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美奈子さんのこと

2011年06月03日 10時16分00秒 | 日記
昔、お寺の小僧だった頃、同僚と言っていいのか・・・
お寺の御用を手伝って下さるご婦人で
美奈子さんという方がいらっしゃいました。
戦後まもなく東京女子大を卒業後、京都大学哲学科で美学を
選択されたインテリゲンチャです。
お母さんの夏子さんもよくお寺に遊びに来られました。
御二方ともスリムな方で、夏でも涼しそうな顔しながら
「あつぅてかなんなぁ~」と微笑んでおられました。
美奈子さんとは、よく色々と討論をしたり
知識を与えていただいたり実に楽しかったです。
今はお二人とも往生なさいましたが美奈子さんには父、
夏子さんには夫である
井上永悠氏の信奉者でもありました。
竹内栖鳳、村上華岳、小野竹喬といった蒼々たる面々から
指導を受け、高い評価を受けながらも
自分の美学に反するものは師の作品でも酷評するという
偏屈さ、さらに画商嫌いで有名だったために
ほとんど世に知られなかった方です。

日本画に収まらず西洋技法も取り入れた精密な画法で
とりわけ、鹿ヶ谷南瓜の静物画は圧巻、
美専の先生方からも「南瓜の永悠」と異名を取るほどだったそうです。

国立近代美術館で綿羊の墨絵をみましたが
超巨大な絵ですごい迫力でした。

今、僕がこんなブログを書いているのを見たら
「ゴンさん、貴方ね、文章は紙に書く物よ!」と
ぼやくだろうなあ。

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いくらだって ()
2011-06-03 18:16:08
世の中には知られていない名人・達人が居ますね。
そういう人を発見する喜びというモノがります。

些細な事で良いので…死後100年くらい経ってから、縁もゆかりも無い人に、何かをきっかけとして「こんな人も居たんだ」と思って欲しいなどと…詮無き事を考えます(^_^;
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知られていても (権愚)
2011-06-03 22:03:07
この間の神崎紫峰さんについて友達に話したら
「ああ、作品見たことあるわ。けっこうええで。」
と言ってましたが、実際に作品を削っているところを
見たり、その方のとんでもない生き方を聞いたりすると
価値がさらにさらに変わっていくはずです。
井上永悠さんも、美の追究のために家族は苦労して
いたようですが、娘さんに「食べることは、贅沢しても
決められただけしか身につかないけど知識、教養は得た分だけ全て身につくんだよ」と教えておられたそうです。
夏に収穫した鹿ヶ谷南瓜を翌年の3月に朽ち果てて
しまうまで毎日、同じ場所に置いたまま
観察をしておられたようです。
僕のような目の安い人間は、その人の生き様を聞くことで
やっと気付かせていただけるものが沢山あります。
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Unknown ()
2011-06-04 07:14:35
「食べることは、贅沢しても決められただけしか身につかないけど知識、教養は得た分だけ全て身につくんだよ」

うん!うん!
全くその通りで素晴らしい教えだと思うですが・・・それはそれとして、体に起こる事は心にも起こるので・・・食べ過ぎで肥満が起こるように・・知識の詰め込みすぎは心を肥満にする・・そしてそれに関連して・・体に起こる同じ事が心にやっぱり引き続き起こるのだと・・チョットそういう事は一面の問題としては考えるのですけどね\(~o~)/

私の感じでは時々「病的な屁理屈」を振り回す人が・・心の血糖値が上がっている人だと思います(^_-)-☆
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それは無理がある (権愚)
2011-06-04 08:46:37
井上美奈子氏はi君も知るように入山当時のi君が
太く見えるほど細い人でしたから。
彼女は独身で晩年、癌に冒され特養に入って・・・
食べ物が喉を通らなくなってもすごく元気でしたが
物忘れが始まってから休息に身体に異変が生じ
二ヶ月足らずでした。
知識が栄養という感じがしました。
僕の場合、本を読んだり考えてる間は
貪欲がそちらに向きますので、幾分食物への貪欲が
抑えられます。
少欲知足に心懸ければよいのですが・・・
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タケモの楽描き ( タケモ(yahooブログ) )
2011-12-21 22:02:11
はじめてコメントします。京都に住む者です。井上美奈子さんの弟さんとときどき会って 永悠さんの絵のこと話しています。
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タケモの楽描きさん (権愚)
2012-01-19 08:01:21
檀家さんの家に水仙の絵があるんですが
単純な線なのに恐ろしく張り詰めた空気が漂っています。
どれほど神経を削って描かれたのかと感じます。
また美術館で見た緬羊の絵はとんでもない迫力でした。
どの絵も驚くほどの存在感を持っていて
まさしく写実の魅力だと思っています。
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懐かしい (抹茶)
2014-11-21 08:00:39
井上永悠さん、祖父です。 小さい頃遠く離れた岩手から母と京都へ行ったものです。
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伺います (加藤T)
2015-11-28 14:40:36
 埼玉北部に居住する加藤と申します。今、京都のSUREという出版社で出している『鶴見俊輔「思想の科学」私史』を読んでいます。その中で取り上げられている「茅辺かのう」という女性についての文章の中で、鶴見俊輔が「父親は、バベルの塔を思わせる巨大なカボチャも描いていた。これは手元において時々手を入れていた。別のカボチャの絵は京都近代美術館に収蔵され、展示室で見たことがある。」と書いていて、このカボチャの絵に興味を持って、ネットで色々調べていたら、こちらのブログにたどり着きました。こちらのブログの「美奈子さん」とは、「茅辺かのう」のことなんですか? これから同じ出版社に『ある女性の生き方 茅辺かのうをめぐって』という本もあるので、取り寄せて読もうと思っています。
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茅辺かのうさん (タケモ)
2020-12-22 00:21:03
井上美奈子さんのペンネームが、茅辺かのう
です。弟さんが3人とか。
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