ハチの家文学館

ハチの家写真館(http://hachinoie.exblog.jp/)の文芸版

古ノートの詩 6

2015年03月09日 05時00分00秒 | 

得ることよりも                                                                                           失うことの方が大きかった                                                                                    僕の青春

浪費と焦燥

           S49年

***********

暑い夏がやって来た                                                                                         情熱的な炎の夏

浜辺の砂は 焼けるように熱い                                                                               太陽が肌を焦がすあいだは                                                                                    死にものぐるいの夏だ

        S49年8月 30才

***********

すべてが狂っているとしか思えない                                                                               そのすべてが何であるかは                                                                                  自分のみが知る苦境の悶えである

苦しみにあえいだ挙句に                                                                                   動物的本能をムキ出しにして                                                                               我を忘れ正に自暴自棄的存在であった                                                                             悪夢であった                                                                         

おみくじに凶と出た                                                                                            いま何かが起こっている 何かが・・・                                                                           それを私は知りたいと思っている 少しでも早く・・・

私の体はもしかしたら不治の病に侵されていて                                                                   (心の病気かもしれないが・・・)                                                                                死期が近づいていることを示唆しているのではと真剣に考える

私は鈴子に最後までウソをついてしまった                                                                       ウソは嫌いだ 真実が欲しい                                                                                        

ガンならガンで「お前の命はあと1ヶ月だよ」 と                                                                    教えてもらった方が どんなに幸せかありゃしないと思う

そしたら私は身の回りをきちんと片づけて                                                                          「私はもう死ぬんだよ」と言わないで                                                                          ただ時間の許す限り 愛する子供たちに対する                                                                   精一杯のことばをこの世に残して行きたいと思う

彼らはほかの誰よりも強く正しく生きてゆくだろう

                      S49年5月 29才

 

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿