
BIGBANGは日本ファン最も多く…ビッグデータで見るK-POP市場
PSY(サイ)をグローバルスターにしたのは YouTube(ユーチューブ)にアップした『江南(カンナム)スタイル』の動画1本だった。K-POPスターにとって近頃最も重要なマーケティング手段はフェイスブック・ YouTube のようなSNS(ソーシャルネットワークサービス)だ。熱狂的ファンと結びつけるツールとなる。
ソーシャル音楽サービス『 muzalive』が自主開発した『ザ・ボダネット(www.theboda.net)』のベータサービスを活用して韓国内のアイドル歌手の消費形態を分析した。まずは2大企画会社SMエンターテインメントとYGエンターテインメントの事例をのぞいてみた。ビッグデータ分析を音楽市場に適用した初めての事例だ。具体的にはYGのPSYとBIGBANG(ビッグバン)、SMの少女時代とSUPER JUNIOR(スーパージュニア)を調べた。2つの企画会社の特色ある分析結果も興味深くあらわれた。
★ソーシャル音楽サービス『 muzalive』が自主開発した『ザ・ボダネット(www.theboda.net)』で分析されたのはYGのPSYとBIGBANG(ビッグバン)、SMの少女時代とSUPER JUNIOR(スーパージュニア)である。
それぞれの事務所を代表する横綱と言ってよいだろう。どんな分析結果となったか興味津々である。

◆忠誠度の高いSUPER JUNIORファン
フェイスブックの影響力はYGの勝利であった。フェイスブックにあげたコンテンツが利用者に広がる程度は、BIGBANG>PSY>SUPER JUNIOR>少女時代の順に高かった。たとえば4月第3週の1週間のPSYのコーナーは平均7000回超ずつ共有された一方、少女時代は平均496回の共有に終わった。「グッド」「共有」「コメント」などの書き込みが週1回以上ある“活動的(active)”ファン数も BIGBANG>PSY>SUPER JUNIOR>少女時代 の順だった。
だが、PSYの活動的ファンのうち8割が1回だけだが、SUPER JUNIORファンは2回以上活動した比率が過半数を超えるなど忠誠度が非常に高かった。 muzaliveのイ・ソンギュ代表は「グローバル進出を目指すアーティストはファン数が多い一方、積極的な活動の比率は低い傾向がある。この比率を引き上げるのがK-POPスターの課題」と話した。
――4月第3週の1週間のPSYのコーナーは平均7000回超ずつ共有された一方、少女時代は平均496回の共有に終わった。
★少女時代の共有率はPSYの14分の1程度。ずいぶんな差だが、データーを取ったのは4月第3週の1週間に過ぎない。その後、どういう推移となってきているかは分からない話だ。少女時代が世界ツアーに出れば、この数値はもっと狭まってくるだろう。
BIGBANGの安定した人気はよく理解できる。だが、PSY人気についてはいまだよくつかめないでいる。スペイン語圏で大きな人気を得ているようだが、それがしっかりした岩盤になれるかどうかが注目である。K-POPの大きな捨石になるだろう。だが次もあるとは思わなかった。PSYは2曲目の「ジェントルマン」もヒットして勢いを継続している。まるで売り時の難しい株みたいである。
一度つかんだ手ごたえは逃がさない。あれよ、あれよ、でYG戦略の巧緻さがPSYのパフォーマンスに見て取れる気がする。
◆“ビルボード歌手”PSYと少女時代
フェイスブックの“活動的ファン”の地域分布も違った。
PSYと少女時代は英語圏(各30~31%)、BIGBANGは日本(23%)のファンが最も多く、SUPER JUNIORは英語圏(25%)・台湾(18%)のファンが多かった。ウィキペディアの言語圏別接続者も似たようなあらわれ方だった。だがPSYが『ジェントルマン』を発表した当初にはスペイン語圏の接続者が英語圏を追い抜いた。少女時代はウィキペディア英語圏のページビューが2万~3万件に達して平常時にはPSYを超えるほど圧倒的だ。
イ代表は「研究の結果、ウィキペディアのページビューは、デジタルアルバム販売と高い相関関係を持っていることが明らかになった。PSYと少女時代が米国ビルボードチャートで有意義な成績をおさめるのも同じ脈絡」と説明した。
★PSYと少女時代は英語圏(各30~31%)――驚きである。野球で言えば3割バッターではないか。PSYは「江南スタイル」の大ヒットがあるから当然だろうが、少女時代が英語圏でこうまで人気度をあげているとは知らなかった。
日本でのBIGBANG人気は今更語るまでもない。書かれていないが、SUPER JUNIOR人気も日本で高いと見る。彼らには少女時代のファンがかぶっていくし、逆に少女時代にSUPER JUNIORのファンがかぶる傾向も見られる。おそらくBIGBANGの(23%)に迫る人気をはじき出してくるだろう。
◆YGファンはYGファミリーが好み
中央日報がザ・ボダネットに接続して5月13~28日基準のフェイスブックの熱狂的ファン(各ミュージシャン別の活動上位500人)のファン重複度をみてみた。
PSYの熱狂的ファンの29%がBIGBANGファンだった。BIGBANGの熱狂的ファンは2NE1(23%)、PSY(10%)、イ・ハイ(7%)と等しく重なったがSMミュージシャンには関心を持たなかった。その一方、少女時代の熱狂的ファンはSUPER JUNIOR(9%)、 SHINee(シャイニー)(7%) 、YG所属のBIGBANG(7%)、2NE1(3%)などに少しずつ関心を見せた。SUPER JUNIORの熱狂的ファンは少女時代(9%)、 SHINee (4%)、YGのBIGBANG(5%)と若干重なった。SMという看板よりも自分たちが好むミュージシャンに集中する様子だ。
これは偶然にも、YGとSMのソーシャル戦略に相反する結果だ。SMは『SMタウン』という統合チャネルを中心に所属ミュージシャンを一緒に出している。チャート1位速報などの公信力が必要な内容は『SMタウン』に掲載して、比較的軽いイシューはミュージシャンチャンネルでアップロードするなど役割を分担している。
一方のYGはPSYが自身のコンサートのニュースを直接YouTubeにアップするなどミュージシャン別にチャンネルが独立的に動いていて、統合チャンネルである『YGファミリー』はそのようなコンテンツを“共有”するというハブの役割をする程度にとどまっている。
イ代表は「YGが権力分散型ならばSMは中央集中型だ。それでもYGは所属ミュージシャンのファンを束ねている一方、SMはSMタウン統合コンサートなどでシナジーを狙っているようだが効果が期待に沿えないようだ」と評した。
★僕はSMの音楽にはいつも形式美のようなものを感じている。一方、YGの音楽にはそこからはみ出した奔放さを感じる。形式美のよさを少しずつ拝借しながら奔放さは装いを新たにしていく。どっちが得か損かでいえば、前者が損することが多いに違いない。
それはファンの関心の持ち方にも反映してきているようである。
◆SNSによって動くミュージシャン
特徴はちょっと違うが2大企画会社が両方ともSNSを非常に重視しているのは共通的だ。SMアーティスト企画・コミュニケーション室のユ・ウンビ氏は「歌手のマーケティングに、SNSデータを積極的に参考にしている。特にフェイスブックとYouTubeに注目している。SUPER JUNIORが南米ツアーをすることになったのも、向こうの地域でのSNS指数が高まった理由が大きい」と話した。
SNSが収益に直結したりもする。報告書によればPSYの『ジェントルマン』ビデオ1本で4月19日~26日の1週間に上げたYouTube広告収益の推定値は8万5000~16万9000ドル(8000万回ビュー)だ。YGは2013年第1四半期の所属アーティストのYouTube再生回数の総計が約7億8500万回を記録したと明らかにした。
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