おてあげ 第３話

「坊主、今日は大事な日だからけえりな」

「おぉ！」

「オラ、御呼ばれしてるゾ！」

「御呼ばれって、坊主…」

「その格好はナンダ？」

「もぅ…しょうがないなぁ」

「一回だけだゾ？」

「ゴキプリ星人カサカサ～」


「オラ、チンタラやんな」

「あの躍り終わったら、飴玉でもやって帰って貰え」

「ハイ！」

「坊や？」


「ん？」


「おじさん怒られちゃうから、悪いけど帰ってくんねぇかぃ？」


「え～～」

「オラ、ヤギづりで３年もかかったのに～～」


「オイこら！」

「誰の指図で勝手ぬかしとんのや！」


「なんや、いきなり……」


「うちの親父が待ってます」

「早く行ってあげて下さい！」


「ほ～い」


「あっ！」

「も～●●ちゃん、パパが帰る迄待ってなさいって言ったでしょ」

「パパが恋しいだなんて、チチ離れが出来ないんだなぁ～」

「チューしちゃおぅチュー」

「とおちゃん、お酒臭～い」

「ハッハッハ、仲が良いんだね●●●●●君」


「今日のとうちゃんは、オラちょっと恥ずかしい」


「●●●●●君のお父さんは、心配してわざわざ来てくれたのを……」

「我々が無理に引き留めて、お酒に付き合って貰ってたんだ」


「そうだ、●●●●●！」

「酒が飲めなきゃぁ～、オマエのパパは務まりません！」


「後で母ちゃん怒る……」


「それなら、酔いがさめるまでウチでゆっくりしていけば良い」


「ありがとございます」

「ハッハッハ、●●●●●君はシッカリ者だ！」


「じゃ、盛り上がってきたところで！」


「ゴキプリ星人！」


「カサカサ～」


「このオラの母ちゃんが通販で買った、このクリームを買わないと……」


「オラのお尻は、カッサカサになってしまいます～」


「よし、買った！」


「お代は、おらが大人になったらスイス銀行へ……」


「チョコビ１年分でお願いします」

「……って、思ったけど！」

「オラ今日、とうちゃんと約束したんだった！」


「そうかい！」


「うん、とうちゃんが『稼ぎは少ないけど……』」