富増章成「図解でわかる!ニーチェの考え方」
ニーチェの鋭い人間観察に基づく意表を突いた批評が個人的に好きだったので、前からニーチェの哲学を勉強したいと思っていたのだけれども、哲学書というのは難解でなかなか手にとることができなかった。この本は出張の帰りに新幹線の中で読むために買った本。著者はニーチェ哲学をできるだけわかりやすく解説しており、とてもわかりやすかった。ただし、真に理解しているかといわれると自信はない。それだけ平易に言い換えてあっても難しい。
そもそも世界に目的はあるのか?世界に意味はあるのか?自分は何のために生きているのか?に対する答えを導き出すために、そこに価値がないことに耐えられないから、「神(キリスト教)」を人間がねつ造したのではないか?という考え方。とても反感を買う考え方ですねぇ
ただ、「神」なんていないんだ、「真理」なんてないんだと割り切ってしまっては、人間が受動的ニヒリズムに陥り、救いがない。それをどう解決していけばよいのか、というのをニーチェは考えていくのです。