
韓国ドラマ「青い海の伝説」第6話②
Korean Drama "Legend of the Blue Sea" Episode 6②
第6話①
セファは救急車で病院に運ばれた。
救命病棟で寝かされた。
「家族に連絡は?」
「身分証も携帯もないので出来ないんです」
医師と受付でそんな会話がなされている。
「身元不明者かどうか警察に連絡して確かめよう。まいったな。意識が戻ってくれたらいいんだが…連絡、頼む」
セファと会うのを諦め、駐車場から車を出したジュンジェは、通りに散乱したチラシに気付いて車を止めた。おりてチラシを拾い上げた。それらは昼間にセファが配っていたチラシだった。
そうして辺りを探し回って落ちている携帯を見つけた。拾って確かめたらセファに持たせた携帯だった。
ジュンジェは呻いた。
「いったい、何があったんだ?」
★★★
ジュンジェは車に乗り込んだ。警察に電話を入れた。セファが握っていたチラシの散乱していた場所で交通事故があったかどうか確認を行った。
「ええ。南山付近での交通事故です。搬送先はどこか分かりますか?」
「今日は雪の影響で事故が多発し、すぐには調べがつきません。時間がかかります。近くの病院に運ばれたはずですが…」
「分かりました」
こうなったら近くの病院を片っ端にあたっていくしかない。
そう思った時、花火の時の場面が脳裏を掠めた。あの時、彼女は必死に自分を守ろうとしていた。
手を怪我した時もそうだった。あの時は自分にお金をくれるために働いていた。
そして今日会うはずだった初雪の日の約束だ。
彼女は自分とどんな係わりを持つ女なのか…?
ジュンジェはマフラーを外した。どんなことをしてでも彼女にもう一度会わねばならない。
ジュンジェは片っ端に病院をまわり、各病院に連絡を取り続けた。
「今日そちらに交通事故で運ばれた人で若い女性はいませんか? 髪が長く色白で…ああ、それですごい美人です…そうですか…いませんか? …分かりました」
「…とのことで、奥様もでかけるそうです」
ナム部長はソヒの言付けをイルジュンに伝えた。
「ああ、そうだった」イルジュンは思い出した。「今夜は家で食事すると約束してあったんだ」
イルジュンはナム部長を見上げた。
「家内に葬儀の話は?」
「はい。お伝え…しました」
「わかった。とにかく出向こう」
イルジュンたちは病院へやってきた。
同じ病院に少し遅れてジュンジェも走りこんでくる。セファがここに運び込まれているのを知ったのだ。
病院に駆け込むなり、ジュンジェは救急センターのベッドを片っ端に開いて回る。中にいた人たちはいっせいに怪訝そうな顔になる。
セファをなかなか捜し出せない。ジュンジェの苛々と焦りはつのる。
ふと目の前に付き添いのいないベッドが目に入った。ピクとも動かない足が見える。次に動かない両手が見え、最後に顔が現れる。セファだった。彼女はまったく動かず、目を閉じている。




ジュンジェは彼女に歩み寄った。彼女の手を握り、額に手を押し当てる。
「誰か…すみません」
ジュンジェは振り返る。
「すみません…呼んでるだろ!」
最後は大声になった。
近くにいた看護師がビクンと反応した。
「ご家族の方ですか?」
ツレない声で看護師は訊ねてくる。
「彼女の体温は測ったんですか?」
「測りましたよ」看護師は答えた。「ですのでX線撮影まで待機してください」
「測っただって? 氷みたいに冷たいぞ。きちんと確かめてみろ」
看護師は呆れた顔になり、セファのそばにやって来る。体温計を耳に当てた。
「えっ?」
と驚く。慌ててドクターを呼ぶ。
「先生、来てください」
若いドクターらが駆け寄ってくる。
「どうした?」
「この患者、脈がありません。体温も29度しか…」
「何言ってる。29度なんてありえないぞ」
若いドクターは首のところに手を当てた。顔色が変わった。
「すぐ心肺蘇生の準備だ。急げ」
スタッフはすぐさま散り、残ったドクターがセファに呼びかける。
「もしもし、私の声が聞こえますか!」
AEDが運ばれてくる。
「チャージだ」
「いくぞ。ショック!」
電気ショックでセファの身体が揺れる。電気ショックが繰り返されるうち、セファの脳裏にタムリョンの姿が現れる。…
繰り返される電気ショックにジュンジェは目を覆った。
しかし、セファの脳裏では様々の記憶と場面が現れては消えるのを繰り返した。
しかし、電気ショックの甲斐も空しくセファの心臓は停止した。
医療陣はベッドを離れていった。ジュンジェだけが最後の別れのために残された。
ジュンジェは呆然とセファを見つめた。ベッドのそばにしゃがんだ。セファの手を両手で包んで握りしめた。
「死んじゃダメだ」
セファの手を額に当てた。「死ぬな」と祈った。
セファの脳裏ではまだ夢が続いていた。タムリョンに会うため、元気に泳いでいく自分の姿があった。そして水の中から手を伸ばしたのだ。その手をタムリョンは握ってくれた。…
ジュンジェの手を感じてセファ(シムチョン)はゆっくり目を開けた。
視線の先に失意に暮れているジュンジェがいる。
「ジュンジェ」
セファの声にジュンジェは顔を上げる。
セファは急ピッチで生命力を蘇らせている。
「お前…大丈夫か?」
「夢を見ていたわ」
「…」
「あなたが手を握って…私を呼んでくれたの」
ジュンジェはセファを見つめ返す。胸元で彼女の手を握りなおした。
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