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韓国ドラマ「30だけど17です」(連載37)
「30だけど17です」第4話(壊れたバイオリン)⑦
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
★★★
「歌謡曲、ジャズ、クラシックの公演が日替わりで三日間。舞台のセットも日替わり」
「へぇ~、面白そうだ」とチン・ヒョン。「大がかりな企画ですね」
「急かされるのはイヤだ」
ウジンはボソっと言った。
「代表は私よ」とカン・ヒス。「従ってちょうだい」
ウジンは反論せずペットボトルの水を飲む。
「この3人でやりこなせますか?」とチン・ヒョン。
カン・ヒスは腕を組んだ。小首をかしげた。
「そうよね。コンの考えはどおっ?」
「任せるよ」
「…だと思った。あとで関係者と顔合わせを。近くだから来るのよ」
ヒスはウジンを見て顔を突き出すようにした。
「挨拶だけなら、僕が行くまでもないんじゃないか」
「それでいいと思う?」とヒス。「キム監督の時みたいに無愛想にされたら…私が困るの。またやったら、今度こそぶっ飛ばすからね」
「その時はクロアチアまで飛ばしてくれ」
「何がクロアチアよ」
ヒスはペットボトルを握って立ち上がる。
「だったら今すぐぶっ飛ばしてやる」
チン・ヒョンも慌てて立ち上がる。ウジンの椅子を押して逃げる。
「さあ、仕事しよう」
★★★

子供たちが一心にバイオリンを練習してる場所でソリは面接を待たされた。
子供たちはギーコギーコ、バイオリンを弾いている。ソリは長いすから立ち、子供たちのそばに歩み寄った。
「ねえ、聞いて」
しゃがんで声をかけた。
「弓を持つ手はね~、ウサギの形にするといい音が出るのよ」
子供たちは弾くのをやめ、おばさんをじっとみる。
「ああ~、やってみせるわね」
ソリは右手を出し、指でウサギの形を作った。
「ほら見て、ウサギみたいでしょ」
指の先をヒクヒク動かす。
子供たちはマネをしだす。
「そうよ。そうやって指で丸を作るの」
ソリは子供たちの手を取り、指の間に丸を作ってあげる。
「こうしてね…上手よ」

そこに面接の先生が顔を出した。
「お待たせしたわね、どうぞ」
ソリは元気よく返事して部屋についていく。入る直前、子供たちを振り返った。ウサギマークをつくって笑顔を残した。

履歴書を見たバイオリン教室の経営者はやはり難しい表情になった。
「経歴がたりませんね」
「そうですよね」
ソリは頷くしかない。
「ですが、どれほどのものか、弾くのを聴いてご判断を願えませんか? 上手に教えられると思います。ぜひ、演奏を聴いてください」
経営者は履歴書を見直して首を傾げた。
「それでもこれでは…」
「一度だけでいいですから」
いくつか回って断られたソリは必死だった。
経営者はソリを見つめ返した。
「一度だけですよ」

ソリは得意としていたバイオリン曲を披露した。
バイオリンの伸びやかで美しい音色に内心驚いた面接者だった。
しかし、ブランクの長かったソリは途中からリズムを崩してしまった。音色の美しさに眠りを誘われるほどだった面接者は、途中から皺くちゃに表情が崩れてしまった。

手指の握力が落ち、ソリは弓を足元に落としてしまった。拾い上げてソリは演奏を続けようとする。
「もう結構です」
面接者はやめさせた。
「ブランクが長そうね」
「でも昨日のように指は覚えているので、もう一度…」
「いいえ。残念ですが、採用はできません。お帰りください」

ソリは落胆してバイオリン教室を後にする。
公園の長いすに腰をおろし、自分の手に見入った。楽器の修理職人の言っていた言葉を思い出した。

― いくら立派でも放置したらダメになる。楽器でも人でも…
自分のこの手もさび付いていた。手指に見入りながらソリはそれを痛感した。
ソリは自分に言い聞かせる。
「”指がなまってるだけよ。練習すれば大丈夫、大丈夫だから”」
膝を叩いてもう一度言い聞かせる。
「大丈夫よ」
しかし、表情は曇ったままだ。心のどこかで不安も覚えているからだった。

部屋に戻ってきたヒョンテに同僚が言った。
「科長が会うと言ってた。俺のおかげだと感謝しろよ」
しかし、ヒョンテは元気がない。同僚の前でため息までついた。
顔を上げた。
「先輩、すみません」
先輩から目をそらしてヒョンテは話す。
「長期入院の件は―なかったことにしてください」
「なかったこと? 頼んでおいて今さら何を言ってる」
そこに研修医が飛び込んで来る。
「意識不明の患者が2分後に到着します」
救命救急科のドクターがすぐさま立ち上がる。
「分かった。行こう」
「20代後半から30代前半の女性です」
研修医の言葉にヒョンテもあわてて立ち上がった。2人をおいかけて部屋を飛び出していく。
救命の処置をほどこしているベッドを見つけて覗き込む。
ソリではなかった。
ヒョンテに救命救急のドクターは言った。
「何の真似だ、キム先生」

ヒョンテはほっとしながらベッドから離れた。後ろの壁にもたれてしゃがみ込んだ。
駆けつけたドクター数人が状態チェックにかかっている。
ヒョンテを追ってきた同僚は言った。
「おい、どうしたんだ。しっかりしろ」