傍聴絵日記

@さいたま地裁傍聴席

「布団が燃えています」と自宅放火(朝霞)

2014年12月09日 | 刑事事件
平成26年(わ)第955号 

渡邊 陽菜 

現住建造物等放火

【概要】
同棲相手の居場所が分からない寂しさから衝動的に自室に放火した事件@朝霞市。

平成26年3月12日1時30分頃帰仕事を終え宅した被告人が同棲相手が自宅にいないことから、衝動的に自室に放火しました。その頃、朝から体調不良を訴えていた同棲相手は実家(ふじみ野市)で就寝していました。

【第一印象】
構ってちゃん。
面倒くさそうな女性。
容姿は化粧気が無いせいも有って、幸薄そうに見えました。同年代の女性としてはかなり地味な印象です。(以上、個人の感想です)

【結局】
構ってちゃんの印象は不動。
ただ、被告人の証言どおりなら、被告人が勤務していたエステ業界はウワサ以上に(超)ブラックな業界の様です。
出勤時刻朝8時、帰宅時刻翌日深夜0時、休日1日/月、残業代支払無し。以上の条件で月給16万円程、売り上げノルマ(目標?)500万円/月!
時給394円!!(14時間/日、29日/月勤務として概算。)
暴利をむさぼる、エステ業界の被害者と言えなくもない様ですが、それ以上に被告人の同棲相手への依存振りが本件事件の原因の様です。
被告人自身も交際相手に対する過度の束縛は自覚していたと言います。(今になって理解したのかもしれません)

交際相手の気を引く為に別れ話を切り出した事が度々有ったと言います。
他方、交際相手の証言では逆に交際相手が別れを切り出していたと言い、それに対し被告人が問題行動(窓から飛び降りようとする、奇声を上げ徘徊し、保護される等)を起こしていたと言います。
過去には同様の目的で、ぬいぐるみに火を点けています。(この行動がエスカレートしたとも取れます)
過去の行動から被告人は感情の抑制が利かない、印象を受けます。と言うより、何らかの理由をつけて自己の衝動傾向を正当化しようとして見えます。

同じく、気を引こうとしてか?リストカットの画像をメールで送信していたと言いますが、「ドン引き」するのが普通の反応だとオジさんは思うぞ。

ただ、構ってちゃんなりに気の迷い(というか、浮気心の芽生え?)が有った様で、LINEで「エロトーク」をする男友達が同棲相手以外に居た様です。その内容を本人曰く、キモチ悪いと述べ自己否定します。

弁護人は被告人の精神的疾患を全力アピールしますが、どうにも犯行動機との関連がわかりません。
精神的に不安定なのは認められますが、どうして放火に繋がるか明らかにしないと有利な情状にはならないと感じます。

【類似事件】
自殺目的で自宅に放火した事件。注:こちらは自殺未遂。
結局、この事件と似た様な判決ではないかと思います。
この事件と比較すれば、周囲への被害は本件の方がやや少ない。
被告人自身の反省は本件は極めて希薄に感じます。

曖昧な表現の答弁に終始して、曖昧なのに明らかに話の辻褄が合いません。先の事件がギリギリな執行猶予判決でしたから、被告人の今の状態では執行猶予を付する理由に乏しいと感じます。正直な感想は、構って欲しくてまた感情的になって火を点けそうです。(あくまで個人の意見です)


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