切迫早産など高リスクのためかかりつけの産科が対処できない妊婦を中核病院にヘリコプターで救急搬送するケースが、全国で毎年100例以上発生していることが、亀田総合病院(千葉県鴨川市)の鈴木真・周産期母子医療センター長の調査で分かった。対応可能な医療機関の少なさをヘリで補っている形だが、出産後は赤ちゃんだけが自宅から離れた病院に入院を続けるケースも多い。鈴木センター長は「赤ちゃんが自宅近くに転院できるような仕組み作りが必要」と指摘している。
鈴木センター長は、ドクターヘリを運航する病院や消防本部を対象に調査を実施。ドクターヘリや消防防災ヘリによる妊婦搬送は、06年118回▽07年117回▽08年143回--で、平均搬送時間は34.8分だった。ほとんどが切迫早産や破水などリスクの高い妊婦で、消防防災ヘリの場合でもほぼ全件で医師が同乗した。
3年間で最も搬送回数が多かったのは秋田県の35回で、千葉、静岡、和歌山、三重、長崎、熊本の6県も20回以上だった。一方、石川、奈良、大分など12県はゼロだった。
亀田総合病院の場合、総合周産期母子医療センターに指定された05年4月以降、昨年末までに67人がヘリで搬送され、うち10人は神奈川県からだった。全員無事出産したが、ほとんどが20カ所以上から「受け入れ不能」とされていたという。
鈴木センター長は、県境を越えるなどして搬送された妊婦が出産した場合、母親が退院後、自宅が遠方のため赤ちゃんとの面会が減り、母児分離が虐待につながる恐れもあると指摘。
「本来なら生活圏内の病院で受け入れられるべきで、ヘリ搬送がここまで増加しているのは異常な事態ともいえる。ヘリ搬送は有効なセーフティーネットになっているが、県境を超えてカバーし合う広域医療システムが必要だ」と話している。【合田月美】
【関連ニュース】
赤ちゃんポスト:シェルター整備などを要望 熊本県知事ら
特集ワイド:’10シリーズ危機 医療/中 産婦人科医・岡井崇さん
時のひと:4月から県医師会長に就任する、金井忠男さん /埼玉
唐津赤十字病院:産科医2人体制を確保 佐賀大、医師派遣要望に応え /佐賀
奈良・妊婦転送死亡:賠償訴訟 「受け入れ体制作り必要」--大阪地裁 /奈良
・ 橋下知事、朝鮮学校に「公金は出さない」(読売新聞)
・ 福島さん、矛盾しませんか? 国会同意人事で(産経新聞)
・ 小林議員「進退は自ら判断」=首相(時事通信)
・ 小林議員を参考人聴取=資金提供、認識を否定-札幌地検(時事通信)
・ 愛子さまが2年生最後の登校=修了式は欠席(時事通信)
鈴木センター長は、ドクターヘリを運航する病院や消防本部を対象に調査を実施。ドクターヘリや消防防災ヘリによる妊婦搬送は、06年118回▽07年117回▽08年143回--で、平均搬送時間は34.8分だった。ほとんどが切迫早産や破水などリスクの高い妊婦で、消防防災ヘリの場合でもほぼ全件で医師が同乗した。
3年間で最も搬送回数が多かったのは秋田県の35回で、千葉、静岡、和歌山、三重、長崎、熊本の6県も20回以上だった。一方、石川、奈良、大分など12県はゼロだった。
亀田総合病院の場合、総合周産期母子医療センターに指定された05年4月以降、昨年末までに67人がヘリで搬送され、うち10人は神奈川県からだった。全員無事出産したが、ほとんどが20カ所以上から「受け入れ不能」とされていたという。
鈴木センター長は、県境を越えるなどして搬送された妊婦が出産した場合、母親が退院後、自宅が遠方のため赤ちゃんとの面会が減り、母児分離が虐待につながる恐れもあると指摘。
「本来なら生活圏内の病院で受け入れられるべきで、ヘリ搬送がここまで増加しているのは異常な事態ともいえる。ヘリ搬送は有効なセーフティーネットになっているが、県境を超えてカバーし合う広域医療システムが必要だ」と話している。【合田月美】
【関連ニュース】
赤ちゃんポスト:シェルター整備などを要望 熊本県知事ら
特集ワイド:’10シリーズ危機 医療/中 産婦人科医・岡井崇さん
時のひと:4月から県医師会長に就任する、金井忠男さん /埼玉
唐津赤十字病院:産科医2人体制を確保 佐賀大、医師派遣要望に応え /佐賀
奈良・妊婦転送死亡:賠償訴訟 「受け入れ体制作り必要」--大阪地裁 /奈良
・ 橋下知事、朝鮮学校に「公金は出さない」(読売新聞)
・ 福島さん、矛盾しませんか? 国会同意人事で(産経新聞)
・ 小林議員「進退は自ら判断」=首相(時事通信)
・ 小林議員を参考人聴取=資金提供、認識を否定-札幌地検(時事通信)
・ 愛子さまが2年生最後の登校=修了式は欠席(時事通信)