昨日の雪は
もうすっかり溶けて
あちこちびしょびしょっすけど
雪が降ると
ちびの頃を思い出すっす
はろが小学校に
入ったぐらいの時のことっす
関東地方でも
珍しく大雪が降り
ちびはろはおおはしゃぎっす
お父さんは
会社を経営していたので
明日の業務のことを
あれこれと手配してるっす
窓の外は
どんどん白くなるっす
ちびはろはお母さんに
聞いたっす
『今から雪だるま
作りに行ってもいい?』
夕暮れ時で
風邪気味だったちびはろは
もちろん外に出しては
貰えなかったっす
しんしんと雪は降り続き
お父さんの電話の声を
聞きながら
ちびはろは眠りについたっす
かなり
ぷりぷり怒りながら
翌朝
ちびはろは
お父さんの呼ぶ声で
目が覚めたっす
外を見ると
お父さんと会社のNさんが
ちょうど雪だるまの
頭を体にどしんっと
乗せたとこっす
外に飛び出そうとする
ちびはろに
お父さんが言ったっす
『周りの雪が溶けても
雪だるまは溶けないから
後ではろが自分で
顔をつけろよな』
そばに転がっていた
ピンクのバケツを
雪だるまに被せると
お父さんは
お仕事に行ったっす
はろのお父さんは
去年の春に
天国にいっちゃってるっす
雪が降ると
はろは
ピンクのバケツを被った
雪だるまと
庭で笑うお父さんを
思い出すっす
雪だるまは
ちびはろに
へんてこな顔を付けられたまま
かなり長い間
庭にいたっすよ
(・∀・)ノ゛