しんみりとゲルゴフ東響を聞きに行く。ピアノ安部まりあさんは初鑑賞。

2011年11月13日 21時30分37秒 | 2011年7月24日から11月15日言うよね編
2011年11月13日(日)

15時より新宿文化センターに東響聞いてきました。
指揮はロッセン・ゲルゴフ。
ピアノは安部まりあ。
全席2500円。五割強の入り。

チャイコフスキーのイタリア奇想曲。ピアノ協奏曲第1番。悲愴交響曲。
ゲルゴフは30歳ブルガリア生まれ。ウィーン・フォルクス・オーパーのリゴレットで絶賛されたばかりだそうです。なんとなく分かる。
安部まりあさんは23歳。昨年の東京音楽コンクールの覇者。コンクール先輩に、青木篤子ヴィオラ女史や川井真由美チェロ女史が東響にはいますね。
上野学園で特待生として研鑽中。
二人とも、はつらつとしてました。

安部さんは書こうと思えばたくさん書けますが、適度に。
第三楽章の冒頭リズム感が最高でした。逆に第1楽章の出だしは音が割れて、打鍵に歯切れがなく、やや難儀していましたね。指の回りや、単音系の音色は一流です。あとは強い和音連打にどう取り組むかでしょう。アクセルを掛けるのは解釈だけど、それだとリズムが重くなります。
第三楽章コーダはうまく行ってました。

悲愴は14型。突き刺さる金管が凄かったのは弦が薄いからです。木管も浮き上がってました。(管楽器の音は音色音程とも、サンクトペテルブルグより上でした。音量はホールが違うので判別むり。楽器は絶対日本人のがいい。)

コンマスはニキティン。
なんとなくキュッヒルのようにフライングを微妙に掛けてます。前からですか?一度弾きながら後ろを睨みました。悲愴終楽章、大パウゼあと最高に合わせが難しいところが過ぎたあとの連続パッセージで。音が足りない!という睨みに感じましたが。

ゲルゴフはイタリア奇想曲がシャイーばりに素晴らしかった。アインザッツにきらめきがあった。小泉和裕をさらに凝縮したようなインパクト。リズム感もいい。
ただし14型から深い悲愴をひねり出すことは出来ませんでした。ほとんど聞こえないコントラバスを第1楽章の冒頭と終楽章ラストでやっていましたが、まさに全然聞こえない。わたしはコントラバス六台の真ん前で聞いていたのに。やりすぎです。
第2楽章の中間部、指揮者の実力を測る物差しですが、ここはノーセンスと言わせてください。ダメですあれでは。
指揮術の流派としてはアバドですね。
30歳、年齢相応でしょう。レスピーギ、ローマ三部作などが最も合っていると思います。あとヴェルディもいいかも。

行きは新宿駅からタクシー。帰りは明治通りと靖国通りを歩き、その交差点にある「味のサッポロらーめん」を食べました。

ところで、フルシャが新宿のアマチュアコーラスと12月の頭にここで都響第九演奏会をするそうな。さすが都民のオケですね。