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韓国ドラマ「30だけど17です」(連載175)





韓国ドラマ「30だけど17です」(連載175)




「30だけど17です」第20話(名前はウ・ソリだった)⑥


☆主なキャスト&登場人物

○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★

 ウジンはソリのもとにツカツカ歩み寄った。後ろから抱きしめた。
 ウジンの目からも涙が溢れた。
「ウ・ソリ…! 名前はウ・ソリだった」
「…」
「生きてたのか…生きてたんだ」
「おじさん…どうしたの?」
「生きててくれてありがとう」
「…」
「ありがとう…」
 ウジンの目からもボロボロと涙が流れ落ちた。
「生きててよかった…」
 ウジンは強く、強くソリを抱きしめた。
 ソリは顔を上げてウジンを見た。
「どうしたんです?」
 ウジンはただ頷いた。
「…ありがとう」
 ソリは両手でウジンの涙を拭った。
 ウジンはソリから両手を放した。
「友達に挨拶してきて―外で待ってるから」
 そう言って背を返した。

 ウジンが出て行った後、ソリはノ・スミの遺影写真に目をやった。仲のよかった3人組の真ん中でスミは微笑んでいた。

★★★


 病院の守衛がベンチのところへやってきて草刈りをやってる男に訊ねた。
「ここにいた若い男を知らない?」
 草刈りを進めている年配の男は顔も見ないで答えた。
「青い顔をしていたが…」
 手にした容器を口元に持っていく。
 ひと口飲んでつぶやく。
「大丈夫かな?」


 イ・リアンは校門の横断幕を取り替えて満足そうに眺めた。
 幕にはボート大会でのユ・チャンの優勝を祝う言葉が書かれている。
 そこへ学校の守衛が笛を吹いて駆けつけてきた。
「君、校門の幕を勝手に取り替えちゃダメだ」
 リアンは頭に手をやり、うな垂れた。
「早く元にもどしなさい」
 
 リアンはおろした横断幕を伸ばした。
「ここで伸ばしてどうするの? これをあそこに…」
 手を止めてリアンは守衛を見た。
「おじさん、この幕に書かれたイ・リアンは私です」
 横断幕を読ませ、胸のネームプレートを見せた。
 横断幕は <模試 全国1位 イ・リアン> となっている。
 リアンは驚いた表情の守衛に歩み寄った。手にした横断幕の巻き棒を握り取った。
「毎月張り出されるから―今回はあれと替えさせて」
 そう言い残して守衛の前から逃げ出す。
「ちょっと君、全国1位! 待ちなさい」
 しかし、リアンは振り返らずに走り去った。


 病室に戻ったチャンは虚ろな表情で物思いに沈んでいる。
 チャンは看護師の言った言葉を思い返していた。


― ソリさんの恋人で、保護者なんでしょ? コン・ウジンさんです。


「きっと何かの間違いだ…絶対にありえない」
 チャンは立ち上がった。
 外に出て行こうとしたら、病室のドアが開いた。
 看護師が医師と共に入ってくる。
「また逃げ出す気? どこに行くんです?」
「もう元気です」チャンは即座に答える。「お世話になりました」
 挨拶して出て行こうとするチャンを医師が制した。
「待ちなさい」
 ベッドに座らされたチャンは子供のように駄々をこねた。
「すっかり治ったと言ってるんです」
 そこへドクスたちが現れた。首にメダルをかけている。
 2人は駄々をこねているチャンに唖然となった。
「痛くないんです。本当に大丈夫なんです」
「何言ってるんです」
「安静にしてなければダメです」
 ヘボムたちは呆れた。
「またやってるよ」
「取り押さえよう」
「そうだな」
 2人は医師たちに代わり、力づくでチャンをベッドの上に戻そうとする。
「ま、待てって―ほんとだから」
 
 チャンは医務室で足の状態について医師に説明した。
「ほんとです。大丈夫です。信じてください」
「君。2日で治るわけないだろ」
 説明する医師に看護師は言った。
「先生、レントゲン写真を診てください」
「分かった」
 医師はパネルに映し出されたレントゲン写真に目をやった。
「君の場合、治るのに時間がかかる…んだが―」
「…」
「あれ…?」 
「でしょ? 治ってるでしょ?」
「確かに―どうして、こう回復が早いんだ…?」


 退院を許されてチャンは急いでタクシーを呼んだ。着替えてさっさと病院を飛び出した。
「ウ・チャン、待てったら」
 チャンを追ってドクスらが外に飛び出してくると、チャンはもうタクシーに乗って走り去るところだった。
 ドクスらは走り去るタクシーを眺めてそこに立ち尽くした。
「どうして、あんなにせっかちなんだ?」 
 ヘボムはドクスを見た。
「ワカメスープを食って帰るかい?」
「おい」
 ドクスは顔をしかめた。
「当然のことを疑問文で言うなよ」
 その顔は次第に緩む。
 ヘボムは笑って先に走り出す。
「ところで疑問文って何だ?」
 病院に駆け込みながらヘボムは訊ねる。
「気にするな」


 ウ・ソリが退院したと聞いてヒョンテは病室に駆け込んで来る。
 ソリの姿がないのを確かめてヒョンテは電話を入れた。


 その電話を受けたのは受けたのはジェニファーだった。
「ああ…、そんなことがあったんですね」
「検査で食事もとれず、ショックを受けています―ゆっくり、休ませてやってください」
「はい…」
「それか」
「…」
「あとでお会いできますか?」


 ウジン達は車で家に帰り着いた。
 車が止まったところでソリは言った。
「私には生きててよかったと泣いてくれる人がいるのに」
「…」
「友達に申し訳ない気持ちです」
「…」
「私だけが生き残ってしまった…」
「疲れてるだろ」目を落としたままウジンは言った。「家に入ろう」
 車をおりたウジンは重い足取りで家に入っていった。ソリも少し遅れ、力ない足取りで続いた。



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