じりおんらいん Eco

Song of Earth 地球に愛だよ。
ざっくり徒然かなり不定期便です。

コロナウイルス

2020-04-07 13:48:59 | ささやき
 そもそもたいして興味の湧かないオリンピックは遥か彼方に追いやられ、今や地球規模で渦中となった新型コロナウイルス。とうとう緊急事態宣言にまで及びましたが、個人的には平時を貫いてます。マスクは相変わらず手元にありません。マスクした人とすれ違ったら「あ、コンビニ強盗」と思うことにしています。特に黒。

 感染者の内『30代以下の若者が4割』の見出しが躍る。裏を返せば40代以上が6割。若者が広めている云々言っている場合ではないと思う。すべての世代の『不要不急の外出』を抑え込むべく対策はトラやライオン放し飼いするくらいしないと難しい。

 事後、やはり映画化決定間違いなし。『疫病戦隊コロナイジャー』とかどうですか? ワニよりアクション多めです。







Meow!

2017-07-20 10:53:53 | ささやき
How many kittens are there?



Another viewpoint




手塚治虫漫画全集のブログ 聖なる広場の物語

2013-08-08 09:42:22 | 手塚治虫
聖なる広場の物語 "SACRED PLAZA"

昭和52年1月 月刊少年マガジン掲載
メタモルフォーゼ・シリーズ METAMORPHOSIS


とおくのお山の 森の中
たかい たかい 木があった
森は狩猟場 銃の音
その木に小鳥が逃げ込んだ
小鳥がいっぱい 巣もいっぱい
いつのころやら知らないが そこに
大きなツメとクチバシの
乱暴者がすみついた
それも二羽まで すみついた



This is a tragedy in which the world is contaminated by nuclear waste and birds are transformed into monsters.

Metamorphosis has been a dream held by mankind since time immemorial. Ancient Greek myths, as well as legends and religious rites among various races in the world mention the phenomena of incernation and transformation. Osamu Tezuka has produced this series by taking up each episode individually with "transformation" as the central theme.(Written in 1976 "METAMORPHOSIS")


 震災のツメ跡はいまだ費えていません。昨今発覚した放射能に汚染された地下水が海へ漏れ出たまま止めるすべがないなど周知の通りだと思います。海の生物にすればそんな危険が身に迫っているなんて知るはずもなく、いずれ、この短編に描かれたような騒動が海の中でも起こるかもしれません。もしも原発がなかったら問題がなかったのか。それは分かりません。なぜなら人がより豊かな暮らしを望む限りその裏には必ず犠牲があると歴史が証明するからです。


ゴーズは大きなつよい鳥 たよりになれるつよい鳥
けれど正義の味方でも 信じきれない者もいた



 怪鳥ゴーズたちが暮らすその大木の一角にはたくさんの小鳥たちもまた共に暮らし巣をつくりヒナを育てていた。そしてその西側の枝々にはガバ・ガバという怪鳥を頭に頂く鳥たちの集団があった。しかしゴーズとガバ・ガバはいつも己の勇壮にして怪奇に変化する姿を競っては小鳥たちの不安をあおっているのだった。

 ついにゴーズが四本の手足を獲得した頃、一羽のヒワが卵を食われ続けては仕方がないと勇気を振り絞り"聖なる広場"に向けて飛び立つ。ゴーズらが変身する秘密を自分もまた身につけ彼らに対抗するためだったのだが、やがてたどり着いた彼の地は人間が捨て置いた文明の副産物だった。


片足がもげて 羽もきれ
みじめな姿のそのヒワが
あの人間のすてさった
毒のゴミとのかかわりがある勇敢な
ヒワだとは だれも知らないことでした



 十姉妹や文鳥もヒワの仲間だそうで、それらを総じてヒワと呼ぶのだとか。ちなみに漢字では「鶸」。強者と弱者の両極を描く上でこれ以上ないベストな選択だったと思います。そしてまた、どんな場面にも困難を打ち破る可能性はゼロではないというメッセージが色濃く反映された一編でもありました。

手塚治虫漫画全集のブログ ザムザ復活

2013-08-07 09:59:16 | 手塚治虫
ザムザ復活 "RESURRECTION OF ZAMZA"

昭和51年5月 月刊少年マガジン掲載
メタモルフォーゼ・シリーズ METAMORPHOSIS


 くろ~いあくまのぉー♪ いーんぼおっが~♪
 きょーふのちきゅうにぃ~♪ ぬりーかえるぅ♪
 こっこ~ろをわすれた~♪ か・が・くにわ~♪
 しあーわせもとめるぅ♪ ゆっめーがなっいー♪
 ミクロ! ミクロッ! ミクロォー!!

 虫といえば、なにはさておき口ずさんじゃいます♪

 さて今回のお題はザムザの名前が踊るとおり、フランツ・カフカの中編小説『変身』から舞台を遺伝子操作で人を4つ足動物に変えてしまうだけにとどまらず、果ては昆虫にも変えることが可能となった未来に移しての物語。どこかで火の鳥のエピソードにもつながりそうなテーマだが、作者・手塚治虫のライフワークを支えた発想の根源について今一度考えてみたくなる作品でもあります。


Practically all animals are annihilated because of the carnage carried out by man. In the place of the extinct animals, an organ'comes into being which is aimed at trasforming human beings into animals and exile them into the wilderness. But not all human beings are turned into animals. Only criminals and stateless persons are subject to this transformation.

Metamorphosis has been a dream held by mankind since time immemorial. Ancient Greek myths, as well as legends and religious rites among various races in the world mention the phenomena of incernation and transformation. Osamu Tezuka has produced this series by taking up each episode individually with "transformation" as the central theme.(Written in 1976 "METAMORPHOSIS")


 20××年、トウ・モロー・メタモルフォーゼ・センターでは日ごと囚人を受け入れ肉体改造を施し、動物の姿となった彼らを自然保護地区に開放するという役割を担っていた。そこで働く青年・ザムザは囚人として連れてこられたエレーナに恋をしてしまうが想いもむなしくエレーナはライオンへと変えられてしまう。

 ライオンとなったエレーナと密かに落ち合う暮らしを続けるザムザだがついにその行動が所長の耳に届き、エレーナは殺され彼は芋虫のような昆虫に変えられてしまう。虫となったザムザの意識から次第に理性は消えていき、ただひたすら食べて眠るような本能のままに生きるザムザ。そんなある日、あることをきっかけに彼自身の姿をも変えてしまう意識の復活が起こる。

手塚治虫漫画全集のブログ べんけいと牛若

2013-08-06 10:28:16 | 手塚治虫
べんけいと牛若 "BENKEI AND USHIWAKA"

昭和51年6月 月刊少年マガジン掲載
メタモルフォーゼ・シリーズ METAMORPHOSIS


 アイスと一緒に入ってみてたり、パンを敷いて横になったり。そんな些細なことでと思ったら感情そのまま人を殺したり。喜怒哀楽を共有するための手段が便利になればなるほど起こりえたことだったのだろうか。叱りつければ虐待や体罰だと主張する世代だからとみる方面もあるようですが、何はともあれ、たまには裸の付き合いも。


 中学へ通う凸 卍(でこ まんじ)はそのイカメシイ、山のような風貌から「べんけい」というあだ名で呼ばれていた。でも実は相当な草食男児。一方、思春期真っ盛りで最近股間のナニの長さが他人より短いのではと気に病んでいるのは三年A組の牛若君。ささいなことで二人は衝突するもやがて打ち解けあうが、そこへ怪訝な表情を浮かべる美少女を乗せた黒塗りの車が走り抜けていった。もちろん牛若にすれば少女のほうが気になってしょうがないのだが、2人が車の行方を追うとそこには廃屋の奥で助けを待つ少女の姿があった。べんけいと牛若は協力して救出作戦を決行するのだが・・・。


This is the story of the anxiety and trials of two boys on the verge of adulthood. The kidnapnig of a girl also complicates the plot of the story.

Metamorphosis has been a dream held by mankind since time immemorial. Ancient Greek myths, as well as legends and religious rites among various races in the world mention the phenomena of incernation and transformation. Osamu Tezuka has produced this series by taking up each episode individually with "transformation" as the central theme.(Written in 1976 "METAMORPHOSIS")


 今回は子供から大人への心の変化を"変身"として捉えた短編です。特にべんけいに焦点が当てられたストーリーになりますが、はてさて、自分にもそんな時間が存在したのかと言われれば・・・う~ん・・・あまり覚えてないや。でも確実に誰でもその時間はあったんだよね。漠然と懐かしくもあり登場人物のありようにうらやましくもあり。

手塚治虫漫画全集のブログ 大将軍 森へ行く

2013-08-04 10:16:47 | 手塚治虫
大将軍 森へ行く "THE GREAT GENARAL GOES INTO THE JUNGLE"

昭和51年8月 月刊少年マガジン掲載
メタモルフォーゼ・シリーズ METAMORPHOSIS


 南方軍総司令部の名将・雨月大将はベトナム上空で敵機に撃墜され眼下に広がるジャングルへと墜落した。一人奇跡的に生きながらえた雨月大将がジャングルをさまよっているうちに若い男女2人だけが暮らす小さな村へとたどり着く。

 無垢で純真な若者ブルウとニヤンが恋仲だと知った雨月大将は彼らの結婚式を挙げてやろうと思い立ち仲人を引き受けることに。しかし村のある土地に作戦本部を設営しようとやって来た一隊に発見された雨月大将は、年老いた木が化けて出て人の精気を吸い取っていくというウギ・グリの伝説を知る。


In the midst of World WarⅡ, a Japanese general strays into a jungle and there meets the spirits of two trees in an uninhabited village. The general, who tries to save the village and the trees, is killed as a traitor.

Metamorphosis has been a dream held by mankind since time immemorial. Ancient Greek myths, as well as legends and religious rites among various races in the world mention the phenomena of incernation and transformation. Osamu Tezuka has produced this series by taking up each episode individually with "transformation" as the central theme.(Written in 1976 "METAMORPHOSIS")


 FAXがまだない時代に書いたこの短編はアメリカ旅行中に書いたものだそうです。宿泊先で完成させた原稿は航空便で日本の出版社に届けられ、それを受け取った編集は2ページ多すぎる原稿にてんやわんやの大騒ぎだったとか。現代となってはそのFAXはもはや時代遅れの産物になりノートパソコン、タブレットPCの出番で、紙をわざわざ航空便でやとりするなんて、ちょっと考えられませんよね。

 ブルウとニヤンは精霊がメタモルフォーゼした存在として描かれ、かの地で軍人だった雨月大将はやがて2人の"おとうさん"に変わる。そんなドラマに戦争が表社会から隠そうとするミステリアスな真実を絡まる。これもまた手塚治虫の世界が凝縮された素晴らしい一編であることは言うまでもないのでないでしょうか。

手塚治虫漫画全集のブログ ウオビット

2013-08-04 02:22:51 | 手塚治虫
ウオビット "WOOBIT"

昭和51年10月~11月 月刊少年マガジン掲載
メタモルフォーゼ・シリーズ METAMORPHOSIS


 手塚治虫といえば『バンパイヤ』があります。'66年(昭和41年)から週刊少年サンデーで始まり、第2部は未完となるも集英社から。これの影響で吸血鬼=コウモリの流れを知らない子供の頃はバンパイア=吸血鬼=犬と思い込んでました。そしてバンパイヤに続き犬顔のキャラクターが登場する『きりひと讃歌』。こちらはより現実的な病気としての人狼が世界中を駆け巡る社会派サスペンス。個人的には手塚治虫作品で五指に数える名作です。


 ウオビットは狼男(ウェアウルフ=人狼)の話。主人公は例に漏れずというべきかロックベルト・トランシルバート男爵(ロック)。


There is an exorcist who has silver bullets in his gun chasing after a werewolf in an effort to exterminate it. The exorcist is actually one among many over whom the werewolf had cast an evil spell. The Devil, in an effort to prolong the power of the werewolf to cast an evil spell, switches this power over to a rabbit.

Metamorphosis has been a dream held by mankind since time immemorial. Ancient Greek myths, as well as legends and religious rites among various races in the world mention the phenomena of incernation and transformation. Osamu Tezuka has produced this series by taking up each episode individually with "transformation" as the central theme.(Written in 1976 "METAMORPHOSIS")


 森に囲まれた僻地の村を訪れたロックは村で多発している人食い狼の正体がウェアウルフのものだと見抜いていた。しかし宿を襲ったウェアウルフを倒したが異変は収まらなかったばかりか事態は凶悪の一途を辿る。その一方で解決を急ぐロック自身にも重大な秘密が・・・。


 ちょいと関係ないですが日本の森林に暮らす肉食の野生生物が少なくなっているので海外から連れてきたオオカミを放ってみようという声もあるようです。たしかに鹿ほどの大きさになると対するは熊ぐらい、というか熊しかいないんだよね。鹿に言わせればけしからん話・・・なんちって。

手塚治虫漫画全集のブログ すべていつわりの家

2013-08-01 18:45:03 | 手塚治虫
すべていつわりの家 "A FAMILY OF THE FAKES"

昭和51年9月 月刊少年マガジン掲載
メタモルフォーゼ・シリーズ METAMORPHOSIS


 父親との貧乏暮らしを送る六文が目覚めると何だかあたりの様子が違っていた。そして台所では瑠玖羽と名乗る少女が朝食をこしらえている。わけのわからにまま茶の間に向かうとこんどはそこに、かかしのブブがいて・・・じゃなくて・・・まぁ、そのまんまなんですけどね。というわけで天使だって登場するこちらの主人公は久。


 地上が解けていく。そんな悪夢に夜な夜な悩まされている久はある日家へ訪れた親戚の美少女・ドラコに誘われるまま街へと繰り出した。両親いわくブッチョカッバチョカ熱と言う感染病がはやっているとかで出かけることを禁じられていたがドラコの執拗な誘いを断りきれなかったのだった。出かけた先で久の目にした世界はいつもと変わらぬ記憶通りの町なみだったが果たしてそこを行きかう人々の様子がちょっと変。

 久の外出を知った悪魔たちは一大事とばかりにサターンを筆頭に話し合いを始めていた。ありのままを久に伝えるべきか否か。


The end of the world comes and only a young boy is living on the earth. God forsakes the boy and the Devil takes over the job of raising up the boy as his foster father.

Metamorphosis has been a dream held by mankind since time immemorial. Ancient Greek myths, as well as legends and religious rites among various races in the world mention the phenomena of incernation and transformation. Osamu Tezuka has produced this series by taking up each episode individually with "transformation" as the central theme.(Written in 1976 "METAMORPHOSIS")


 世紀末を越えてその向こう側で起こったかもしれない物語。一人ぼっちもここまでいくと羨ましいとさえ思えちゃいます。そういえば現実の話ではここ最近富士山の噴火が何かと危ぶまれて話題に上りますが震災を乗り切れていない現状で噴火なんか起こったら一体全体どうなっちゃうんでしょうね、日本は。

 ところで、あさりよしとおの『るくるく』は萌え要素「るく」が存在しますがこっちは吸血鬼娘ドラコが・・・います。『カールビンソン』面白かったなぁ。

手塚治虫漫画全集のブログ おけさのひょう六

2013-07-27 11:13:46 | 手塚治虫
おけさのひょう六 "OKESA NO HYOROKU"

昭和49年4月 週刊少年マガジン掲載
メタモルフォーゼ・シリーズ METAMORPHOSIS


てんてん てけてん てん てけてん
すけてん てれつく てれつくつ

ある雪の晩、ひょう六の家のえんの下で老いさらばえた
ネコが笠をかぶって死んどったそうな

ネコのおどりはそのまま「佐渡おけさ」ちゅうて
今につたわっとると・・・どっとはらい

てんてん すけてん すけてん てれつく
てんてん てれつく
すけてんてん



This is an ancient Japanese tale concerning Hyoroku, a farmer who had his eyes gouged out by a cruel lord because he had dared to dance the Okesa, a fork dance of Japan. Hyoroku's pet cat changes itself into the lover of the blind farmer and consoles him while continuing to dance the Okesa.

Metamorphosis has been a dream held by mankind since time immemorial. Ancient Greek myths, as well as legends and religious rites among various races in the world mention the phenomena of incernation and transformation. Osamu Tezuka has produced this series by taking up each episode individually with "transformation" as the central theme.(Written in 1976 "METAMORPHOSIS")


 変身願望があるからアニメーションにこだわり、その気持ちはいつか論文にまとめたいくらいだ。そう言いきるメタモルフォーゼ・シリーズ中にあって、なおかつ手塚治虫が世に残した短編の中でも相当な女性ファンがいるだろう作品ではないでしょうか。他のメタモルフォーゼシリーズと比べ視覚的な"変態"の過程があいまいで、スピリチュアル的精神的な変身をなぞる物語として書き込まれています。遊女"おけさ"がみせる愛情へと移り変わっていく過程と愛猫"チリ"がみせる不変の絆。そして不変の絆もまた時の移り変わりと共に廃れるが、それはやがて伝承となり姿を変えて語り継がれる。


 佐渡に暮らすひょう六は朝から晩まで畑仕事もほどほどにアゼで踊りを踊って過ごしていた。しかしそんな踊りがいつしか人々の噂になり、やがて殿さまの耳にも入る。しかし、その踊りが殿中を面白おかしく揶揄しているととられるや、たちまちお役人がひょう六の元へと駆けつけ切り捨てられてしまう。刀傷で両目を失い悲嘆にくれるひょう六だったが、その彼の頬にそっと触れ慰める手があった。一方世間では笠をかぶり踊りあかす不思議な猫がいると噂になっているなど、ひょう六は知る由もなかった。


雨が降っても てんてけてん
風が吹いても すってけてん
あつけりゃあついで てんすけてん
さむけりゃよけいに てれつくつ

続けるのか

2013-07-15 14:01:28 | 手塚治虫
 ライオンブックスタイガーブックス共に収録されていた短編はここまでです。でもやっぱり飽きないんだよね。

手塚治虫漫画全集のブログ 複眼魔人

2013-07-15 13:59:15 | 手塚治虫
"Multiple-Eyed Devil"【ライオンブックス⑦】
昭和32年 おもしろブック付録より


 ライオンブックス収録の短編はこれで最後です。今回は中学生3人組と不思議な超能力を身につけた少年・アー坊が友情を通じて社会を救う? 敵は特高だったり代議士だったりと、そこは手塚マンガの真骨頂。中学3人組の一人は佐々木小二郎君はやっぱり剣道の名手なわけで・・・。


The year is 1945. The stage is Tokyo. The boy Abo injures his eye in a U.S. airraid and an artificial cornea is implanted in the injured eye. It was a secretly developed cornea and any one who had it implanted was able to discern true from fales. Abo is utilized by the Japanese military intelligence and makes great contributions. After the war, Abo is utilized underworld bosses and he becomes a man who cannot believe in the human beings. Abo, in order to retalizate against society, calls himself the "Multi-Eyed Devil" and works many evils. But three of his former classmates succeed in making Abo repent and Abo decides to use his power for the sake of society. (Work of 1957)


 昭和20年。東京大空襲の最中、幼い子供をかばいながら逃げ惑う父親の姿があった。しかしか爆風ではじき飛んだ破片が子供の目に当たり負傷してしまう。近くに崩れかけた病院を見つけた父親はそこで瀕死の重傷を負った老医師に出会い、彼の最後となった治療によって子供の目は再び光を取り戻すのだった。そしてまた、蘇った子供の目は人の虚言を見抜く不思議な力を宿していた。

 やがてその不思議な力に気づいた軍は奇跡の眼力を宿したアー坊をスパイ狩りに利用するも終戦を迎え証拠隠滅とばかりにアー坊を殺そうと企むが、混乱の最中、アー坊はただ一人いずこかへ逃げ延びるのだった。

 そして10年後、足柄山の山中へハイキングでやってきた中学生3人組はそこで野生児のように暮らすアー坊と出会い、彼を拾い育てた"おばあ"の願いもあって東京へと戻っていく。しかし、アー坊の目は戦後も変わらぬ人々のエゴを見抜き続け、そんな社会のありように辟易した彼は複眼魔人を名乗り世間を混乱させることとなってしまうのだった。



 戦争・言論統制への批判を込めつつ綴られていくこの物語は『複眼魔人』なんてタイトルだから怪人二十面相ばりのミステリー風にとられそうですが、一筋縄ではいかない複雑な人間模様が絡み合って終焉を迎えるというドラマ性を持ち合わせていて、後々に発表される傑作『アドルフに告ぐ』にも似たドラマを展開します。

 

手塚治虫漫画全集のブログ 狂った国境

2013-07-15 12:13:12 | 手塚治虫
"The Crazy Border"【ライオンブックス⑦】
昭和32年 おもしろブック付録より


 ジャイアントロボが背負ってるような、以前にも見たことのある機材をもってるなと思ったら『恐怖山脈』の龍太君が再登場してました。今回も地質調査で、彼が国連から派遣されてやってきたのは南極。

 そこではレッドベアとブルジョイという2つの国がせめぎ合い、龍太の訪れたレッドベア国は隣国への越境を厳しく制限していました。

 しかしそれでも過酷を極めた南極での暮らしに絶望し国境を越えようとする人々は後を立たず、ロゴス隊長率いる国境警備隊の銃声もまた絶えることはありませんでした。一方、地質調査を続ける龍太は奇妙な異変に気づきます。隣国ブルジョイとの国境に存在する巨大な氷壁が
日ごと動いているというのだ。

 怪現象の謎を探る龍太はやがて、それがレッドベア国の存亡を左右する天変地異につながることを知り、人々を率いて警備隊の待つ国境へやってくるのだった。


Two new countries, Red Bear and Blue Joy were established on the Antarctic Continent. The border between the two states was filled with exiles who were being the targets of Red Bear soldiers under the comman of Capt.Logos. Ryuta arrives from Japan and discovers that the two countries, in fact, are upon gigantic icebergs. He urges the people to flee elsewhere but Capt.Logos picks off all who try to flee. Ryuta urges Logos to let the people alone Struct by Ryuta's courage, he complies. (Work of 1957)


 実際の話、南極の平均気温は年間通じて氷点下、観測史上最高気温は8℃という猛暑? もあったそうですがやはり人が住むにはそれなりの努力と根性が必要なようです。そういえば前回日本の観測船も砕氷がうまくいかず上陸を諦めたなんて事実の通り、まず行き着けるかどうかというところから問題も。そして意外なことに降水量は少なく砂漠があるくらい。そんなことを考えるとやっぱりいるよ、アレが。ヒカリクジラとかさ。

手塚治虫漫画全集のブログ くろい宇宙線

2013-07-13 18:41:35 | 手塚治虫
"The Black Space Ray"【ライオンブックス⑦】
昭和31年 おもしろブック付録より


 突然ですが惑星探査船ボイジャー1号と2号の近況レポート


Distance from the Sun 太陽からの距離
Voyager1 18,609,000,000 Km(11,563,000,000 Mi)
Voyager2 15,231,000,000 Km( 9,464,000,000 Mi)

Distance from the Earth 地球からの距離
Voyager1 18,485,000,000 Km(11,486,000,000 Mi)
Voyager2 15,136,000,000 Km( 9,405,000,000 Mi)


 NASAによると来年くらいには太陽系と外宇宙の境い目にあたるヘリオポーズをボイジャー1号が超えると予想していますが、ヘリオポーズというのは太陽からの放射線(太陽風)と外から来る宇宙線(宇宙空間を飛び交う高エネルギー放射線)や星間物質(水だったり一酸化炭素だったり、二酸化炭素やメタンの氷だったり・・・)が完全に混ざり合う境界面なのだそうです。

 うんちくですがボイジャーは『地球の音 The sounds of Earth』という金属製レコードを積んでおり日本の"音"として『鶴の巣篭もり(奏者: 山口五郎)』を収録。一方、2003年壮大な行方不明を成し遂げたパイオニア10号は太陽系と素っ裸の男女を描いた金属プレートを載せてます。

A series of murders occur in the heart of a town and each time a mysterious man in black suit is found litering near the scenes of the killings. Futaro, whose uncle is Prof. Unazuki, an expert on radial rays, sees the man in black and is involved in the crimes. The criminal is Prof. Dorian Gray, a friend of Prof. Unazuki, who had discovered a radial ray which could change the energy of life freely, while he was in exile on mars. Futaro catches us with the criminal and Prof. Dorian Gray is killed by a light ray shot by Futaro. (Work of 1956)


 科学文明が進んでくるとそういう不合理な死の不安もますますしてくるんじゃないでしょうか? そんな切り口で攻め入る本作の舞台は通りの道もエスカレーターになり、そして火星の開拓が始まったばかりの未来。

 捜査第二課下田(げた)警部は突如としてポックリ死に襲われる『黒い宇宙線事件』を追っていた。その背後に謎の怪人がつきまとうところまで突き止めたものの、真相はなかなかつかめずにいた。

 一方、宇奈月博士とその甥・ボン太郎は、火星で30年の服役を果たした宇奈月博士の旧友・ドリアン博士と出会い、彼がM87星雲から届く宇宙線を服役の傍ら研究していたことを知る。そして宇奈月博士は気づく。かつてドリアンと共に共同研究し闇に葬ろうとしたその成果が今、目前にいるドリアンの知識欲を駆り立てているのだと。

 それから間もなくして追い詰められる怪人。ボン太郎や下田警部らが目にしたのは人の生気を吸い取る異形の生命体だった。



 これ、今読み返して真っ先に思い浮かぶのが映画『アメージング・スパイダーマン』、そして同じく映画の『スペース・ヴァンパイア』。それぞれ博士が変身する要素と、宇宙から帰還して変身するっていうシチュエーションから。でも生気を吸うとかいうのであれば後者が近いか
・・・博士が女だったらよかったぁ・・・。


手塚治虫漫画全集のブログ 恐怖山脈

2013-07-13 18:39:49 | 手塚治虫
"Earthquake Predicting Old Lady"【ライオンブックス⑦】
昭和32年 おもしろブック付録より


 集英社の担当さんから「SFを書いてください」、そう言われて始まったのがライオンブックス一連の短編なのだそうです。作者本人としては「世間にはまだ早すぎる?」と疑いつつも、ここに書き連ねた短編は後々お気に入りのものとなったようです。

 この恐怖山脈は地震と人々のかかわりを描きます。予知さえできれば人々は救えたのか。しかしそこにもまた人のエゴが影を落とし、暮らしを豊かにするであろう文明の進化は人類の終焉を招いてしまう可能性もまた秘めているのではなかろうか。戦後まもなくして手塚治虫が「早すぎる」として描いた世界は今まさに実現しようとしているのかもしれません。

 それは、そう、震災と原発事故が脳裏をかすめるように。


Ryuta's return to his native place in the mountain and tells the inhabitants of the horrorsearthquakes. It was predicted by the Earthquake Research Institute that an earthquake would occur in the near future in the village. Ryuta enters mountains every day to search for date on earthquakes but hte village elders do not cooperate with him saying that Ryuta was violating the mountains. There was a strange old woman in the village whoes predictions of earthquakes were always correct. This woman, too, was very uncooperative. But one day, Ryuta saves the old woman when she became lost in the mountains. Since the, the village and the old lady become cooperative and finally Ryuta is given the secrets to the old woman's earthquake predictions. (Work of 1957)


 東京で地質学を学んだ龍太は故郷の村へ凱旋を果たした。しかしそこに待ち受けていたのは懐かしい顔ぶればかりではなく、不穏な空気を漂わせる黒服の男たちの姿もあった。一方、地震観測という目的もあった龍太は村で地震を予知できるという占い師・お千ばあさんを訪ねるもかたくなに口を開こうとしなかった。

 やがて、ある事件をきっかけに予知の謎を解き明かした龍太だったが、既にその謎の正体を突きとめていた黒服の男たちが龍太の前に立ちふさがるのだった。



ひとまずそろった?

2013-07-13 14:23:18 | 手塚治虫
 4年もかかっちゃいましたがタイガーブックスシリーズに収録された短編はこれで全部だと思うんだ。ライオンブックスはまだ1巻残ってるけど。