください。おいで」
 ソリに抱かれた小犬に呼びかける。しかし、ウジンに呼ばれても小犬は顔を背ける。ソリの腕の中に潜り込む。
「トック、どうした?」
「えっ?」後ろでドクスが返事する。「俺のこと?」
 チャンが説明した。
「ペットのドックだよ」
「ああ、ドクスかと…」
 ソリは黙って立ち上がった。
「お騒がせしてすみません」
 ウジンの顔を見ることを出来ずに詫びる。
 抱いた小犬に話しかける。
「ペン、ごめんね。今の私は、お前を飼える状況じゃないの。元気で暮らすのよ」
 やさしく宥めてウジンに手渡しする。
 小犬を抱かされたウジンはその時にソリをまじまじと見た。




 ウジンの家を出たソリは叔父さんを捜すべく行動を開始した。
 最初に叔父さんのやっていた会社を訪ねて行った。
 ビルのロビーで入室してる会社を調べていると管理人がソリのもとにやってきた。
「何かお探しで?」
 ソリは訊ねた。
「7階の貿易会社はどうなりましたか?」
「…ここに貿易会社はない。以前はカフェで今はジムだ。それ以前になくなったんでは?」
 ソリは別の階も捜してビルから出てきた。他のビルも捜し回った。
 いつしか外は夜だった。
「いったいどこに行ったの?」
 ソリは途方に暮れた。
 あの家の高校生が言っていた言葉が思い浮かんだ。
「警察に相談した方がいいのでは?」

 急いで警察署を探して駆け込んだ。受付に相談した。
「叔父夫婦の居所を探したいの。13年前、ヘイン洞13番地に住んでました。どこに行ったか分からなくなったんです」
 受付の所員はソリの子供みたいな相談にあっけらかんとなった。
「それと友達のノ・スミとキム・ヒョンテも」
「分かりました。と、とにかく落ち着いてください」
「…」
「そうですね。とりあえず身分証を見せてください」
「身分証ですか?」
「住民登録証か免許証をです」
「運転はできないし…住民登録証もないです。まだ17歳ですから」
「17歳だって? はっは、冗談は言わないでこんな時に」
「あ、そうか」
 ソリは地団太を踏む。両手で頭を叩く。
「13年経ってたんだ。すぐ忘れちゃう。ああ、もう…」

 となりの署員が耳元に口を寄せた。
「言動が変ですね」
 頷いて署員は言った。
「困ります」
「困るって何がです?」
「個人情報なので勝手に身分照会はできないのです」
「よその人ではなく、一緒に暮らしてた唯一の身内なんです」
「ですが…親であるとか特別な事情でもない限り、警察はおいそれと動き出すわけにいかないのです」
「でしたら私はどうすればいいのです? あった家には他人が住んでて、近くにあった叔父の会社も消えてて…頼る当てもないのです。私はどこに行けばいいの?」
 署員はさらに説明を続けた。
「”この辺は再開発されたから―ビルが立ち、住民の変動も起こりました。とっくに引っ越したのでしょう”」
 ソリは知ってる家を探して辺りを歩き回った。
「あっ、ここの店は覚えてる…」
 その店の前から反対側を見やった。高層の建物が並んでいる。
「ここの建物にスミとヒョンテが住んでいたはずだけど…すっかり変わっちゃった」

 高層の建物を見回してソリは呟いた。
「みんなどこへ行ったのかしら? 叔父さん夫婦は? スミとヒョンテは? いったい、どこへ消えちゃったの?」 
 歩道を歩いて来た人がソリに身体をぶつけた。よろめいたソリに声もかけず目も合わせずにその人は歩き去っていく。
 道行く人たちに目をやりながら、ソリは次第に孤独感に見舞われていった。

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