【名言か迷言か】
東大工学部で応用物理を学んだ鳩山由紀夫首相ならではと言っていいだろう。11日に鳩山首相は物質の「ゆらぎ」について語り、さらに、民主主義の「ゆらぎ」についても言及した。まさか、ハイゼンベルク(量子力学の権威)の不確定性原理を政治の世界に応用するつもりなのだろうか。
「物質の本質はゆらぎなんですよね。そういう意味であらゆる、地球も宇宙というものも本質はゆらぎだと思っています。人の心も人間そのものもですね」
ここまでは、鳩山首相の人生哲学なのかもしれないからいいとして、ここから先の発言はアクロバットのように、民主主義の「ゆらぎ」へと飛躍する。
「さらに言えば、民主主義自体もゆらぎだと、ひとつのものにすべてが何か確信的(核心的?)に決まっているということではなくて…。ある意味で民主主義というのは多くの皆さま方の意見というものを聞かせて頂きながら、その思いというものを大事にしていくという過程のなかで、ゆらぎ、まったく人の意見を聞かなければ揺らがないかもしれませんが、いろんな意見と聞きながら、そしてゆらぎのなかで本質を見極めていくというのが宇宙の真理ではないかなと」
「宇宙の真理」という言葉遣いには、「宇宙人」の異名を取る鳩山首相らしい突飛な発想がうかがえるが、多様な意見に耳を傾けながら政策を判断していくというのは、確かに民主主義のあり方として真っ当な考え方だろう。
鳩山首相は政権発足まもない10月19日夜、記者団に首相の役割を「ある意味でのコンダクター(指揮者)的な役割だと思います。皆が一番いい音色を出せるように努力する。一番大事なことは、それぞれの大臣が大臣としての仕事が一番やりやすい環境をつくっていく。それを全体として、ハーモニーがとれるように指揮をしていくこと」として、各閣僚の意見の調和をはかることが首相の役割だとの認識を示した。
さらに3月3日には、「最終的にはコンダクターである私が最大の良い音を出すように努力したいと思っておりますが、かなりハーモニーがとれてきているようになっているのではないか」と自画自賛した。
今の鳩山内閣のどこにハーモニーがあるのか疑問だが、鳩山首相の言いたいことは分かる。閣僚はもちろんのこと、多くの人々がいろいろなことを言う過程の中で、「ゆらぎ」は当然あるだろう。
ただし、ハイゼンベルクの不確定性原理とは違う点がある。政治の世界では、いつまでも揺らいでいるわけにはいかず、最終的にはどこかひとつに決着をつけなければならないという点だ。
米軍普天間飛行場移設問題をはじめ、鳩山首相は多くの政策課題について、いまだに「ゆらぎ」続けている。揺らいでいる期間が長すぎるようだが、大丈夫だろうか。
アインシュタインは、量子力学の確率論的な考え方に対して、「神はサイコロを振らない」と反論した。物理学上の論争はおくとして、政治課題としての普天間問題や外国人参政権付与法案、夫婦別姓…。八方ふさがりになった鳩山首相が、重大な政治判断についてサイコロを振って決めることがないように祈るばかりである。(五嶋清)
◇…先週の永田町語録…◇
(8日)
▽頑張って
鳩山由紀夫首相 良識をお持ちで総裁になられたので、頑張って二大政党政治の中での一翼を担っていただきたい。(党内で批判の声が上がっている自民党の谷垣禎一総裁について記者団に)
▽期待に応える
舛添要一前厚生労働相 ありがたいことだ。期待を裏切らないようにきちんと仕事をして国民の期待に応えたい。(世論調査で首相にもっともふさわしい政治家1位になったことについて記者団に)
(9日)
▽新政権の真骨頂
鳩山由紀夫夫首相 国民と一緒に予算も含め無駄を徹底的に排除しようとするのが、新政権の真骨頂だと国民が期待してくれた。(事業仕分けに関し記者団に)
▽「極道の妻」?
鈴木政二自民党参院国対委員長 昨日(8日)、参院予算委員会で丸川珠代議員は赤の勝負服で堂々たる質問をしていた。誰かが「極道の妻」の映画と同じと言っていた。確かに迫力のある質問で、参院の一人として誇りに思う。(記者会見で)
(10日)
▽孫は支給対象外
鳩山由紀夫首相 現在、ロシアで家族で暮らしており、その間、子ども手当ということに必ずしもならないのではないかと思う。(衆院厚生労働委員会で自身の孫が子ども手当の支給対象になるか質問され)
▽何度も読み返す
石破茂自民党政調会長 (与謝野馨元財務相が寄稿した月刊誌を)まだ2度ぐらいしか読んでいないが、これから何度も読み返す。真摯(しんし)に受け止めなければいけない問題だ。(与謝野氏が執行部の人事刷新を求めたことに関し記者会見で)
(11日)
▽壁を壊すことが必要
鳩山由紀夫首相 省庁間の壁を壊さないと(いけない)。官邸の壁も壊す必要があるんじゃないか。いろいろ壁を壊すことがこれから必要になってくるんじゃないかと思う。(行政刷新会議のあいさつで)
▽赤ちょうちんまで
麻生太郎前首相 対外的に言うのはいかがなものか。会社でも自分の上司の悪口を言うのは赤ちょうちんまでだ。(執行部批判の論文を寄稿した与謝野馨氏を念頭に派閥総会のあいさつで)
(12日)
▽前向きだが…
鳩山由紀夫首相 議員の給料の話であれば、各党各会派できちんと議論する必要がある。前向きにとらえたいが「(資産家の)鳩山はいいよ」みたいな議論も出てくる可能性がある。(国会議員の歳費削減について参院予算委員会で)
▽相手の支持率下げる
川崎二郎自民党国対委員長 昨年の衆院選から一気に回復はあり得ない。われわれ国対の努力は相手の支持率を下げるのが目標だ。(今夏の参院選について記者会見で)
・ 統合医療推進に「混合診療解禁の疑念」-日医(医療介護CBニュース)
・ 単独比例の民主新人、生き残りかけ勉強会(産経新聞)
・ 日本IBM4千億円の申告漏れ、国税が指摘(読売新聞)
・ タイガーマスクのマスクかぶって集団暴走 36人を検挙(産経新聞)
・ 第二京阪、20日に全面開通 名神、国道1号の渋滞解消に期待(産経新聞)
東大工学部で応用物理を学んだ鳩山由紀夫首相ならではと言っていいだろう。11日に鳩山首相は物質の「ゆらぎ」について語り、さらに、民主主義の「ゆらぎ」についても言及した。まさか、ハイゼンベルク(量子力学の権威)の不確定性原理を政治の世界に応用するつもりなのだろうか。
「物質の本質はゆらぎなんですよね。そういう意味であらゆる、地球も宇宙というものも本質はゆらぎだと思っています。人の心も人間そのものもですね」
ここまでは、鳩山首相の人生哲学なのかもしれないからいいとして、ここから先の発言はアクロバットのように、民主主義の「ゆらぎ」へと飛躍する。
「さらに言えば、民主主義自体もゆらぎだと、ひとつのものにすべてが何か確信的(核心的?)に決まっているということではなくて…。ある意味で民主主義というのは多くの皆さま方の意見というものを聞かせて頂きながら、その思いというものを大事にしていくという過程のなかで、ゆらぎ、まったく人の意見を聞かなければ揺らがないかもしれませんが、いろんな意見と聞きながら、そしてゆらぎのなかで本質を見極めていくというのが宇宙の真理ではないかなと」
「宇宙の真理」という言葉遣いには、「宇宙人」の異名を取る鳩山首相らしい突飛な発想がうかがえるが、多様な意見に耳を傾けながら政策を判断していくというのは、確かに民主主義のあり方として真っ当な考え方だろう。
鳩山首相は政権発足まもない10月19日夜、記者団に首相の役割を「ある意味でのコンダクター(指揮者)的な役割だと思います。皆が一番いい音色を出せるように努力する。一番大事なことは、それぞれの大臣が大臣としての仕事が一番やりやすい環境をつくっていく。それを全体として、ハーモニーがとれるように指揮をしていくこと」として、各閣僚の意見の調和をはかることが首相の役割だとの認識を示した。
さらに3月3日には、「最終的にはコンダクターである私が最大の良い音を出すように努力したいと思っておりますが、かなりハーモニーがとれてきているようになっているのではないか」と自画自賛した。
今の鳩山内閣のどこにハーモニーがあるのか疑問だが、鳩山首相の言いたいことは分かる。閣僚はもちろんのこと、多くの人々がいろいろなことを言う過程の中で、「ゆらぎ」は当然あるだろう。
ただし、ハイゼンベルクの不確定性原理とは違う点がある。政治の世界では、いつまでも揺らいでいるわけにはいかず、最終的にはどこかひとつに決着をつけなければならないという点だ。
米軍普天間飛行場移設問題をはじめ、鳩山首相は多くの政策課題について、いまだに「ゆらぎ」続けている。揺らいでいる期間が長すぎるようだが、大丈夫だろうか。
アインシュタインは、量子力学の確率論的な考え方に対して、「神はサイコロを振らない」と反論した。物理学上の論争はおくとして、政治課題としての普天間問題や外国人参政権付与法案、夫婦別姓…。八方ふさがりになった鳩山首相が、重大な政治判断についてサイコロを振って決めることがないように祈るばかりである。(五嶋清)
◇…先週の永田町語録…◇
(8日)
▽頑張って
鳩山由紀夫首相 良識をお持ちで総裁になられたので、頑張って二大政党政治の中での一翼を担っていただきたい。(党内で批判の声が上がっている自民党の谷垣禎一総裁について記者団に)
▽期待に応える
舛添要一前厚生労働相 ありがたいことだ。期待を裏切らないようにきちんと仕事をして国民の期待に応えたい。(世論調査で首相にもっともふさわしい政治家1位になったことについて記者団に)
(9日)
▽新政権の真骨頂
鳩山由紀夫夫首相 国民と一緒に予算も含め無駄を徹底的に排除しようとするのが、新政権の真骨頂だと国民が期待してくれた。(事業仕分けに関し記者団に)
▽「極道の妻」?
鈴木政二自民党参院国対委員長 昨日(8日)、参院予算委員会で丸川珠代議員は赤の勝負服で堂々たる質問をしていた。誰かが「極道の妻」の映画と同じと言っていた。確かに迫力のある質問で、参院の一人として誇りに思う。(記者会見で)
(10日)
▽孫は支給対象外
鳩山由紀夫首相 現在、ロシアで家族で暮らしており、その間、子ども手当ということに必ずしもならないのではないかと思う。(衆院厚生労働委員会で自身の孫が子ども手当の支給対象になるか質問され)
▽何度も読み返す
石破茂自民党政調会長 (与謝野馨元財務相が寄稿した月刊誌を)まだ2度ぐらいしか読んでいないが、これから何度も読み返す。真摯(しんし)に受け止めなければいけない問題だ。(与謝野氏が執行部の人事刷新を求めたことに関し記者会見で)
(11日)
▽壁を壊すことが必要
鳩山由紀夫首相 省庁間の壁を壊さないと(いけない)。官邸の壁も壊す必要があるんじゃないか。いろいろ壁を壊すことがこれから必要になってくるんじゃないかと思う。(行政刷新会議のあいさつで)
▽赤ちょうちんまで
麻生太郎前首相 対外的に言うのはいかがなものか。会社でも自分の上司の悪口を言うのは赤ちょうちんまでだ。(執行部批判の論文を寄稿した与謝野馨氏を念頭に派閥総会のあいさつで)
(12日)
▽前向きだが…
鳩山由紀夫首相 議員の給料の話であれば、各党各会派できちんと議論する必要がある。前向きにとらえたいが「(資産家の)鳩山はいいよ」みたいな議論も出てくる可能性がある。(国会議員の歳費削減について参院予算委員会で)
▽相手の支持率下げる
川崎二郎自民党国対委員長 昨年の衆院選から一気に回復はあり得ない。われわれ国対の努力は相手の支持率を下げるのが目標だ。(今夏の参院選について記者会見で)
・ 統合医療推進に「混合診療解禁の疑念」-日医(医療介護CBニュース)
・ 単独比例の民主新人、生き残りかけ勉強会(産経新聞)
・ 日本IBM4千億円の申告漏れ、国税が指摘(読売新聞)
・ タイガーマスクのマスクかぶって集団暴走 36人を検挙(産経新聞)
・ 第二京阪、20日に全面開通 名神、国道1号の渋滞解消に期待(産経新聞)