傍聴絵日記

@さいたま地裁傍聴席

もう一度、母親をやらせてください。

2014年02月18日 | 刑事事件
平成25年(わ)第1547号

有印私文書偽造、詐欺未遂

TN 被告人名は自主的に秘匿しときます。

【概要】
あるところに女子高生と母親の母子家庭がありました。
母親のTN(4ん歳)はトラック運転手として家族を支える傍ら、SNSで出逢いを求めていました。実際に知り合った男性と親密な関係になっています。
やがて、その男性の子供を妊娠しますが、実は男性は妻帯者だったのです。

TNは男性は彼女の妊娠を喜んでくれるものと思っていたと言います。(冷静に考えれば一方的な思い込みで在ると分かるはずですが、それができない彼女の自意識過剰な性格が見て取れます)

彼の対応に幻滅したTNは、一人堕胎を決意します。その後、男性に対し損害賠償請求訴訟をする意向であると言いますから、先述の感想にご理解いただけると思います。が被害者はこの男性ではありません。

で、ここで本件被害者のSが登場します。SはTNと旧知の仲で以前(25年前)交際していた関係でもあります。

SがTNの実家の直ぐ近くに転居してきたことから、交際に発展します。
ある日、TNは自己に同意を求め無いままSにホテルに連れ込まれ、強引に飲酒させられ、意識消失した隙に関係を結ばれたとしています。

この件に関する報復が反抗動機かと思えば、そうではなく、これ以降被害者SがTNに幻滅し態度が急に冷たくなったことが許せないとして、架空の産婦人科の領収書を偽造し、Sから金をだまし取った事件。

びっくりなのが、被害者Sが現金をゆうパックで発送している点。他方、Sは医療費でありながら領収書に消費税の記載があったことから偽造であることを見抜き、事件が発覚している。杜撰なのか細かいのか全くわからない。

と、ここまでが第一幕。

何故か被告人の周囲で謎の事件が発生する。

TNの実家全焼。(原因不明)
SにTNの親友を名乗る人物から脅迫メール。
Sの自宅に押し掛ける謎の一団。

実家全焼以外はTNの関与が疑われるも、本人は関与を否定した。TNの主張によれば娘のMの関与する可能性が有るという。

その主張を受けて、検察から任意で電話聴取が行われたところ、Mも両件への関与を否定した。

が、TNの弁によれば、その電話聴取の日からMの様子(過呼吸、嘔吐など)の異変を伝える連絡が施設からあったと言い、Mが故意に嘘の証言をした心労が原因によるものと思われると主張し、あくまで自身の関与は否定した。
仮にMによるものであったならば、謎の一団を扇動する立場にある女子高生とは何なのであるか?

TNの娘であるMは保護者であるTNの身柄拘留のために施設で生活している。そのため上に施設という表現が出てきている。

結局、事件の全容が解明され(と感じる)ないまま結審した。最終弁論で被告人TNが述べたのが題名になっている言葉です。

【判決】
懲役2年 執行猶予5年 保護観察

淡い恋心(アラ5の)が事件背景にあるとしても、報復感情の赴くまま詐欺行為に走った被告人の行為、手口は非難されるべきものであるとした。
被害者とは示談が成立したことも評価されたはずであるが、実刑ギリギリの判決となった。

正直、被告人の言動は不自然な変遷が多く事件内容がよく理解できない。

【雑感】
被告人は娘が大切と言っているが、自身の女の情念を多感な時期の娘がどう感じているか、考えた事は有るのでしょうか?







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