いやあ 我慢忍耐忍従はこの男のために あるのか?と思うぐらい プロスポーツ、しかも「おれがおれが」の最高峰 メジャーの舞台で 栄光を勝ち取った田口壮。
井口資仁はルーキーでいきなり レギュラーとしてホワイトソックスでWシリーズの栄冠を勝ち取ったが 価値感動歓喜は田口の方が数倍誇るべきもの。
思えば オリックスの2億円を振り払って 30歳を過ぎた小柄な体でメジャーの夢を追い駆けた。さらに 飛び込んだ本場のオープン戦で 3割を越える打率を残しながら しかも他の外野陣を上回る評価を得ながら 1軍に残るという契約条項を残した 米国の契約社会に飲み込まれた田口。
2A、3Aと流転の末、ようやくメジャーに這い上がった。這い上がった中でも 代打や代走、守備要員として便利やに使ったラルーサ監督。名将といわれた同監督は人種差別主義者か?と思うぐらいの使い方。
それでも なおかつ 野球の真髄を理解しながら 常に準備怠らない姿勢が花開いた。37歳。
野球年齢では老人の部類。しかも体力は米国人に比較すれば雲泥天地だ。
地区シリーズ、リーグチャンピオンシップなどプレーオフで2打席連続本塁打を放ち、そのうち1本は接戦の9回に勝ち越す貴重なアーチ。4打席4安打4打点。それでも、ラルーサはWシリーズ初戦でスタメン起用しない。
実力社会が「売り」のアメリカではなかったか?
好調なときに起用されなかったら どうなるか?
スポーツを少しでもかじった人間ならわかるが 好調の波は長く続かない。
鳴り物入りでプロ野球に入ってきて 消えていった有能な選手は数え切れない。実力があっても 好調なときにすぐ起用される「運」も必要なのだ。
そんな試練を乗り越えた。それゆえに田口は うれしいだろうし、賞賛に値する栄冠だ。
【NEWS引用】◆ワールドシリーズ第5戦 カージナルス4―2タイガース(27日、セントルイス、ブッシュ・スタジアム) 4勝1敗で24年ぶり10度目の優勝を果たした カージナルスは2回、田口壮外野手の犠打、エクスタインの内野安打などで1点を先制。逆転された直後の4回にはモリーナ、田口の連続安打でつかんだ好機に悪送球などで2点を奪い、3―2と逆転した。7回は内野安打と四球で好機をつかみ、ローレンが詰まりながらも右前打して1点を加えた。 「8番・左翼」で今シリーズ3度目先発の田口は、3打数1安打。内容は犠打、中前打、遊ゴロ、空振り三振。
最優秀選手(MVP)には、打率3割6分4厘をマークしたカージナルスの1番・エクスタインが選ばれた。タイガースは、4回にケーシーの2点本塁打で逆転したものの、この日も守備が乱れ、第3―5戦と3連敗した。カージナルスのラルーサ監督は、監督として1989年アスレチックス(ア・リーグ)以来、17年ぶりの優勝で。ア、ナ両リーグでワールドシリーズを制した史上2人目の監督となった。
田口は今シリーズの通算成績は11打数2安打、打率1割8分2厘だが、プレーオフを通算すると15打数6安打4打点2本塁打、打率4割と活躍。昨季の井口資仁内野手(ホワイトソックス)に続き、ワールドシリーズで優勝した2人目の日本人野手となった。カージナルス・ラルーサ監督「全員が貢献した。守備がよく、投手もよく、適時打も出た。控え選手は長い野球人生の中でも最高の部類に入る。選手たちと素晴らしい時間を共有した。このことは決して忘れない」
カージナルス・田口壮外野手「これが現実であることが信じられない。みんなのエネルギーを合わせたからこういう結果になった」
第1打席 2回 三前犠打
第2打席 4回 中前打
第3打席 6回 遊ゴロ
第4打席 8回 空振り三振
◆セントルイス・カージナルス 1892年、ナ・リーグに加盟。ワールドシリーズ優勝回数10度はヤンキースの26度に次いで2位。今回が2年ぶり17度目のリーグ制覇。「ザ・マン」と呼ばれた首位打者7度のミュージアル、盗塁王ブロック、本塁打王マグワイア、名遊撃手スミスら多くのスター選手が在籍した。田口壮外野手は2002年に入団。本拠地は06年新築のブッシュ・スタジアム。