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雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「30だけど17です」(連載71)



韓国ドラマ「30だけど17です」(連載71)



「30だけど17です」第8話(13年前の少女)⑤


☆主なキャスト&登場人物


○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)


★★★ 

「やっと出勤ですね」
 ソリが事務所にいてウジンは面食らった。
「何でここに…」
「知り合いでも正式に紹介するわ」
 事務所代表のカン・ヒスが言った。
「音楽祭を手伝ってもらうの。適任者だわ」
 どうしてこうなったかウジンにはわけがわからない。  
「どうして君が…」
 ソリははきはきとウジンに挨拶した。
「ソリと言います。よろしくお願いします。おじさん。…いえ、コンさん」
 カン・ヒスとチン・ヒョンが熱烈な拍手で迎えた。
「大歓迎です」
 ウジンは笑顔のソリを怯えた表情で見つめた。


― 僕は怖いんです。彼女と親しくなると、忌まわしい記憶をどんどん掘り起こされそうで…。また、誰かの人生に関わりそうで…怖いんです。 

★★★


 チャンはボートのオールをそばに立てかけた。
「聞きたいこと? …ああ、おばさんのことか。いや、しばらく一緒に暮らすことになった」
「えっ! ウジンが他人を家にいれたの? ほんとに?」
 チャンは笑った。
「ちょっと事情があってね。だけど、ヒスさんがおばさんに何の用?」
「彼女、クラシックに詳しい?」
「あっ! よくわかったね。おばさんは音楽の天才なんだ。ドイツの有名な音大に―17歳でバシッと合格したんだ…えっ! それはいい。家政婦さんの携帯にかけたらおばさんにつながるよ」 


 カン・ヒスはジェニファーの電話番号を聞いてすぐにかけた。
 ジェニファーの携帯が鳴った。
「もしもし…少しお待ちを」
 出かけようとしていたジェニファーはソリの前に立った。
「電話よ」
「私に?」
 ソリは思い当たる節もなく携帯を手にした。
「もしもし…」


 カン・ヒスに招かれてソリはウジンの事務所に出向いた。
 ヒスの質問に頷いた。
「ええ、誰もいなかったので私が電話を受けました」
 ヒスの表情は一気に輝く。
 チン・ヒョンが飲み物を出しながら言った。
「謎の女性はピンクさんだったんですね」 
「ピンクピンクですか?」
「その話はまた後で」
 チン・ヒョンは身振り手振りでおどけた。
 カン・ヒスは用件を切り出す。
「バイオリンの経験が長いと聞きました」
「はい」ソリは目を落とした。「13年ほど…」
 ヒスは合点のいった顔になった。チン・ヒョンと目を合わせ頷き合った。
「道理で監督と話が通じるわけね」
 ソリを見て言った。
「じつは依頼を受けてる大規模な音楽祭で―クラシック部門を手伝っていただきたいの」
「ほんとうですか?」
 ソリは身を乗り出した。
「クラシック関連なら身を粉にして働きます」


 そこにコン・ウジンが診療をすませてやって来たのだった。
「遅くなってしまった」
 ウジンを見てソリは立ち上がった。
「お帰りなさい」
 ウジンは驚くしかなかった。


 ウジンはすぐカン・ヒスを屋上へ呼んだ。
「カン・ヒス。勝手に人を雇うな」
「記憶力が悪いの? 増員を相談したら…好きにしてくれ、って言ったじゃない。だから雇ったの。それがなぜいけないの?」 
「…」
 ヒスは続けた。
「正直言って、うちにはクラシックに強い人が必要よ」 
「他にいるだろう」
「リン・キム監督も彼女のことを気に入ってた。留学するはずだった逸材よ」
「でも彼女は…」
「どうしたの? 万事に無関心なのになぜイヤがるの。何がイヤなの?」
「そうじゃなくて」 
 その先を言えない。神経科医に言った言葉をまた思い返す。


― 僕は怖いんです。彼女と親しくなると、忌まわしい記憶をどんどん掘り起こされそうで…。また、誰かの人生に関わりそうで…怖いんです。 


 ウジンは言った。
「ともかく彼女の採用には反対だ」
「どうして? リン・キム監督も望んでいることよ」
「言い分は分かるけど…」
「感情的になるなんてあなたらしくないわよ」
 ウジンは言い分を失い頭に手をやった。
「ひょっとして、彼女との間に私の知らない何かがあるの?」
 ウジンはヒスを見つめ返した。その話はしたくなかった。


 ソリは用意された手帳にマジックで大きく自分の名を書き入れた。
「大きな字で名前を書かなくてもいいのに…」
 チン・ヒョンが言った。
「手帳をありがとう」
ご機嫌のソリ。
「先輩、私は何をすれば」
「僕は年下だよ。先輩だなんてとんでもない」
 チン・ヒョンはソリを見た。
「でも嬉しい。今後も”先輩”と呼んでほしいな」
「はい、分かりました。先輩」
 ソリはさっそく手帳に手にする。開いて何やら書き込む。
「今後も”先輩”呼ぶこと」 
 屋上からおりてきたウジンはソリをちらと見て給湯室に向かう。ソリはウジンの後ろに立った。
 顔を近づけて訊ねた。
「おじさんが推薦してくれたんでしょ」
「…」
「思った通り、いい人だわ。ありがとう、おじさん」
 ソリはペコっと頭を下げた。
「あ、違う。コンさん」
 言ってしまって口を押える。
「何だか照れちゃう。今まで、おじさん、と呼んでたから」
 ウジンは黙って水を飲もうとする。
「あっ、それ」ソリは指さして言う。「噴水の水ですよ」
「構いません」
 ウジンは難しい表情で答えて行ってしまう。
 ソリはウジンの不機嫌に気づかず、自分に言い聞かせ
た。
「職場でふざけちゃダメよね」
 急いで手帳に書き込んだ。
「”職場ではおふざけ禁止”





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